賃貸物件を子どもへ贈与する?家賃収入・贈与税・借入と相続の比較順

更新日:10月9日
賃貸アパートや戸建を子どもへ移すと、将来の家賃収入や管理の担い手が変わる可能性があります。しかし、贈与すれば節税できるとは限りません。贈与時の税金と借入、贈与後の管理、将来の相続時の扱いを分けて考えます。
① 家賃収入が誰に帰属するか
所有権を移せば、その後の賃料が新しい所有者へ帰属する場合があります。ただし賃貸借契約や家賃の入金口座、管理会社との委託関係を確認し、実態も整える必要があります。
所有者だけ変えて旧所有者の口座で家賃を管理し続けると、説明が難しくなる場合があります。移転日と管理方法を明確にしましょう。
② 贈与税と相続税を別に計算
不動産の贈与には贈与税のほか、登記に伴う費用や不動産取得税などの負担が発生し得ます。相続で取得する場合と手続き・負担は異なるため、同じ評価条件で比較します。
暦年課税と相続時精算課税にはそれぞれ要件があり、選択により将来の相続税計算にも影響します。贈与契約を結ぶ前に確認してください。
③ 借入金と担保の扱い
金融機関の借入が残る物件では、所有権移転に銀行の承諾や条件変更が必要となる場合があります。借入債務が贈与で自動的に子どもへ移るわけではありません。
負担付贈与などの取扱いは通常の贈与と異なる論点があります。銀行と税理士へ先に確認します。
④ 敷金・修繕・契約を引き継ぐ
入居中の賃貸物件には敷金の返還義務や修繕履歴が関係します。新所有者が誰に何を引き継ぐかを管理会社と整理します。
築古物件では大規模修繕が必要になる時期も確認します。家賃が移るメリットだけでなく、将来の支出も承継します。
⑤ 家族の運営能力と意向
子どもが賃貸経営を希望していない場合、贈与後に空室対応や設備交換が負担になることがあります。家族の生活状況と、管理会社へ委託する費用を確認します。
複数の相続人がいる場合は、他の財産とのバランスも考えます。
⑥ 売却との比較も残しておく
贈与の代わりに親が物件を売却し、その後の資金の承継を考える方法もあります。売却費用と税金を含めて比較し、管理負担を終える選択肢も検討します。
売却価格が高いと見込めても、残債や修繕費で手残りが減る場合があります。
⑦ 贈与を決める前の停止条件
家族の同意と管理の担い手が決まらない間は、移転を急がないようにします。
税金や登記費用の総額が分からなければ、贈与契約前に試算します。
借入や敷金の承継条件が確認できていない場合は、銀行と管理会社へ相談します。
最後に生前贈与・相続・売却を同じ期間と費用条件で比較して判断します。
⑧ Q&A
Q1. 贈与すれば今後の家賃は必ず子どものもの?
所有権の移転時期や契約管理の実態により確認が必要です。
家賃の入金先と賃貸借契約の管理を整えます。
Q2. 贈与の方が相続より安い?
贈与税や不動産取得税、登記費用などの違いがあり、一概には言えません。
双方の税額と費用を専門家に試算してもらいます。
Q3. ローンがある賃貸でも贈与できる?
金融機関との契約や担保、税務上の問題が生じる場合があります。
事前に銀行の条件を確認してください。
⑨ まとめ
賃貸アパートや戸建を子どもへ移すと、将来の家賃収入や管理の担い手が変わる可能性があります。しかし、贈与すれば節税できるとは限りません。贈与時の税金と借入、贈与後の管理、将来の相続時の扱いを分けて考えます。
判断に必要な資料や見積もりをそろえ、費用と今後の負担を比較してください。税務や権利関係は個別事情で変わるため、確認できない部分を推測で断定せず、必要に応じて専門家に相談します。

