少額減価償却資産の特例は40万円未満に?2026年改正・対象者・300万円上限の確認順

更新日:10月9日
「30万円未満なら何でも経費にできる」という説明は、2026年の制度を正確に表していません。少額減価償却資産の特例は取得時期や事業者の要件で扱いが変わり、2026年4月1日以後の取得等については取得価額基準が40万円未満へ引き上げられました。まず契約や取得の時期と適用資格を確認します。
① 2026年の40万円未満への改正
中小企業者等の少額減価償却資産の特例は、2026年4月1日以後に取得等をする資産について、従来の30万円未満から40万円未満へ基準が引き上げられました。以前の取得分に同じ条件を遡って適用することはできません。
特例の適用期限も延長されていますが、将来の改正もあり得ます。処理する年度に適用する法令と国税庁の資料を確認し、購入日だけでなく取得等の日付を記録します。
② 対象となる事業者を確認
この特例はすべての大家が無条件に利用できる制度ではありません。青色申告などの要件や、法人・個人事業者の区分、規模に関する条件があります。
2026年改正では法人の従業員規模要件にも変更があります。賃貸経営だから当然対象と決めず、税理士と適用可否を確認します。
③ 年間300万円の上限を整理
取得価額の基準が引き上げられても、特例の対象となる取得価額合計の年間上限は300万円です。複数設備を購入する場合は、個々の金額だけでなく年間累計も確認します。
例えば35万円の対象資産を8件取得した場合は合計280万円ですが、9件なら315万円です。全額を同じ特例で処理できると見込む前に、取得時期と上限を照合します。
④ 設備交換と修繕費を分ける
エアコンや給湯器などの交換でも、工事の性質によって修繕費か資本的支出かなどの判断が必要です。40万円未満という数字だけで工事代金を一律に経費化できるわけではありません。
見積書では機器本体・設置工事・付帯工事の内容を確認し、取得価額に含める範囲や資産の単位を整理します。
⑤ 通常償却や他の少額資産制度と比較
取得価額や事業の条件によって、通常の減価償却や別の少額資産の処理が適する場合があります。会計上の処理と税務上の特例の適用は、必ずしも同じ考え方ではありません。
特例を使えるからと設備を前倒しで買うと、資金繰りを圧迫する場合があります。必要な交換時期を優先し、納税効果だけで購入を決めないようにします。
⑥ 購入前の見積比較を収支につなげる
設備を更新するときは、修繕が必要な部分とまだ使える部分を区別します。複数社の見積もりで施工範囲、既存設備の撤去、保証、追加費用を比較すると、税務上の数字だけでなく投資総額も把握できます。
古い賃貸物件では設備ごとの故障時期が異なります。無理な一括交換ではなく、空室期間と募集条件も踏まえて計画します。
⑦ 申告前に確認したい停止条件
青色申告等の資格要件が不明なら、特例適用を前提にしないでください。
取得日や資産の単位、年度内の取得総額が未整理なら、請求書と台帳を照合します。
工事費の性質が修繕費か資産取得か判断できない場合は、見積内訳を確認して税理士に相談します。
最後は資金繰りと必要工事を優先し、適用できる制度で正しく申告します。
⑧ Q&A
Q1. 40万円未満なら誰でも一括経費にできる?
対象事業者や申告方法などの条件があります。金額だけでは決まりません。
取得日と適用年度の法令を確認します。
Q2. 年間300万円の上限はなくなった?
2026年改正でも対象となる取得価額合計の上限は年300万円です。
複数の設備を取得する場合は合算して確認します。
Q3. エアコン工事も特例対象?
資産の単位や取得価額、工事の性質、事業者の要件により異なります。
工事明細を整理して税務上の処理を判断します。
⑨ まとめ
「30万円未満なら何でも経費にできる」という説明は、2026年の制度を正確に表していません。少額減価償却資産の特例は取得時期や事業者の要件で扱いが変わり、2026年4月1日以後の取得等については取得価額基準が40万円未満へ引き上げられました。まず契約や取得の時期と適用資格を確認します。
判断に必要な資料や見積もりをそろえ、費用と今後の負担を比較してください。税務や権利関係は個別事情で変わるため、確認できない部分を推測で断定せず、必要に応じて専門家に相談します。

