ボロすぎる空き家は本当に売れない?修繕・現況売却・解体を決める判断基準
- MIRAIU

- 4月4日
- 読了時間: 12分
更新日:8月21日
空き家を売りに出したものの、
「雨漏りしているから難しい」
「建物が古すぎる」
「この状態では買う人がいない」
と言われることがあります。
旧記事でも、
「ボロい空き家は安くても買わないのが基本」
「金融機関の評価が低く、ローンが通りにくい」
「放置すると最終的にお金を払わないと手放せない」
と、かなり強く説明していました。
ここは整理が必要です。
建物の状態が悪いほど買主が限定される可能性はありますが、ボロい空き家だから売却できないわけではありません。
さらに、
建物を直して使いたい人。
古家付き土地として買いたい人。
賃貸用に再生したい事業者。
建物を解体して土地を使いたい人。
では、空き家を見る基準が違います。
重要なのは、
「ボロいから売れない」とまとめず、その建物の何が買主の判断を止めているのかを特定することです。
※本記事には広告・PRを含みます。
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▪️結論|売れない原因は「築年数」より購入後の負担が読めないこと
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築40年。
築50年。
築60年。
という数字だけで、売れる・売れないは決まりません。
買主が気にするのは、
・雨漏りがあるか
・床や柱などに大きな傷みがないか
・シロアリ被害が疑われないか
・給排水や電気設備を使えるか
・残置物がどの程度あるか
・修繕するならいくら必要か
・建物を使わないなら解体にいくら必要か
といった購入後の負担です。
つまり買主から見ると、
「500万円の古い家」ではなく、「500万円+購入後に必要なお金」で判断する
ことになります。
この総額が分からないほど、購入判断は難しくなります。
だから売主が最初にやることは、大規模リフォームでも値下げでもありません。
現在の建物状態と、そのまま売った場合の価格を確認することです。
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▪️「古い家」と「傷んだ家」は同じではない
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旧記事では、建物が古いことと状態が悪いことがほぼ同じ意味で扱われていました。
しかし分けて考えた方がいいでしょう。
築年数が古くても、
定期的に屋根を補修している。
水回りを交換している。
雨漏りしていない。
現在も普通に使用している。
という住宅があります。
反対に築年数がそれほど古くなくても、長期間放置されて雨漏りや漏水が発生している住宅もあります。
買主が確認したいのは、
築何年かだけではなく「今どの程度使えるのか」です。
そのため、
「築50年だから建物価値ゼロ」
「古いから壊すしかない」
と所有者側だけで決めないことが重要です。
古家として残すか、土地として売るかの考え方はこちらでも整理しています。
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▪️買主が止まりやすいのは「傷み」より修繕範囲が分からないとき
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例えば雨漏りがある住宅でも、
屋根の一部補修で済むのか。
下地まで傷んでいるのか。
天井や壁まで修繕するのか。
原因そのものがまだ分からないのか。
では負担が違います。
床が沈む場合も同じです。
単なる床材の劣化なのか。
下地の問題なのか。
シロアリや腐朽が関係しているのか。
現地を見ただけでは判断できないことがあります。
だから、
**「雨漏りあり」
「床が悪い」
という言葉だけで販売すると、買主側が最悪の修繕費を想像しやすくなります。**
売主がすべて修理する必要はありません。
ただ、分かっている不具合と分かっていない部分を整理しておくことには意味があります。
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▪️建物状況調査を使って「分からない」を減らす方法もある
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既存住宅には、**建物状況調査(インスペクション)**を利用する方法があります。
国土交通省の制度では、一定の講習を修了した建築士が、
・基礎
・外壁
・柱や梁などの構造部分
・屋根など雨水の浸入を防止する部分
について、ひび割れや雨漏りなどの劣化・不具合の状況を確認します。
ただし、
インスペクションをしたから「この家には何の問題もありません」という安全証明になるわけではありません。
基本的には目視などを中心とした現況調査です。
壁をすべて壊して内部を見るような詳細調査とは違います。
それでも、
「何が悪いのか全く分からない」
という状態から、
「現在確認できる劣化はここ」
と整理する材料にはなります。
すべてのボロい空き家で実施する必要はありませんが、建物として販売したいのに状態不明が障壁になっている場合には検討できる方法です。
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▪️「ボロい家=住宅ローン不可」でもない
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旧記事では、建物状態が悪いと金融機関の評価が低くなり、ローンが通りにくいと一括りにしていました。
ここも言い切れません。
住宅ローンや不動産融資の審査では、
・買主の返済能力
・土地と建物の担保評価
・借入額
・建物状態
・金融機関の審査基準
など複数の条件が関係します。
老朽化が著しく、担保評価が出にくい住宅なら融資条件へ影響する可能性はあります。
一方で、
築古だから全国の金融機関で一律に住宅ローン不可になる制度ではありません。
だから売主側から、
「現金客しか無理だから大幅に安くしよう」
と決める必要もありません。
融資の問題なのか。
価格の問題なのか。
建物状態の問題なのか。
それぞれ分けて考えます。
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▪️建物がほとんど評価されなくても、土地まで価値ゼロとは限らない
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ここは特に重要です。
建物として評価しにくい住宅でも、
土地として需要が残っている場合があります。
例えば買主が、
・建物をDIYして使う
・全面リフォームする
・賃貸住宅として再生する
・解体して新築する
・隣地と一体利用する
なら、売主とは違う価値を見ています。
そのため、
建物価値が低いことと、不動産全体の価値が低いことを混同しない
ことが大切です。
土地としての需要がある物件なら、古家付き土地として売却する方法があります。
反対に、
接道。
再建築。
高低差。
土地形状。
地域需要。
など土地側にも問題があれば、建物を壊しても売れにくさが残る可能性があります。
だから**「建物がボロい=解体すれば解決」ではありません。**
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▪️低価格の空き家は「不動産会社が扱いにくい」という問題も見直されている
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地方の古い空き家では、
「値段が安すぎて、不動産会社が積極的に扱ってくれない」
という問題もあります。
これは単なる気分の問題ではありません。
価格の低い不動産でも、
現地確認。
物件調査。
所有者との打ち合わせ。
広告。
内見。
契約手続き。
など一定の業務が必要です。
そこで国は2024年7月1日から、空き家流通を促すため低廉な空家等の媒介報酬特例を見直しました。
現在は、物件価格800万円以下の宅地建物について、一定の条件のもとで媒介報酬の上限を通常より引き上げられる仕組みがあります。
上限は**30万円×1.1=33万円(税込)**で、媒介契約時にあらかじめ説明し、依頼者と合意する必要があります。
これは、
「800万円以下なら33万円必ず払う」
という制度でも、
「どんなボロ家でも不動産会社が扱ってくれる」
という制度でもありません。
しかし、低価格空き家の流通を不動産会社が扱いやすくするため、国も制度を見直していることは知っておいてよいでしょう。
1社から取り扱いを断られただけで、売却不可と判断する必要はありません。
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▪️売却目的なら、先に数百万円かけてリフォームしない
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状態の悪い家を見ると、
「300万円くらい直せば売れるのでは?」
と考えることがあります。
しかし、見るべきなのは工事後の販売価格ではありません。
例えば単純な比較で、
現況売却 300万円。
250万円リフォーム後 450万円。
なら、販売価格は150万円上がっています。
しかし250万円使っているため、その他の費用を無視しても手残りは現況売却より100万円少なくなります。
もちろん実際の数字は物件ごとに違います。
大切なのは、
・現在の査定額
・リフォーム費用
・工事後の想定査定額
を工事前に並べることです。
250万円使えば、250万円以上高く売れるとは限りません。
さらに買主が自分好みにリフォームしたい場合、売主の工事が評価されない可能性もあります。
売却目的なら、
「きれいにする」
より、
「使ったお金を回収できるか」
を先に見ます。
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▪️解体も「ボロいから先に壊す」ではなく手残りで比較する
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リフォームしないなら、
「全部壊して土地として売ろう」
と考えるかもしれません。
解体が有効な物件もあります。
例えば、
・建物劣化が著しい
・土地需要が強い
・新築用地として探す買主が多い
・建物があることで土地を確認しにくい
というケースです。
しかし先に解体すると、
解体費を売主が負担します。
さらに更地にしても、土地需要がなければ買主がすぐ見つかるとは限りません。
そのため、
古家付きの査定額
更地になった場合の想定査定額
実際の解体見積もり
を比較します。
売却価格が高くなるかではなく、
解体費を差し引いて最終的にいくら残るか
で判断することが重要です。
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▪️残置物も全部捨ててから相談する必要はない
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古い実家では、
家具。
布団。
食器。
家電。
仏壇。
物置の荷物。
などが大量に残っていることがあります。
「こんな状態では不動産会社に見せられない」
と思い、先に全撤去したくなるかもしれません。
しかし売却方法によっては、残置物がある状態でも査定や相談はできます。
一般の購入者へ引き渡すまでに撤去が必要になる場合はありますが、
査定前に全部処分しなければならないわけではありません。
まず現況で相談し、
何を撤去する必要があるのか。
撤去すると売却条件が改善するのか。
買主側で対応できないか。
を確認します。
売るために必要な費用と、売却にほとんど影響しない費用を分けることが重要です。
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▪️建物を直さず、そのまま売る出口もある
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雨漏り。
古い設備。
残置物。
長期間の空室。
こうした条件が重なると、一般の中古住宅購入者には売りにくくなる場合があります。
しかし売却先は、自分で住む人だけではありません。
現況のまま、
古家付き土地として販売する。
投資家へ販売する。
再生事業者へ販売する。
専門買取へ相談する。
という方法もあります。
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一般仲介で長期間売れていない、建物状態が悪く買主が限定される場合には、現状買取も比較できます。
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もちろん買取なら必ず高く売れるわけではありません。
一般仲介より査定額が低くなる可能性があります。
その代わり、
修繕費。
残置物処分費。
解体費。
売却までの管理期間。
を減らせる場合があります。
比較するのは査定額だけではなく、売却完了までに最終的に残る金額です。
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▪️ボロい空き家が売れないときは、この順番で判断する
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何から手を付ければいいか迷ったら、順番を決めます。
① 現在の状態を確認する
雨漏り、床、設備、残置物など、分かっている問題を整理します。
② 現況のまま査定する
直す前、壊す前の価格を確認します。
③ 買主が止まっている理由を確認する
価格なのか。
建物状態なのか。
修繕費なのか。
土地条件なのか。
問い合わせ・内見状況から確認します。
④ 必要なら建物調査や見積もりを取る
状態不明が大きな障壁なら、建物状況調査や修繕見積もりを検討します。
⑤ 現況・リフォーム・解体・買取を比較する
それぞれの売却価格から必要費用を引き、最終手残りで決めます。
この順番なら、
「ボロいからリフォーム」
「ボロいから解体」
「売れないから値下げ」
という単純な判断を避けられます。
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▪️まとめ|ボロすぎる空き家は「直せば売れる」でも「壊さないと売れない」でもない
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旧記事では、
「ボロい空き家は安くても買われない」
「ローンが通りにくい」
「放置するとお金を払わなければ手放せなくなる」
という強い説明になっていました。
しかし実際には、建物状態が悪い空き家にも複数の出口があります。
まず確認するのは、
・築年数ではなく現在の建物状態
・購入後に必要な費用
・土地としての需要
・現況での査定価格
・修繕後の想定価格
・解体後の想定価格
・仲介と買取の違い
です。
建物状態が分からないことが売却障壁なら、建物状況調査を検討する方法もあります。
建物を使わない買主がいるなら、古家付き土地として売る方法もあります。
一般市場で難しければ、再生を前提とした事業者へ売却する方法もあります。
だから、
売れない空き家ほど、売主が先に完成形を作らないこと。
大規模リフォーム。
全撤去。
解体。
大幅値下げ。
へ進む前に、まず現在の状態のまま価値を確認する。
そのうえで、必要な費用だけを使う。
それが、状態の悪い空き家で手残りを減らさず出口を探すための基本です。
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