【MIRAIU|香川県の空き家リフォーム】瀬戸内沿岸・洪水・ため池・地震・島しょで「直す/持つ」を決める

更新日:10月11日

香川県の空き家は、県土が比較的コンパクトでも、どこにある家かで直す順番が大きく変わります。高松の都市部、中讃の丸亀・坂出、西讃の観音寺・三豊、東讃、さらに小豆島や直島など島しょでは、道路・水害・住宅流通・管理の条件が同じではありません。
瀬戸内海側だから災害が少ない、ため池が近いから危険、と一言で決めるのも避けたいところです。住む・貸す・売る・持ち続けるという出口を先に置き、その家で変えにくい土地条件から改修上限を考える。
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▪️1 香川県は「都市部・沿岸・平野・島しょ」で分けて考える
高松市では住宅流通と道路、丸亀市・坂出市など中讃では沿岸低地や高潮、西讃では河川と広い敷地、東讃では山際や沿岸、島しょでは資材搬入と遠方管理が重くなる家があります。県名だけで同じ改修予算を置く必要はありません。
同じ築年数でも、土地条件が違えば必要工事の意味は変わる。まず地域を分け、その後で建物を見る方が総額を読みやすくなります。
▪️2 高松都市部は、全面改修より現況市場を先に見る
高松市の中心部や生活利便の高い住宅地では、古家でも土地や立地そのものに評価が付く場合があります。売却予定なら、設備を一式交換する前に現況査定と接道・駐車を確認したいところです。
買い手が自分で直したい家では、先回りした内装工事が手残りを減らすこともある。住む家と売る家で、同じ設備水準を目指す必要はありません。
▪️3 丸亀・坂出など中讃は、沿岸低地と住宅流通を重ねる
丸亀市・坂出市・宇多津町などでは、瀬戸内沿岸と平野部の住宅地が近く、高潮・洪水・道路条件を一緒に確認したい家があります。駅や幹線道路に近くても、土地の高さや排水条件は住所ごとに違います。
都市近郊の市場性だけで高額改修へ進まず、現況・部分補修・長期居住の三案を並べておく。出口が決まれば、屋根や設備へかける上限も見えやすくなります。
▪️4 観音寺・三豊など西讃は、河川と広い敷地を同時に見る
西讃では河川周辺の低地に加え、農地や広い庭、倉庫を伴う住宅もあります。建物価格が安くても、排水、草刈り、境界、使わない付属建物の管理が毎年残る家は少なくありません。
住宅本体だけを直して終わりにはならない。何を一緒に持つ家なのかを先に確認し、外周管理を数年分の費用として置くことが大切です。
▪️5 さぬき・東かがわなど東讃は、沿岸と山際を分ける
東讃では瀬戸内沿岸の住宅と、少し内陸へ入った山際・斜面周辺の家で確認項目が変わります。沿岸なら高潮や津波、山際なら土砂・道路・擁壁というように、住所ごとに重ねる情報を変えます。
海から離れているから水害を見なくてよい、高台だから安全と決めつけない方がよいでしょう。道路や排水まで現地で確認すると、改修後の使いやすさが見えてきます。
▪️6 小豆島・直島など島しょは、工事より搬入と管理を先に数える
島しょの空き家では、建物の傷みだけでなく、職人や資材の手配、道路、フェリーを含む移動、台風後の点検まで管理条件へ入ります。本土側と同じ工事単価・工程になるとは限りません。
遠方所有なら、誰が定期巡回するのかを購入前に決めておく。景観や取得価格だけで改修額を増やさず、数年持てる総額かを見る方が現実的です。
▪️7 2025年の地震・津波被害想定を、古い資料へ上書きする
香川県は2025年9月に新しい地震・津波被害想定を公表し、南海トラフの最大クラス・発生頻度の高いケース、中央構造線断層帯、長尾断層帯などの想定を示しています。液状化や津波浸水の予測図も更新されています。
古いハザード冊子だけで住宅の安全性を決めない。耐震改修へ大きく費用をかける前に、最新想定と利用期間、売却・居住の出口を一緒に見る必要があります。
▪️8 津波は「浸水するか」だけでなく到達時間まで見る
県の2025年被害想定では、南海トラフについて津波浸水想定図に加え、海面変動影響開始時間や浸水深30cm到達時間の予測も公開されています。沿岸部では避難先だけでなく、避難を始めるまでの時間も判断材料になります。
津波区域だから一律に持たない、区域外だから安心、という結論にはしない。避難路、道路、建物の利用目的を重ねて判断する方が実務的です。
▪️9 高潮は、瀬戸内沿岸の市町ごとに浸水深と継続時間を見る
香川県は高潮浸水想定区域図を公表し、高松市、丸亀市、坂出市、観音寺市、三豊市、さぬき市、東かがわ市、小豆島・直島など地域ごとの図面を確認できます。浸水深だけでなく浸水継続時間も示されています。
高潮は津波とは別の災害です。台風時の海面上昇と河川・排水の条件を分けて見たうえで、床下や外構へ必要な工事を考える。
▪️10 洪水は、2026年更新の河川図まで確認する
香川県の洪水浸水想定区域図は河川ごとに更新され、2026年3月には小豆島・土庄町の複数河川について想定最大規模の図面が追加・更新されています。県内では新川・春日川、本津川、大束川、金倉川、高瀬川、財田川など地域ごとに見る河川が変わります。
大きな河川だけを見れば十分とは限らない。住所に関係する河川と、現地の側溝・道路・敷地高を合わせて確認したいところです。
▪️11 2026年公表の土砂候補箇所は、既存区域だけでは拾えない
香川県は2026年4月、高精度な地形情報を使って新たに約3,800か所の「土砂災害が発生するおそれのある箇所」を抽出したと公表しています。今後の基礎調査を経て、順次区域指定を進める方針です。
現在の土砂災害警戒区域だけで山際の家を判断しない方がよいでしょう。斜面、水路、擁壁、道路まで現地で見ておくと、建物以外のリスクを捉えやすくなります。
▪️12 ため池は、県マップと市町のハザード図を使い分ける
香川県は防災重点農業用ため池について市町別一覧とため池マップを公開し、各市町が作成するハザードマップや浸水想定区域図への導線も整えています。住宅の近くにため池がある場合は、河川洪水とは別に確認する必要があります。
ため池が近いから購入不可という意味ではない。決壊時の影響範囲、避難経路、敷地の高さを確認し、どの工事や管理が必要かを考える材料にします。
▪️13 空き家バンクは、改修前の市場確認に使う
香川県は「かがわ住まいネット」で空き家バンクを運用し、市町ごとの登録物件や支援制度につないでいます。一般の中古住宅市場とは別の流通経路として、売る・貸す・買う選択肢を確認できます。
空き家バンクに載せるために高額改修する、と先に決める必要はない。現況で動く家か、最低限補修が必要かを見てから工事範囲を決めます。
▪️14 2026年の改修補助は、市町ごとに条件が違う
香川県は2026年5月、空き家バンク登録住宅の改修等補助について案内を更新しています。補助の有無、金額、耐震性能、建築基準法への適合、移住要件などは市町ごとに異なります。
県の制度一覧は入口として使い、契約や着工の前に対象市町の最新要件を確認する。補助額を先に予算へ入れない方が、物件そのものの採算を見失いにくくなります。
▪️15 売る予定の家は、全面改修より現況査定を先に取る
売却予定なら、現況査定・最低限補修・全面改修の三案を並べます。水回りを新品にしても、道路や駐車、高潮・洪水条件が弱ければ工事費をそのまま回収できるとは限りません。
買い手が自分で直す余地を残す方が合う家もある。見栄えの工事と、雨漏り・給排水・安全性に関わる工事を分けて考えることが大切です。
▪️16 貸す家は、想定家賃から改修上限を逆算する
賃貸では、想定家賃、空室期間、駐車台数、生活動線から改修費を逆算します。高松都市部と島しょ・郊外では、同じ間取りでも賃貸需要や管理頻度が違います。
家賃に反映しにくい設備更新まで一度に行わない。入居に必要な補修と、所有者の好みで増える工事を分けておくと収支が読みやすくなります。
▪️17 自分で住む家は、耐震・断熱・給排水を段階的に考える
長く住む家なら、耐震、防水、給排水、断熱、電気容量などへ費用をかける意味があります。ただし、すべてを一度に新品へ交換する必要はなく、建物の状態と居住期間で優先順位を付けます。
まず雨漏りや構造、水回りの安全性を整え、その後で快適性へ広げる。段階改修にすれば、予算を建物の弱点へ集中させやすくなります。
▪️18 道路・駐車・排水は、リフォーム後も残る条件
建物は直せても、前面道路の狭さ、駐車の取りにくさ、敷地の高低差、周辺排水は簡単に変えられません。工事車両が入れるかどうかも、見積もりへ影響します。
室内の写真がきれいでも、変えにくい土地条件が出口を弱くすることがある。購入前に道路と外周を歩いて確認しておきたいところです。
▪️19 草刈り・庭木・残置物は、改修後も続く管理費になる
郊外や西讃、島しょでは、広い庭、農地に近い敷地、倉庫、残置物を伴う空き家があります。建物を直しても、草刈り・剪定・排水清掃・台風後の確認は毎年続きます。
改修費だけでなく、年間管理費を数年分置いてみる。持ち続けるほど負担が増える家なら、売却や除却を早めに比較する方がよい場合もあります。
▪️20 最後は「直す/持つ/売る」を総額で決める
香川県の空き家は、都市部の市場性、瀬戸内沿岸の高潮・津波、河川洪水、ため池、山際の土砂、島しょの管理と、地域ごとに変えにくい条件があります。安く買えることと、無理なく持てることは同じではありません。
購入・改修・外周管理・巡回・売却まで一つの表へ置き、数年後の出口まで比べる。そこまで見て初めて、その家をどこまで直すか決めやすくなります。
改修範囲が大きい家ほど、一社の提案だけで決めず、同じ現場条件を複数社へ伝えて比べたいところです。屋根・外壁・防水・給排水・耐震・道路・外周管理を分けると、価格差の理由が見えやすくなります。
見積もりは安い会社を探すためだけのものではありません。今直す工事、数年後でもよい工事、出口によって不要になる工事を分けるために使う。
▪️Q&A
Q. 香川県の空き家は、瀬戸内側なので水害をあまり気にしなくていいですか?
一律には言えません。高潮、河川洪水、ため池、道路排水は地域ごとに確認し、津波や地震の最新想定も重ねます。
Q. ため池の近くの空き家は買わない方がいいですか?
ため池が近いだけで結論は決まりません。県のため池マップや市町の浸水想定図で影響範囲と避難経路を確認して判断する。
Q. 香川県の空き家バンク物件なら、改修補助を必ず使えますか?
市町によって制度の有無、上限、耐震・移住などの条件が異なります。契約・着工前に最新条件を確認してください。
Q. 小豆島など島の空き家は、建物価格が安ければ得ですか?
取得価格だけでは判断しにくいです。資材搬入、巡回、草刈り、台風後の確認まで含めた総額で比べます。
Q. 売る予定の空き家も全面リフォームした方がいいですか?
現況査定と最低限補修を先に比べる方がよいでしょう。全面改修の費用が売却価格へそのまま反映されるとは限りません。
▪️まとめ
香川県の空き家は、高松都市部、中讃・西讃・東讃、島しょで、住宅流通、高潮・洪水・ため池・土砂、道路、管理の優先順位が変わります。県土がコンパクトだから同じ直し方でよい、というわけではありません。
2025年の地震・津波被害想定や2026年の洪水・土砂情報も確認し、変えにくい土地条件から先に見る。そのうえで必要補修を複数社で比べ、直す・持つ・売るを総額で決める方が無理のない進め方です。
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