減価償却で節税できる?賃貸の税金と手元の現金が違う理由

更新日:10月13日
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「減価償却を使うと節税できるって聞いたけど、家賃は本当に増えるんかな」。帳簿の数字と通帳の残高が違うと、少し不思議に感じますよね。
減価償却費は税務上の費用になることがあります。でも、所得税などがどれくらい変わるかは、収入・他の経費や所得の状況などで異なります。税金の話と手元の現金を分けて考えましょう。
① 減価償却費は毎年の税務上の費用になる
賃貸に使う建物や設備の取得費は、原則として税務上のルールに沿って年ごとに減価償却費へ配分します。土地は通常、減価償却できません。
たとえば建物の減価償却費を年60万円計上するという例なら、家賃を受け取った年の所得計算にその費用を反映する仕組みです。実際の額は耐用年数などで変わります。
新しく60万円を支払うという意味ではありません。建物を買ったときに支払った取得費を、年ごとに税務上配分する考え方です。
② 税金の計算と通帳の残高を分ける
例えば年の家賃が180万円、管理・税・保険などの現金支出が50万円なら、ローン返済前に130万円残る計算です。ここへ減価償却費60万円があるなら、単純化した税務上の所得は70万円になります。
ただし実際の税務計算には借入利息などの費用や他の項目もあります。また銀行への元金返済は、そのまま必要経費にはなりません。
この例は税額を保証する計算ではありません。現金で払った修繕や返済後にいくら残るかは、帳簿と別の表で計算することが大切です。
③ 節税額は人と物件の状況で変わる
減価償却費を計上した場合の税負担は、賃貸の利益や他の所得、適用する税制によって異なります。誰でも同じ金額の節税になるわけではありません。
そもそも赤字の年に減価償却費が多くても、税金が現金で返ってくると自動的に決まるわけではありません。所得の損益通算にも制限や条件があります。
『毎年必ず節税できる』という宣伝だけで物件を買うのは避けたいところです。購入前に見込みの収支を税理士へ確認しましょう。
④ 減価償却費は建物・設備の内容で変わる
中古戸建て・区分マンション・アパートでは、土地と建物の価格配分や構造、設備の内容が違います。減価償却費は築年数だけで自動的に決まりません。
中古資産の耐用年数は、一定の条件で使用可能期間の見積もりや簡便法を使う場合もあります。ただし大きな改修をした場合などには計算の制限があります。
見込み計算には売買契約書と取得時の資料を使いましょう。恣意的に建物価額を大きくして帳簿上の費用を増やすことは避ける必要があります。
設備や建物を維持するための工事費も把握し、費用を整理してから必要な見積もりを比較しましょう。
⑤ 売却するときの取得費にも影響がある
減価償却は持っている間の所得計算だけでなく、建物を売るときの取得費の計算にも関係します。取得費は購入代金そのままではない場合があります。
例えば建物の取得費から保有期間中の減価償却費相当額を差し引いて譲渡所得を計算することがあります。『持っている間の節税だけ得になる』とは考えない方が安全です。
買うときから最後に売る場合も考えましょう。売却代金からローン残高や諸費用を引いた現金と、売却益への税金は別々に確認します。
建物を売る場合の取得費と減価償却費相当額の関係は、国税庁の公式資料で確認できます。
⑥ 家賃が減れば節税だけでは守れない
例えば毎年の減価償却費が大きくても、入居者が退去すれば家賃は減ります。修繕費が増えれば、通帳のお金も少なくなります。
借入の返済が多い物件では、税金の利益が少なく見えても、実際に支払える現金が不足することがあります。修理や空室を負担できる預金を残しましょう。
節税額より『普段の年と厳しい年にいくら残るか』を重視したいところです。毎月の入金と支出を記録しておくと判断できます。
すでに所有する物件を今後どう扱うか迷う場合は、現況査定と管理の負担を比べる方法もあります。
⑦ 減価償却と税金を確認する四つの順番
第一に建物と土地の取得費を分け、償却の対象となる建物・設備を整理します。
第二に減価償却費と現金で支払う費用を別の列で計算します。
第三に税務上の利益と実際の所得・税額、損益通算の条件を税理士へ確認しましょう。
第四に売却時の取得費や残債も見ます。今日できることは『帳簿の利益』と『毎月の現金』を二つの表に分けることです。
⑧ よくある質問
Q1. 減価償却費60万円なら税金が60万円減りますか?
減価償却費は一定の条件で所得を計算する際の費用です。税金が同額減るわけではありません。
実際の課税所得と税率などで確認しましょう。
Q2. 減価償却すると現金が増えますか?
減価償却費を計上しただけで現金が入るわけではありません。
家賃と支出・返済の記録を見てください。
Q3. 節税目的だけで築古物件を買うのはどうですか?
空室や工事費・売却時の影響によって損失が生じる場合があります。
税金だけでなく長期の収支から判断しましょう。
⑨ まとめ
減価償却は、建物などの取得費を年ごとに配分する税務上の仕組みです。経費を計上できても同じ額のお金が通帳へ入るわけではなく、税負担が必ず減るとも限りません。
家賃・空室・修理と銀行返済の後の現金を確認し、売却時の取得費への影響まで考えましょう。購入前には実際の条件を専門家へ確認することが大切です。
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