不動産投資でFIREできる?退職前の生活費・修繕・融資・現預金の判断順

更新日:10月12日

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「家賃が月50万円入るようになったら、会社を辞めてもええかな」。不動産を増やしていると、家賃収入が給与の代わりになる日を考えることがあります。けれども50万円の入金と、生活に使える50万円は同じではありません。
退職を判断するなら、生活費のほかに税・社会保険、空室、修繕、借入返済を入れて考える必要があります。退職後に新しい融資を利用したいかどうかも関係します。目標家賃からではなく、残したい現金から逆算してみましょう。
① 家賃収入と暮らしに使える現金は別
満室家賃が月50万円、ローン返済が月23万円、固定資産税・管理料・保険などの年額を月換算した費用が12万円なら、差額は15万円です。これはあくまで比較用の仮定で、満室が続く保証もありません。
この15万円からも、将来の給湯器交換や屋根修理を払う余裕が必要です。会計上の利益に含まれる減価償却と、借入元金の返済による現金の減少を混同しないことが大切になります。
退職前に過去12か月の送金明細と支払履歴を集め、実際に預金がどれだけ増えたかを確認しましょう。満室想定ではなく、現況を使った計算が出発点です。
② 退職後は税金と社会保険の支払い方も変わる
会社員の給与から天引きされていた健康保険や厚生年金などは、退職後の働き方や加入する制度によって負担と手続きが変わります。国民健康保険・国民年金への切替えや任意継続など、該当する選択肢を確認する必要があります。
住民税は前年所得を基に課税されるため、退職直後に給与がなくなっても支払いが残る場合があります。不動産所得や法人役員報酬の扱いも、個人と法人で一律にはできません。
月々の生活費だけでなく、税と保険料の納付時期を予定表に入れましょう。制度や見込み額は自治体・年金事務所・税理士などへ個別に確認してください。
退職などで加入する年金制度が変わる場合、手続きの基本を日本年金機構で確認できます。
③ 生活費を先に決め、必要なCFを逆算する
例えば家族の生活費が月30万円なら年360万円が必要です。しかし不動産の現金が年360万円残るだけでは、旅行や車の買替え、突発的な医療費などへ対応する余裕がないかもしれません。
生活費と事業の修繕資金は口座や管理表を分けておくと、使ってよい現金を把握しやすくなります。入居者の敷金など将来返還する可能性のある資金も、自由に使える資金と考えないことが重要です。
家賃が入ってくる時期だけでなく、固定資産税や設備交換など大きな支払い月を並べます。年額が黒字でも途中の月に資金不足が起きる場合があります。
④ 空室と修繕が重なる年でも生活できるか
戸建て一戸なら退去すれば家賃収入がゼロになり、アパートでも複数の退去が重なる場合があります。今の満室家賃だけで退職を決めず、空室率10%・20%を仮定してみましょう。
年間家賃600万円から20%の空室損が出れば480万円です。そこから運営経費、融資返済、原状回復費用を引き、生活費まで払って現金を維持できるか計算します。
屋根や給排水の修繕は、少額ずつ均等に発生するとは限りません。設備更新の年に数百万円必要となる可能性があれば、生活費と別に備える現預金を検討しましょう。
退職前に大きな修理費を確かめたい場合は、建物の状態と工事範囲を整理して、改修の相談先の条件を確認できます。
⑤ 退職すると次の融資へ影響することもある
会社員の給与所得は金融機関が借入人の返済力を確認する材料の一つです。退職した後は不動産所得や法人の業績、資産や既存借入などで判断され、これまでと同じ融資条件を得られるとは限りません。
退職後も物件を買い増したいなら、金融機関へ働き方が変わる場合の取扱いを確認しましょう。融資の承認が出てから退職すれば安全、という単純な順序でもありません。
既存ローンの返済予定表と担保条件も整理します。収入が減った時期に借換えや大きな修理を必要とする場合の対応を考えておくことが大切です。
⑥ 退職を急がず、段階的に確認する方法もある
本業を続けながら、家賃CFが安定しているかを一年単位で観察する方法があります。繁忙期の満室と退去が集中する時期では、口座残高の動きが違うことがあるからです。
退職前に長期の修繕計画と緊急時の連絡先を作り、誰が管理会社の対応を判断するか決めましょう。会社を辞めれば管理へ使える時間が増える一方、必ずしも修理の費用が減るわけではありません。
もし物件の売却を考えるなら、売値から残債・税・売却費を引いた手残りを把握します。保有物件の数より、生活を支えられる現金の厚みが判断材料です。
一部の物件を売却して借入を減らす選択肢なら、残債と売却諸費用を確認したうえで現況査定を比較できます。
⑦ 会社を辞める前に確認したい四つの順番
第一に、過去12か月の実入金と管理・税・保険・融資返済を一覧にし、自由に使えるCFを計算します。満室想定の家賃とは分けて記録しましょう。
第二に退職後の生活費・健康保険・年金・住民税の支払いを確認し、今後数年間の資金繰りへ反映します。生活費と修繕予備費を同じ財布にしないことが大切です。
第三に空室と大規模修繕が重なった場合の預金残高を試算し、退職後も融資を利用したいなら金融機関と条件を確認します。
第四に退職する条件と見送る条件を決めます。今日できることは、満室家賃ではなく『昨年、口座に実際いくら増えたか』を確認することです。
⑧ よくある質問
Q1. 家賃収入が給与より多ければFIREできますか?
家賃は売上に近い数字で、管理費・税・修繕・ローン返済を引いた後の現金とは異なります。生活費と将来の支出まで考える必要があります。
過去の実入金と年間の現金支出を確認しましょう。
Q2. 退職すると不動産投資の融資が受けられなくなりますか?
給与所得がなくなることは審査へ影響する場合がありますが、審査は物件の収益や資産、既存借入などを含む個別判断です。
今後買い増したい場合は、退職前に金融機関へ相談しましょう。
Q3. 空室や修繕に備える現金はいくら必要ですか?
物件数・建物の状態・返済額・生活費によって変わり、全国一律の正解はありません。
更新時期と空室期間を仮定して、不足する現金を試算してください。
⑨ まとめ
不動産投資で会社を辞めるかどうかは、家賃収入の総額より、退職後の生活費と税・社会保険を払っても残る現金で判断します。空室と修繕が重なった年の資金繰りも欠かせません。
融資を使って買い増す予定がある人は、退職による審査条件の変化も考えておきましょう。いま辞めることだけを目標にせず、無理なく続けられる経営の余裕を作ることが大切です。
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