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不動産投資の事業計画書は何を書く?銀行に示す家賃・経費・修繕・返済の組み方

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
7月28日
読了時間: 7分

更新日:10月12日

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「銀行から事業計画書を出してくださいと言われた。満室の家賃収入を書けばええんかな」。不動産投資の計画書は、表面利回りをきれいに見せるための資料ではありません。


金融機関に伝えたいのは、どの物件を、どんな資金で買い、空室や修理があってもどう返済を続けるかという根拠です。家賃、経費、修繕、返済と現金残高を分け、説明できる数字へ整えましょう。




① 物件概要と土地・建物の条件を最初に揃える

所在地、土地建物の面積、築年・構造、戸数、駐車台数、入居状況、売買価格を資料で整理します。建築確認や修繕履歴、接道、ハザードの情報も取得できる範囲で確認しましょう。


物件の状態が分からない部分を『問題なし』と書く必要はありません。確認済みの資料と、購入前に調査する予定の項目を分けて記載することが大切です。


地方の物件では駅距離だけでなく、車利用や周辺の雇用、生活施設も募集条件に関係します。収益の前提として、誰が住む物件なのか説明できるようにしましょう。




② 満室家賃と現況家賃・実際の入金を分ける

レントロール上の満室家賃は、すべての住戸がその条件で埋まった場合の数字です。現況の契約家賃と、実際に管理会社から入金された金額は異なることがあります。


空室・滞納・フリーレント・共益費や駐車場代を分け、管理会社の送金明細があれば照合します。退去後に同じ家賃で募集できるかは周辺物件の条件を比較しましょう。


売主が示した数字をそのまま転記せず、出典と確認日を明示すると、融資担当者からの質問にも答えやすくなります。




③ 固定費・変動費・初期費用を年額で計算する

管理委託料、共用電気、保険、固定資産税、清掃、募集費などを分類します。物件価格以外にも登記・融資手数料、仲介、取得後の修繕に必要な現金を見込みます。


空室が多い年には管理料や募集費の構成が変わる場合があります。経費をすべて家賃に対して一定割合と決めるより、固定支出と入退去で変わる支出を分ける方法が有効です。


屋根・給排水・給湯器などの設備更新は、毎年少額で済むとは限りません。直近の修理履歴や見積もりに基づき、まとまった支払時期も考慮しましょう。


初期修繕の見積もりが必要なら、屋根・配管などの工事範囲を整理して外部の相談先の対応を確認できます。




④ 家賃減少と返済後CFを具体的に示す

仮に満室家賃が年360万円、空室損10%で36万円、運営費と修繕準備が年90万円、ローン返済年180万円なら、返済後の現金差額は年54万円です。これは説明用の計算であり実際の相場ではありません。


空室損20%なら72万円となり、ほかの条件が同じ場合の差額は18万円に減ります。ここへ大きな修繕が重なれば、年の現金が不足する可能性があります。


借入元金の返済は通常の費用計上と違い、会計上の利益と口座の現金が一致しない場合があります。融資用の収支表では、返済予定表とキャッシュフローを別に確認しましょう。




⑤ 自己資金・借入額・購入後の現金を説明する

自己資金がいくら用意できるかだけでなく、物件購入後も運転資金を残せるかが大切です。保有物件があるなら、既存ローンの返済予定と修繕に必要な現金も合わせて把握します。


融資額、金利、期間、返済開始日と事務手数料を記載し、決済時に現金で支払う金額を一覧にしましょう。借入可能額は審査で決まるため、希望条件を確定条件のように書かないことが重要です。


計画書の作り方によって銀行が必ず融資するわけではありません。数字の根拠と、不利な条件が起きた場合の対応を説明する資料として整えます。




⑥ 5年の修繕と出口を示して計画を完成させる

購入後の1年目に必要な修繕、設備の更新が近い年、空室と原状回復が重なる年などを分け、5年間の資金繰りを仮定します。毎年満室で同じ家賃が入るだけの計画では、資金不足の時期が見えません。


保有する期間が長くても、売却できる条件や借入残高を意識しておきます。売却価格は過去の取引や建物状態に左右され、購入時の金額で売れる保証はありません。


金融機関の質問へ答えるときも、実績・予定・仮定を区別します。確認できない家賃上昇や根拠のない改修後満室を計画の前提にしないようにしましょう。


周辺の取引価格や防災情報を確認し、物件の立地と出口を説明する際の参考資料にできます。


物件売却で自己資金を準備する場合は、残債と売却費用を踏まえた現況査定を比較する方法があります。




⑦ 事業計画書を銀行へ出す前の四つの確認順

第一に売買資料、建物概要、入居状況、家賃入金、修繕履歴を集めます。根拠を確認できない数字は仮定として分けます。


第二に諸費用と初期修繕を含む購入総額を作り、家賃から空室・経費・税・保険・返済を控除したCFを計算します。


第三に空室率10%・20%、金利上昇、大規模修繕などの厳しい条件で資金が不足しないか試算します。自己資金を使い切らないようにしましょう。


第四に5年の計画と売却時の残債を確認して提出します。今日できることは、満室家賃と現況入金の差を最初の一枚に書くことです。




⑧ よくある質問

Q1. 銀行へ提出する計画書は満室家賃だけでよいですか?


満室想定は比較材料ですが、現況入金や空室率・経費・返済を入れないと資金繰りを説明しきれません。


送金明細と実効家賃を確認してください。


Q2. 利回りが高い物件なら融資を受けやすいですか?


金融機関は借り手や物件の担保・収支、既存借入などを総合的に判断します。表面利回りだけでは決まりません。


修繕・空室を含む返済計画を準備しましょう。


Q3. 事業計画書を作れば希望金額を借りられますか?


計画書の内容は審査材料の一つで、融資の承認や条件を保証するものではありません。


根拠ある数字と手元資金を示して相談しましょう。




⑨ まとめ

銀行向けの不動産投資事業計画書は、物件概要、家賃の実績、運営費、初期修繕、融資返済と現金を一貫した数字で説明することが大切です。楽観的な満室家賃だけで判断しないようにします。


空室や大規模修繕が重なる場合と、数年後の残債まで試算しておけば、金融機関へ相談する際の根拠が明確になります。計画書は審査を通すための飾りではなく、買うかどうか決めるための資料です。




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