2027年から貸付用不動産の相続税評価はどう変わる?5年・80%・対象範囲を整理

更新日:10月4日
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2027年1月1日以後の相続等では、一定の貸付用不動産の評価方法が見直されます。「5年以内」「80%」だけで判断せず、対象・例外・小規模宅地等との違いを整理します。
制度や税務の扱いは、土地・建物の条件や適用時点で変わることがあります。この記事では断定を避け、確認する順番が分かる形で整理します。
▪️1 2027年から「すべての賃貸不動産が購入価格の8割」になるわけではない
2026年度税制改正では、貸付用不動産の市場価格と相続税評価額の乖離に対応する見直しが示されました。適用は2027年1月1日以後に相続等で取得する財産からです。
重要なのは対象が限定されていることです。「賃貸不動産なら一律、購入価格の80%」と覚えると誤解につながります。
▪️2 課税時期前5年以内に取得・新築した一定の貸付用不動産が中心
大綱では、被相続人等が課税時期前5年以内に対価を伴う取引で取得、または新築した一定の貸付用不動産について、課税時期の通常の取引価額に相当する金額で評価する方向が示されています。
短期間で取得した収益不動産を従来の評価方法だけで大きく圧縮するケースを見直す考え方です。取得時期と貸付状況を最初に確認します。
▪️3 80%は「取得価額そのもの×80%」と単純化しない
財務省大綱では、課税上の弊害がない限り、取得価額を基に地価変動等を考慮して計算した価額の80%相当額で評価できる扱いが示されています。
そのため、購入時の契約書に書かれた金額へ機械的に0.8を掛ければ終わり、という制度説明ではありません。土地・建物、取得時期、価格変動などを含めて確認します。
▪️4 不動産小口化商品などは取得時期にかかわらない見直しもある
一定の不動産特定共同事業契約や信託受益権に係る貸付用不動産については、取得時期にかかわらず通常の取引価額相当で評価する見直しも示されています。
現物の一棟アパート、区分マンション、不動産小口化商品を同じ条件で扱わないことが重要です。保有形態まで確認します。
▪️5 小規模宅地等の特例とは別の論点
貸付事業用宅地等については、小規模宅地等の特例が関係する場合があります。今回の評価見直しと、小規模宅地等の特例による課税価格の減額は別の制度です。
「評価方法が変わるから特例も使えない」「80%になれば必ず税額が増える」と一律に考えず、評価後の課税価格と適用要件を順番に確認します。
▪️6 相続対策で物件を買うなら税だけで判断しない
相続直前に賃貸不動産を買えば必ず節税になる、という前提は今後さらに危険です。空室、修繕、借入金利、売却価格、管理負担まで含めて投資として成立するかを先に見ます。
相続税評価の圧縮だけで購入理由を作らず、収益性と出口を分けて確認することが重要です。
▪️7 2027年以後に相続が見込まれる場合の確認順
①取得・新築時期を確認、②現物か小口化商品等か確認、③貸付状況を確認、④取得価額資料を残す、⑤最新の通達・国税庁案内を確認、⑥小規模宅地等など別特例を確認、の順で整理します。
税制は適用時点の法令・通達で最終確認が必要です。相続発生前後は税理士へ資料を見せ、個別計算で確認します。
▪️⑧ Q&A
Q1. 2027年から賃貸物件は全部「購入価格の80%」評価ですか?
いいえ。対象となる貸付用不動産や取得時期など条件があります。80%も取得価額を基に地価変動等を考慮して計算した価額について示された扱いで、単純な購入価格×80%ではありません。
Q2. 5年以上前に買った賃貸物件なら今回の見直しは無関係ですか?
現物不動産の一定の見直しは5年が重要ですが、不動産小口化商品等では取得時期にかかわらない見直しも示されています。保有形態まで確認が必要です。
Q3. 小規模宅地等の特例は使えなくなりますか?
今回の評価方法見直しとは別制度です。貸付事業用宅地等の要件を満たすかは個別に確認します。
▪️⑨ まとめ
2027年の見直しは「賃貸不動産=購入価格の80%」という単純な制度ではありません。5年以内の一定の貸付用不動産や、不動産小口化商品等を分けて見る必要があります。
相続対策では税評価だけでなく、取得時期・収益性・借入・修繕・出口まで含めて判断し、適用時点の最新通達を専門家と確認しましょう。

