第2回 大家さんの仕事って何をするの?

更新日:10月9日
大家になると家賃が振り込まれる一方、入居者からの問い合わせや設備故障、退去のたびに判断する仕事も生まれます。管理会社へ任せれば全部自動で終わる、という理解だけで物件を買うと、想定していなかった負担が出る場合があります。
大家の仕事は、自分で現場作業を行う部分と、費用・契約・修繕の方針を決める部分に分けられます。ここでは初めて賃貸経営をする人が、日常と臨時の仕事を具体的に把握する順番を整理しましょう。
① 家賃の入金と滞納状況を確認する
家賃の入金確認を管理会社へ委託する場合もありますが、契約に何が含まれるかは会社ごとに異なります。家賃の集金、送金、滞納の連絡、保証会社への手続きなどを分けて確認します。
入金が遅れているときは、誰が入居者へ連絡し、保証会社へ請求し、法的な対応が必要ならどこへ相談するかを決めます。家賃の未払いを自分の判断だけで即時退去へ結びつけないようにしましょう。
毎月の送金明細で家賃・管理委託料・広告費・修繕費を確認し、手元に残る金額を記録します。
② 空室の募集条件と広告を決める
退去予定が出たら、家賃や敷金・礼金、ペット、駐車場などの募集条件を見直します。仲介会社が広告を出してくれても、最終的にどの条件で募集するかは契約関係を踏まえ判断する必要があります。
入居を急ぐための値下げと、清掃・設備改善へ費用をかける方法は比較が必要です。何か一つの施策だけで入居が決まると断定できません。
問い合わせや内見の件数を定期的に確認し、募集条件の変更と実際の反響を記録しましょう。
③ 設備故障では連絡と修理の権限を整える
給湯器の故障、水漏れ、エアコンの不調などは、入居者の生活に支障が出る場合があります。管理会社へ連絡窓口を任せる場合も、休日や夜間の対応範囲を確認しておきます。
緊急修理を業者へ手配できる金額の上限、修理と交換を誰が決めるか、費用負担が貸主か借主かを契約と不具合の原因から判断します。
修理履歴と設備の年式を保存し、故障が繰り返される設備の更新計画に役立てましょう。
④ 退去時は原状回復と敷金精算を確認する
入居者が退去するときは、室内の損傷や汚れ、設備の状態を確認し、原状回復の範囲を決めます。通常の使用による損耗まで何でも借主負担にできるわけではありません。
国土交通省の原状回復ガイドラインなどを参考にしつつ、契約内容と損傷の状況を照合します。管理会社が立会いをする場合も、費用の根拠を確認しましょう。
見積額が高い場合は一式表示で終わらず、清掃・補修・設備交換を分けて費用を確かめます。
⑤ 建物と共用部の維持管理を計画する
屋根や外壁、雨樋、共用設備は日常の小さな点検と、数年単位の補修・更新を考える必要があります。新築なら当面修繕費がゼロという保証もありません。
草刈りや清掃を外注する場合は、巡回点検や除草が管理委託料へ含まれるか確認します。事故のおそれがある工事は専門業者へ任せましょう。
年間収入から固定資産税、保険、管理、修繕予備費、融資返済を差し引いて、手元現金を確認します。
⑥ 自主管理と委託管理の費用を比べる
例えば月家賃6万円の戸建で管理料が家賃の5%なら、満室の12か月で委託料は3万6,000円です。消費税や募集業務・緊急対応などは契約によって別途費用になる場合があります。
自主管理なら管理料を抑えられる可能性がありますが、入居者対応、業者手配、現地への移動など自分の時間も使います。委託をしても購入・修繕・売却などの判断は残ります。
契約する前に集金、募集、退去、修繕、夜間連絡の範囲を一覧にして比較しましょう。
⑦ 大家になる前に確認する四つの順番
第一に家賃の入金・募集・退去など、毎月と入退去時の仕事を分けて書き出します。
第二に設備故障や建物点検の連絡先、修理を発注できる権限と費用負担を確認します。
第三に自主管理と管理委託で、料金に含まれる作業、緊急対応、オーナーが判断する内容を比較します。
最後に空室・修繕・融資返済を含めた年間の収支を作り、仕事量と現金余力の両方を確認しましょう。
⑧ よくある質問
Q1. 管理会社に任せれば大家の仕事はなくなる?
家賃集金や入居者対応を委託できる場合がありますが、内容は契約ごとに異なります。
修繕費や募集条件、資金計画の判断などオーナー側に残る業務を確認しましょう。
Q2. 会社員でも自主管理できる?
物件の場所や入居者数、緊急対応できる時間によって負担は変わります。
仕事と現地対応の両立が難しければ一部委託も比較します。
Q3. 退去時の修理費は入居者が全部負担する?
通常損耗と損傷の原因、契約条件で扱いが変わります。
原状回復のガイドラインも参考に明細を確認しましょう。
⑨ まとめ
大家の仕事は家賃を受け取るだけでなく、募集条件、修繕、退去、建物管理、収支を継続して判断することです。管理会社に任せられる業務と、所有者自身が確認する仕事を区別しましょう。
自主管理と委託の費用・時間・緊急対応を比較し、物件を持ってから無理なく続けられる体制を整えることが大切です。

