【MIRAIU|愛媛県の空き家リフォーム】南海トラフ・豪雨河川・リアス海岸・島しょで「直す/持つ」を決める

更新日:10月11日

愛媛県の空き家は、県内を一つの市場として見ると判断を誤りやすいです。松山都市圏、今治・しまなみ海道、東予の工業都市、肱川流域、八幡浜・西予、宇和島・愛南、中山間では、水害・地震・津波・道路・流通・管理の重みが大きく変わります。
令和5年住宅・土地統計調査では、愛媛県の空き家は約14.6万戸、空き家率は約19.8%で全国7位。使用目的のない空き家率も約12.2%で全国3位とされており、「とりあえず直す」より、残す・貸す・売る・除却する出口から先に考える必要があります。
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▪️1 愛媛は「中予・東予・南予」だけでなく、都市・沿岸・島・山で分ける
松山市周辺では住宅流通と道路、今治では沿岸・島しょ・しまなみの移動、東予では河川と工業都市の市場性、南予ではリアス海岸・豪雨・山間道路が重要になります。同じ築年数でも、土地条件が違えば直す意味は変わります。
県名だけで一律の改修予算を置かず、まず地域と出口を分ける。その後で建物を見る方が、追加費用を読みやすくなる。
▪️2 松山都市圏は、全面改修より現況市場と道路を先に見る
松山市と周辺では、中古住宅として動く家と、土地として見られる家があります。売却予定なら、水回りを新品へ替える前に現況査定、接道、駐車、建替えや再利用のしやすさを確認したいところです。
買い手が自分で直したい家では、先回りした設備交換が回収できないこともある。必要補修と見栄えの工事を分けて考えます。
▪️3 今治・しまなみ海道は、沿岸・島しょ・搬入条件を一緒に見る
今治市は市街地・沿岸部に加え、大島・伯方島・大三島など島しょを含みます。住宅本体だけでなく、橋・船便・道路、職人や資材の手配、台風後の確認まで管理条件へ入ります。
島の家は、本土側と同じ工事単価・工程になるとは限らない。景観や取得価格だけで改修額を増やさず、巡回まで含めた総額で比べたい。
▪️4 新居浜・西条・四国中央は、河川と工業都市の流通を重ねる
東予では国領川、加茂川、金生川など複数の河川で洪水浸水想定区域図が公表されています。工業都市として住宅需要が見込める地域でも、低地・河川・道路条件は住所ごとに違います。
勤務需要があるから高額改修しても回収できる、と先に決めない。家賃や売却価格から逆算し、排水・床下・外構の費用を別枠で見る方が安全です。
▪️5 大洲・肱川流域は、豪雨履歴と中小河川まで確認する
南予北部では、肱川本川だけでなく多数の支川・中小河川について洪水浸水想定区域図が公表されています。大洲周辺では2018年豪雨の経験も踏まえ、河川から少し離れた家でも道路・排水・敷地高を確認したいところです。
洪水マップの色だけで家を切り捨てるのではない。床下の湿気、基礎、外構、避難動線を確認し、使い続ける条件を整理します。
▪️6 八幡浜・西予は、リアス海岸と山間道路を分けて見る
八幡浜・西予では、海に近い集落と山間部で確認項目が変わります。沿岸なら津波・高潮、山側なら土砂・擁壁・狭い道路が重くなり、工事車両の進入も見積もりへ影響します。
古民家らしさや眺望だけで改修額を上げない。道路と斜面は建物を直しても残るため、購入前に確認しておく必要があります。
▪️7 宇和島・愛南は、津波・リアス海岸・豪雨・管理を重ねる
宇和島市・愛南町など南予南部では、津波浸水想定に加え、中小河川の洪水、土砂災害、リアス海岸特有の道路条件を一緒に見ます。沿岸集落では避難方向と日常の外装管理も重要です。
海沿いだから持てない、内陸だから安全と単純化しない。避難・道路・建物状態・流通性を同じ表で比べる考え方です。
▪️8 2025年9月に変更された津波浸水想定を古い地図へ上書きする
愛媛県は2025年9月2日、津波防災地域づくり法に基づく津波浸水想定を変更しました。四国中央・新居浜・西条・今治から、松山・伊予、八幡浜・西予・宇和島・愛南まで地域別の図面が公表されています。
古い自治体資料だけで沿岸住宅を判断しない方がよいでしょう。最新の浸水想定と避難路を確認してから、耐震・外装・設備へかける上限を考えます。
▪️9 2026年2月の地震被害想定は、南海トラフだけではない
愛媛県は2026年2月、地震被害想定を見直し、南海トラフ巨大地震に加えて、安芸灘~伊予灘~豊後水道のプレート内地震、中央構造線断層帯の地震も対象としました。震度、液状化、土砂、津波などを最新データで推計しています。
耐震改修を考えるときは、築年数だけでなく利用期間と土地条件を重ねたいところです。長く住む家と、数年で売る家ではかける金額が違います。
▪️10 洪水は、2026年3月更新の県図まで確認する
愛媛県は2026年3月31日更新の洪水浸水想定区域図で、水位周知河川に加え、東予・中予・南予の中小河川を地域別に公開しています。松山・今治・宇和島・大洲などでは、見るべき河川が一つではありません。
住所ごとに関係する河川を確認し、道路・側溝・敷地高を現地で重ねる。大河川から離れているという理由だけで水害確認を省かない方が安全です。
▪️11 土砂災害区域は、2026年も各地で更新が続いている
愛媛県の土砂災害警戒区域・特別警戒区域は2026年も更新が続き、久万高原町、宇和島市、鬼北町、松野町、西予市、愛南町などで公表・指定情報が更新されています。山際の家は古い資料だけで判断しない方がよいでしょう。
斜面・擁壁・水路・道路まで現地で確認し、必要なら建物とは別に専門家へ相談する。見た目だけで安全・危険を断定しないことが大切です。
▪️12 空き家率19.8%は「安く買える県」と単純化しない
愛媛県では空き家総数が約14.6万戸、空き家率約19.8%と高い水準にあります。使用目的のない空き家も約9万戸あり、相続後に出口が決まらない家が増えている状況です。
空き家が多いことは、すべての地域で安く買えて貸しやすいという意味ではありません。市場性、管理のしやすさ、売却時の出口まで確認しておきたい。
▪️13 空き家ネットワークと相談窓口は、改修前の整理に使う
愛媛県では県・市町・民間団体などが連携する空き家対策ネットワークを設け、相談窓口も用意しています。管理・活用・売却・解体など、リフォーム以外の選択肢も含めて相談できます。
工事会社へ見積もりを取る前に、そもそも直す家なのかを整理する使い方ができます。相続や共有、売却が絡む家ほど、順番を分ける意味があります。
▪️14 移住者向け改修支援は、市町ごとの条件を確認する
愛媛県は市町と連携し、空き家バンク等を通じて取得・賃借した住宅の改修を支援する仕組みを設けています。実際の対象世帯、補助額、居住年数、着工前申請などは市町ごとに異なります。
県の制度名だけで補助額を予算へ入れない。松山・今治・宇和島など、対象市町の2026年度条件を確認してから資金計画へ重ねます。
▪️15 売る家は、全面改修より現況査定を先に取る
売却予定なら、現況査定・最低限補修・全面改修の三案を並べます。水回りを新品にしても、道路・津波・洪水・斜面など土地条件が弱ければ、工事費をそのまま回収できるとは限りません。
買い手が自分で直す余地を残す方が合う家もある。見栄えの工事と、雨漏り・給排水・安全性の工事を分けることが大切です。
▪️16 貸す家は、想定家賃から改修上限を逆算する
賃貸では、家賃、空室期間、駐車、生活動線、管理委託費から改修上限を逆算します。松山都市圏と南予の山間・島しょでは、同じ間取りでも需要や管理頻度が違います。
家賃へ反映しにくい設備更新まで一度に行わない。入居に必要な補修と、所有者の好みで増える工事を分けておくと収支が読みやすい。
▪️17 自分で住む家は、耐震・防水・給排水を段階的に考える
長く住む家なら、耐震、防水、給排水、断熱、電気容量などへ費用をかける意味があります。一方で、すべてを一度に新品へ交換する必要はありません。
まず雨漏りや構造、水回りの安全性を整え、その後で快適性へ広げる。段階改修なら、建物の弱点へ予算を集中させやすくなります。
▪️18 道路・駐車・擁壁・排水は、リフォーム後も残る条件
建物は直せても、前面道路の狭さ、駐車の取りにくさ、擁壁、敷地の高低差、周辺排水は簡単に変えられません。山間や沿岸集落では工事車両の進入も見積もりへ影響します。
室内の写真がきれいでも、変えにくい土地条件が出口を弱くすることがある。購入前に外周を歩いて確認したいところです。
▪️19 島しょ・中山間は、改修後の巡回費まで数える
しまなみ海道沿線や離島、中山間の空き家では、草刈り、庭木、排水、台風・豪雨後の確認、冬季の道路状況などが毎年の管理費になります。工事を終えた後も管理は続きます。
遠方所有なら、誰が見に行くのかを先に決めておく。数年分の巡回費まで置いて、持ち続けられる家かを判断します。
▪️20 最後は「直す/持つ/売る/除却」を総額で決める
愛媛県の空き家は、都市部の市場性、南海トラフや活断層、河川洪水、リアス海岸、土砂、島しょ管理と、地域ごとに変えにくい条件があります。安く取得できることと、無理なく持てることは同じではありません。
購入・改修・外周管理・巡回・売却・除却まで一つの表へ置く。数年後の出口まで見て初めて、その家をどこまで直すか決めやすくなります。
改修範囲が大きい家ほど、一社の提案だけで決めず、同じ現場条件を複数社へ伝えて比べます。屋根・外壁・防水・給排水・耐震・道路・外周管理を分けると、価格差の理由を確認しやすくなる。
見積もりは安い会社を探すためだけのものではありません。今直す工事、数年後でもよい工事、出口によって不要になる工事を分けるために使う。
▪️Q&A
Q. 愛媛県は空き家が多いので、安く買って直せば得ですか?
空き家率が高くても、市場性や管理条件は地域ごとに違います。取得価格ではなく、改修・管理・売却まで総額で比べます。
Q. 愛媛県の沿岸部は、津波想定だけ見ればいいですか?
2025年9月に変更された津波浸水想定に加え、高潮、洪水、道路、避難動線を重ねて確認する必要があります。
Q. 南海トラフだけ確認すれば地震対策は十分ですか?
2026年の県想定では、安芸灘~伊予灘~豊後水道の地震や中央構造線断層帯も対象です。地域ごとに想定を分けて見る。
Q. 空き家改修の補助は県内どこでも同じですか?
同じではありません。移住・空き家バンク・耐震・居住年数など条件は市町で異なるため、契約や着工前に最新制度を確認します。
Q. 売る予定の空き家も全面リフォームした方がいいですか?
現況査定と最低限補修を先に比べる方がよいでしょう。全面改修の費用が売却価格へそのまま反映されるとは限りません。
▪️まとめ
愛媛県の空き家は、松山都市圏、東予、しまなみ、肱川流域、八幡浜・西予、宇和島・愛南、中山間で、地震・津波・洪水・土砂・道路・管理の優先順位が変わります。空き家率が高い県だからこそ、地域差を見ずに直すのは避けたいところです。
2025年の津波想定と2026年の地震・洪水・土砂情報を確認し、変えにくい土地条件から先に見る。そのうえで必要補修を複数社で比べ、直す・持つ・売る・除却を総額で決める方が無理のない進め方でしょう。
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