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私道持分なしの土地は売れる?売却前に確認すべき5項目と整理する順番

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 3月5日
  • 読了時間: 11分

更新日:2 日前

私道に面した家や土地を売ろうとして、登記事項証明書を確認したとき、

「前の道に自分の持分がない」

と初めて気づくことがあります。

昔から家族が普通に通っている。道路もアスファルト舗装されている。水道も電気も問題なく使えている。

それなのに、不動産会社から「私道持分がありませんね」と言われると、

「この土地は売れないのでは?」

「建て替えできない?」

「住宅ローンも使えない?」

と不安になるでしょう。

しかし、私道持分がない=売却できないと決まるわけではありません。

重要なのは、持分の有無だけを見るのではなく、私道の所有者、通行の根拠、建築基準法上の道路種別、ライフライン、買主側の融資条件を順番に確認することです。

※本記事には広告・PRを含みます。

▪️結論|私道持分なしでも「売れない土地」とは限らない

私道持分がない土地では、最初から「持分を買わなければ売れない」「通行承諾書を全員から取らなければならない」と考える必要はありません。

まず確認したいのは次の5項目です。

・私道の所有者と登記状況


・現在の通行根拠


・建築基準法上の道路種別


・上下水道などのライフライン状況


・売却時に買主側が求める条件

同じ「私道持分なし」でも、この内容によって状況は大きく違います。

例えば、私道持分はなくても通行する権利関係が明確で、建築基準法上の道路にも適切に接している土地があります。

反対に、昔から何となく通っているだけで、道路の所有者や建築上の扱いまで確認されていない土地もあります。

つまり、持分がないこと自体より、その土地を今後も通行・建築・利用できる状態なのかを見ることが重要です。

▪️① 最初に私道の「所有者」を登記で確認する

私道持分がないと分かったら、まず前面道路の登記状況を確認します。

道路に見える部分が一筆とは限りません。複数の土地に分かれていたり、道路の途中から所有者が変わっていたりすることもあります。

確認したいのは次の内容です。

・私道の地番


・現在の所有者


・共有者がいる場合の持分割合


・抵当権などの権利関係


・相続登記されず古い名義のままになっていないか

例えば「昔の分譲会社名義のまま」「近隣住民数人の共有」「すでに亡くなった人の名義」では、同じ私道でも今後の整理方法が変わります。

ここを確認せず、「持分がないから買い取ろう」と先に交渉する必要はありません。

最初に現在の登記状態を把握することが先です。

▪️② 私道持分なし=通行できない、ではない

次に確認するのが、現在どのような根拠で私道を通っているのかです。

私道を通行できる理由は、持分だけではありません。

通行地役権が設定されている場合や、以前から通行について契約している場合、所有者から書面による承諾を得ている場合などがあります。

また、土地の位置関係によっては、民法上の通行権が関係するケースもあります。

そのため、「持分がない」ことと「通る権利がない」ことは同じではありません。

特に、公道へ出るために他人の土地を通らなければならない土地では、「公道に至るための他の土地の通行権」が問題になる場合があります。

ただし、人が通れることと、自動車で自由に通れること、工事車両が入れること、建物を再建築できることは同じ話ではありません。

通行の根拠や範囲を整理したい場合はこちらで詳しく解説しています。

▪️③ 「私道かどうか」と「家を建てられるか」は分けて確認する

私道持分の相談で特に混同しやすいのが、道路の所有権と建築基準法上の道路です。

道路が個人所有だからといって、建築基準法上の道路ではないとは限りません。

私有地であっても、位置指定道路など建築基準法上の道路として扱われている場合があります。

反対に、現地ではきれいに舗装されていて自動車も通っていても、建築時には道路種別や接道状況について確認が必要になるケースがあります。

都市計画区域などでは、原則として建築物の敷地が建築基準法上の道路へ2m以上接することが求められます。

そのため売却前には、市区町村の建築担当窓口などで、

「前面道路は建築基準法上どの道路に該当するのか」

「現在の敷地条件で再建築できるのか」

を確認しておくと、買主へ説明しやすくなります。

私道持分を持っていることと、再建築できることも別問題です。

詳しくはこちらで整理しています。

▪️④ 「掘削承諾がないから水道工事できない」と即断しない

私道持分がない土地では、「将来、水道管などを交換するときに道路を掘れるのか」も重要な確認事項です。

以前は、「私道所有者全員から掘削承諾書を取れなければ工事できない」と強く説明されることもありました。

しかし現在は、それだけで判断することはできません。

2023年4月に施行された改正民法では、一定の要件を満たす場合、電気・ガス・水道水などの供給を受けるために必要な範囲で、他人の土地に設備を設置したり、他人が所有する設備を使用したりする権利が明文化されました。

ただし、自由に好きな場所を掘ってよいという意味ではありません。

場所や方法は相手への損害が少ないものを選ぶ必要があり、事前通知や償金、工事方法などについて確認が必要になる場合があります。

すでに私道所有者と揉めている場合や、通行・掘削承諾の問題を詳しく確認したい場合はこちらの記事で整理しています。

▪️⑤ 「私道持分なしなら住宅ローン不可」とも限らない

私道持分がなければ、住宅ローンを利用できないと説明されることがあります。

しかし、私道持分の有無だけで住宅ローンの可否が一律に決まるわけではありません。

金融機関は、道路・接道状況、再建築の可否、通行やライフライン利用の権利関係、担保評価、売買契約の条件などを踏まえて個別に判断します。

もちろん、道路や通行の権利関係が曖昧なら買主の不安材料になり、融資審査にも影響する可能性があります。

しかし、

私道持分なし



住宅ローン不可



現金購入者にしか売れない

と最初から決めつけるのは早いです。

大切なのは、買主や金融機関が判断できる資料を揃えることです。

▪️売却前に確認しておきたい資料

私道持分がない土地を売却するなら、いきなり隣人と交渉する前に、現在分かる資料を集めます。

例えば次のような資料です。

・自宅土地と私道部分の登記事項証明書


・公図や地積測量図などの資料


・建築基準法上の道路種別


・過去の通行・掘削承諾書や契約書


・上下水道などの配管位置や引込状況

相続した土地の場合、「親が全部知っていたから自分は何も知らない」というケースも珍しくありません。

その場合も、一つずつ資料を確認すれば現在の状況を整理できます。

道路条件全体に問題がありそうな場合はこちらも参考になります。

▪️持分を買い取ってから売るべきとは限らない

私道持分がないと分かると、「道路の持分を少し譲ってもらえば解決するのでは?」と考えることがあります。

確かに、私道所有者との合意によって持分を取得する方法もあります。

しかし、持分を取得すれば必ず普通の土地になるとは限りません。

例えば、持分を取得しても建築基準法上の道路条件が解決しなければ、再建築の問題は残ります。

また、現在の通行・ライフライン利用がすでに整理されているなら、高額な費用を払ってまで持分を取得する必要がないケースも考えられます。

判断するときは、

①現在の権利状態を確認する


②現在の状態で売却できる価格を確認する


③整理にかかる費用と売却価格の上昇を比較する

という順番で考えます。

例えば、現況なら700万円で売却できる土地があったとします。

私道持分の取得や書面整理に80万円かかり、整理後でも760万円程度でしか売れないのであれば、80万円を先に支払う経済的な意味は薄くなります。

反対に、権利関係を整理することで住宅用地として売りやすくなり、価格差が大きくなるのであれば交渉する意味があります。

先に費用をかけるのではなく、現況価格と整理後価格を比較することがポイントです。

〖PR〗私道持分がない土地でも、まず現在の状態でどの程度の売却可能性があるのか査定を比較してから、権利整理に費用をかけるか判断できます。

▪️相続した土地なら「親が普通に使っていた」だけで判断しない

私道持分の問題は、相続をきっかけに初めて発覚することがあります。

親が何十年も住んでいたため、「ずっと通っているから大丈夫」と思っていても、子ども世代は当時の経緯を知らないことがあります。

昔の土地分譲や親族間の土地交換、口頭での通行合意、過去の所有者同士の取り決めなどが関係している場合もあります。

相続前後で知らない土地や私道持分が出てきた場合には、固定資産税資料だけで判断せず、地番・登記・場所・利用状況を整理します。

▪️隣人とすでに揉めている場合は「全部解決してから売る」にこだわらない

ここまでは、私道持分がないことが判明した段階での確認方法です。

一方で、私道所有者から通行を拒否されている、工事をすると言ったら金銭を要求された、所有者が多く連絡が取れない、過去から近隣トラブルが続いているという状態なら、売主だけですべて整理するのが難しい場合があります。

その場合は、一般仲介だけにこだわらず、複数の出口を比較します。

・一般仲介で条件を開示して売却する


・隣地所有者へ売却する


・権利関係を理解できる買主を探す


・訳あり不動産を扱う買取会社へ現況で相談する

問題を隠して売却するのではなく、分かっている内容を開示したうえで出口を選ぶことが重要です。

〖PR〗私道・接道・再建築などの事情があり、一般的な不動産会社では扱いにくいと言われた土地は、訳あり不動産を扱う会社へ現況で相談する方法もあります。

▪️よくある質問|私道持分がない土地

Q.私道持分がなければ土地は売れませんか?

売却できないとは限りません。

通行権、道路種別、ライフライン、建築可能性などを確認し、買主へ説明できる状態にすることが重要です。

Q.昔から普通に通っています。問題ありませんか?

長年利用している事実は確認材料になりますが、それだけで将来の通行方法や建築条件まで決まるとは限りません。

現在どのような根拠で通行しているのか確認しておきます。

Q.私道持分を買えば必ず解決しますか?

必ずしも解決するとは限りません。

建築基準法上の道路種別や接道状況など、別の問題が残る場合があります。

Q.掘削承諾書がなければ水道管を交換できませんか?

承諾書がないという理由だけで工事不能と決まるわけではありません。

2023年施行の改正民法では、一定の場合のライフライン設備設置・使用に関する権利が明文化されています。

ただし、事前通知や工事方法、損害・償金など別の確認事項があります。

Q.私道持分がなければ住宅ローンは利用できませんか?

一律には決まりません。

道路、接道、通行・ライフラインの権利関係、建築可能性、担保評価などを踏まえて金融機関が個別に判断します。

▪️まとめ|「持分なし」で止まらず5項目を順番に確認する

私道持分がない土地で重要なのは、「持分がないから売れない」と結論を急がないことです。

まず確認するのは次の5項目です。

・誰が私道を所有しているか


・何を根拠に通行できるか


・建築基準法上どのような道路か


・ライフラインをどう利用しているか


・現在の状態で買主や金融機関がどう評価するか

私道持分なしでも、権利関係と建築条件が整理されていれば売却できる可能性があります。

反対に、私道持分を持っていても、接道や再建築に別の問題があれば売却しにくい場合があります。

だから見るべきなのは、「持分があるか、ないか」だけではなく、その土地を買った人が今後どう利用できるのかです。

現在の状態を確認する。

不足している権利や資料だけ整理する。

整理費用が高いなら現況売却も比較する。

この順番で判断すれば、必要のない承諾料や費用を先に支払うリスクも抑えられます。

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