築古アパートと新築アパートを10年後に売却したら?累計CF・残債・売却手残りを比較

更新日:10月2日
築古アパートと新築アパートを比べるとき、表面利回りや最初のキャッシュフローだけでは10年後の結果まで分かりません。
10年間保有して売却まで終えるなら、見るのは累計キャッシュフロー、10年後の残債、売却価格、売却費用、最初に入れた自己資金。最後に何円残るかまで同じ式で比べます。
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▪️1 まず10年間の比較式をそろえる
比較式は、累計キャッシュフロー+売却代金-売却時残債-売却費用-当初自己資金。まず税引前の簡易比較として同じ条件へそろえます。
築古だけ修繕を多く見て新築はゼロ、新築だけ売却価格を高く置く。こうした前提差があると、物件ではなく仮定の差を比べることになります。
家賃、空室、管理費、修繕、金利、返済期間、売却価格の置き方を先に一覧化。数字を変えるときは両方へ同じ考え方を使います。
累計CFへ入れるのは、毎月の管理費や返済だけではありません。原状回復、設備交換、保険、共用部修繕など、年ごとに発生する支出も同じ表へ入れます。
▪️2 保有中の累計CFは年ごとに見る
年間CFが毎年同じとは限りません。退去、家賃下落、原状回復、大規模修繕で変動するため、10年分を年ごとに積み上げます。
築古は購入直後の修繕、新築は数年後の設備交換など、支出時期の違いも確認。10年合計だけでなく、途中で現金が薄くなる年がないかを見るのが大切です。
空室率を一つの数字で固定するより、通常年と厳しい年を分けると資金繰りを確認しやすくなります。
返済額の中では、利息と元金の減り方も分けて見ます。CFが同じでも元金がどれだけ減ったかで10年後の残債は変わるため、年間手残りだけでは出口を比較できません。
▪️3 残債は返済期間と元金の減り方で変わる
10年後の残債は、借入額だけでは決まりません。金利、返済期間、返済方法で元金の減り方が変わります。
保有中にCFが多くても残債が大きく残るケース、新築でCFが小さくても元金が減っているケース。ここを別々に見ると出口の差が見えてきます。
返済予定表から5年後・10年後の残高を拾い、売却想定と並べる流れです。
売却価格の前提では、家賃維持と下落ケースを分けます。収益物件では賃料や稼働状況が買い手の見方へ影響するため、保有中の運営状態も出口条件の一部。
▪️4 売却価格は一つに固定しない
10年後の売却価格は確定できません。強気、標準、慎重など複数ケースを置き、どの水準まで下がると手残りが厳しくなるかを見ます。
国土交通省の不動産情報ライブラリでは、実際の取引価格や地価などを確認できます。現在の周辺取引を把握する入口。
築年数だけで売却価格を決めず、立地、土地値、賃料、稼働状況、修繕状態などを合わせて見る考え方です。
売却時には、仲介手数料だけでなく、契約条件に応じた諸費用や残債精算も確認します。税金は別計算にして、税引前の物件比較と混ぜない方が前提を追いやすくなります。
▪️5 売却費用を引いて初めて手残りになる
3000万円で売れても、3000万円がそのまま手元へ残るわけではありません。残債、仲介手数料などの売却費用を引きます。
税金は取得費、減価償却、所有期間、名義などで変わるため、税引前比較と税引後の確認を分ける方が安全。
国税庁は減価償却資産の償却方法などを案内。税額まで比較するなら、保有中の減価償却も含めて税理士等へ確認します。
最後に、空室が長い年と修繕が重なる年を同時に置いたストレスケースも作成。最終手残りが残っていても途中で現金が尽きるなら、その投資は自己資金に対して重い可能性があります。
▪️6 最終手残りだけでなく途中の安全性も見る
10年後の最終手残りが大きくても、3年目に大規模修繕で現金が足りなくなるなら運営は厳しくなります。
最終結果と途中の資金繰りは別に確認。最低現金残高、最大修繕年、空室が重なる年を並べると、どちらが持ちやすいか見えてきます。
築古・新築のラベルより、自分の自己資金と返済余力に合うかが重要です。
▪️7 確認する順番
①当初自己資金をそろえる、②10年分のCFを年ごとに出す、③5年後・10年後の残債を見る、④売却価格を複数ケースで置く、⑤残債と売却費用を引く、⑥税引前と税引後を分ける、⑦最終手残りと途中の最低現金残高を比較する。この順なら、年間CFだけで築古・新築を決めにくくなります。
シミュレーションは未来予測ではなく、前提を変えたとき結果がどこまで動くかを見る道具です。前提が動けば結果も動くため、一つの数字を確定値として扱いません。
一つの数字で勝敗を決めず、売却価格、空室、修繕を弱めたケースまで確認します。そこで耐えられる物件かどうかが判断材料です。
実際の購入候補では、同じ比較式へ物件固有の家賃、返済、修繕履歴を入れ直します。数字が変われば結果も変わるため、前提表も一緒に保存します。
▪️⑧ Q&A
Q1. 築古アパートの方が10年後の手残りは大きいですか?
一律ではありません。購入価格、CF、残債、修繕、売却価格で変わるため、同じ式で比較します。
Q2. 10年後の売却価格はどう決めますか?
現在の周辺取引や土地値などを確認し、標準だけでなく慎重ケースも置きます。将来価格を断定しません。
Q3. 税金もシミュレーションへ入れるべきですか?
最終判断では重要です。ただし取得費や減価償却、名義で変わるため、税引前比較と分けて確認すると整理しやすくなります。
▪️⑨ まとめ
築古アパートと新築アパートの10年比較は、年間CFだけで決めないこと。累計CF、残債、売却価格、売却費用、当初自己資金まで同じ式へ入れます。
最終手残りと途中の資金繰りを両方見る。前提を弱めても持ち続けられるかまで確認すれば、物件ごとの差を比較しやすくなります。

