不動産投資の実務用語15選・後半|EGI・NOI・DSCR・IRRの読み方

更新日:5 日前
投資物件の収支資料にはEGI、NOI、DSCRなどの略語が使われます。数字が並んでいると難しく感じるかもしれませんが、言葉の順番を知れば物件の収支を考えやすくなります。
この後半編では収入・運営費・借入・出口に関係する15の実務用語を整理します。定義が資料ごとに違うこともあるので、名前だけでなく計算の前提も確認しましょう。
① EGIと空室率
EGIは満室賃料等から空室・未収の影響を差し引き、駐車場などのその他収入を含めて考える実効的な収入です。
空室率は戸数ベースと家賃ベースで異なります。4戸のうち1戸空室なら戸数で25%ですが、減収率は賃料によります。
② NOIとOPEX
NOIは収入から固定資産税・保険・管理料や通常維持費など運営費を差し引く営業純利益です。
OPEXは運営費を指します。NOIは一般にローン返済・減価償却前なので手元の現金収支と同じではありません。
③ CAPEXと修繕費
CAPEXは建物や設備の大きな改良・更新など資本的な支出を意味します。通常の小修理や清掃とは区分が違うことがあります。
税務上の修繕費か資本的支出かは工事内容によって判断されます。現金支出として資金計画から漏らさないようにします。
EGIをそのまま利益と考えると管理費や税金の負担が見えなくなります。収入からNOI、ローン返済後CFへ段階を分けて資料を読みましょう。
④ GRM(総家賃倍率)
GRMは物件価格を年間の総家賃で割った倍率です。価格1,200万円、年間家賃120万円なら10倍になります。
簡単に比較できますが、空室・修繕・運営費を反映していないので倍率が低いだけでお得とは言えません。
⑤ CoC(自己資金現金利回り)
キャッシュ・オン・キャッシュは投下した自己資金に対する年間現金収支の割合を示す指標です。
頭金・諸費用・改修費のどこまでを自己資金に含め、返済後のどのCFを使うか確認しましょう。
⑥ DSCRとLTV
DSCRは一般にNOIを年間の借入返済額で割り、返済を賃貸収益でどの程度賄えるかを見る指標です。
LTVは借入額を物件価値などで割る比率です。査定価値や安全な借入水準は金融機関・物件で異なります。
借入によって自己資金の利回りが大きく見える場合もあります。しかし金利・返済の負担も増えるため、CoCだけで借入額を決めないようにします。
⑦ Debt Yieldと損益分岐入居率
Debt Yieldは一般にNOIを借入額で割り、借入に対する物件収益力を示す比率です。
損益分岐入居率は経費や返済などを賄える稼働水準を考える指標で、固定費の扱いと賃料の前提で結果が変わります。
⑧ レントロール
レントロールは各部屋の面積・契約家賃・入居状況などを一覧にした資料です。満室想定だけでは契約実態は分かりません。
更新・未収や退去予定を確認する場合もあります。個人情報と契約資料の扱いには配慮してください。
⑨ デューデリジェンス
購入前に登記・接道・建物の傷み・契約状況・税金・ハザードなどを調べることです。
調査しても将来のトラブルを全て防げるわけではありません。未確認事項と専門家へ依頼する部分を整理しましょう。
出口利回りやIRRを使うときは将来の家賃・物件価格の前提を明確にし、売却費用とローン残高も考えましょう。予測の数字が利益を保証するわけではありません。
⑩ IRRと出口利回り
IRRは投資開始から家賃等の現金収支、売却までの金額と時点を含めた収益率を考える指標です。
出口利回りは将来売却価格を想定する際の前提です。予測が変わればIRRも変わるため、複数のケースで比較してください。
よくある質問
Q. NOIはローン返済後の利益ですか?
A. 一般には返済前の営業純利益です。返済後CFと分けて確認しましょう。
Q. DSCRが高ければ融資は確実ですか?
A. 確実ではありません。金融機関と物件の審査条件で変わります。
Q. IRRで将来の利益が分かりますか?
A. 家賃や売却価格の仮定によって変わるため、保証ではありません。
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まとめ|判断する順番
EGI→NOIと運営費→借入の返済余力→資本的支出→IRRと売却出口。用語の暗記より数字の前提が重要です。

