敷金と礼金は何が違う?大家が返還・収入計上・募集条件で見るポイント

更新日:9月24日
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敷金と礼金はどちらも入居時に受け取ることがあるお金ですが、大家側の扱いは同じではありません。特に敷金は「受け取った時点で自由に使える売上」と考えると、退去時の返還や経理で混乱しやすくなります。
募集条件を決めるときは、入居者の初期費用だけでなく、返還義務、原状回復、税務上の収入計上まで分けて考えます。
▪️結論|敷金は担保目的の預り金、礼金は返還しない条件で受け取る金銭として分ける
民法622条の2では、賃料債務などを担保する目的で賃借人が賃貸人へ交付する金銭を、名目を問わず敷金として整理しています。賃貸借が終了し物件の返還を受けたときなどは、未払賃料等の債務を差し引いた残額を返還するのが基本です。
礼金は一般に返還を予定しない条件で受け取る金銭です。ただし契約書の名称だけではなく、実際に何の目的で受領し、返還義務があるかを確認します。
▪️確認①|敷金から差し引けるものを契約と原状回復で確認する
敷金は未払賃料や賃貸借に基づく金銭債務の担保になります。ただし、退去後の修繕費を何でも敷金から差し引けるわけではありません。
通常損耗・経年変化と、借主の故意・過失等による損傷を分け、契約の特約や入居時の状態も確認して精算します。
▪️確認②|敷金は受領しただけでは不動産所得の収入とは限らない
国税庁は、敷金や保証金のうち返還を要しないものを不動産所得の総収入金額に含めると案内しています。逆に、本来返還する預り金としての敷金は、受け取った時点でそのまま収入になるものではありません。
返還しないことが確定する部分がある場合は、その時期や契約内容によって収入計上を確認します。実際の申告では契約書と精算内容を基に判断します。
▪️確認③|礼金は「100%利益」と言い切らず、収入と経費を分ける
礼金を返還しない条件で受け取る場合、不動産所得の収入として扱うのが基本です。ただし、受け取った礼金と同時に仲介関連費用や広告料、修繕費などが発生することもあります。
そのため「礼金1か月=そのまま1か月分が利益」とは限りません。収入と、その募集・運営にかかった必要経費を分けて収支を見ます。
▪️確認④|敷金ゼロ・礼金ゼロは募集条件全体で判断する
初期費用を下げるために敷金や礼金をゼロにする募集もあります。ただし、ゼロにすれば必ず早く決まるわけではありません。
保証会社、クリーニング費、短期解約違約金、フリーレント、家賃、競合物件の条件まで並べて、借主が入居時に負担する総額と大家側の空室損を比較します。
▪️確認⑤|名称ではなく契約書の返還条件を読む
地域や契約によって「保証金」「敷引き」など別の名称が使われることがあります。名称だけを見て敷金・礼金と同じ扱いだと決めず、返還の有無、控除条件、精算時期を契約書で確認します。
募集時の説明と契約書の条件がずれないよう、仲介会社へ渡す募集条件も同じ内容にそろえます。
▪️退去時は敷金精算の根拠を記録する
退去時は、未払賃料や借主負担となる原状回復費の根拠を精算明細に残します。修繕見積もりの全額をそのまま差し引かず、入居時写真・退去立会い記録・契約特約を照合して、貸主負担と借主負担を分けます。
▪️まとめ|敷金と礼金は「返すか・担保か・収入か」を分ける
敷金は賃貸借上の債務を担保する金銭として、退去時の返還・精算が重要です。礼金は返還しない条件で受け取る金銭として、税務上の収入や募集条件を確認します。
大家側では、入居時に受け取れる金額だけでなく、退去時まで含めた契約管理として考えると混乱しにくくなります。
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