志摩での土地活用:駐車場か、グランピング用地か?観光地ならではの選択肢

更新日:10月10日
志摩市に使っていない土地があると、駅や観光施設へ来る車向けの駐車場、あるいは自然の景観を生かした宿泊施設を考えることがあります。しかし、土地が観光地にあるというだけで駐車場が満車になったり、テントやトレーラーを自由に置いて宿泊営業ができたりするわけではありません。
鵜方・賢島など駅へのアクセス、海側と山側の地形、道路からの入りやすさを確かめながら、初期投資の小さい暫定利用と、許認可や運営体制が必要な宿泊事業を別々に比較しましょう。
① 駐車場の利用者と宿泊客の需要を分ける
志摩市内でも鵜方駅や賢島駅周辺、観光施設へ向かう途中、住宅地の中などでは車の駐車需要が違います。月極駐車場なら近隣住民・事業者、時間貸しなら短時間利用する人が対象になります。
一方でグランピングは宿泊や滞在を目的にする人が対象です。駐車場が便利な立地であっても、宿泊料金を払いたい利用者がいるとは限りません。
近隣の駐車場の空き区画、宿泊施設の客室料金と閑散期の状況など、利用方法ごとに需要を調べましょう。
② 土地の出入口と地形を先に確認する
駐車場には車両が安全に出入りできる道路と区画が必要です。狭い道路や急な段差では、利用者の車が切り返せるか、雨天に通れるかなどを確認しましょう。
宿泊施設では駐車だけでなく、消防車などの進入条件、給排水・浄化槽・電気、避難の動線などが必要になる場合があります。眺望の良い高台だからといって開発しやすいとは限りません。
斜面、擁壁、排水、土砂災害警戒区域やその他の指定を確認し、建築・造成費を見積もりに含めます。
③ 伊勢志摩国立公園の地域区分を確認する
志摩市内には伊勢志摩国立公園に含まれる区域がありますが、志摩市全域で同じ規制が掛かるわけではありません。所在地が公園内か、特別地域か普通地域かを図面で確認しましょう。
環境省は国立公園の特別地域では行為によって許可が必要で、普通地域でも一定の行為に届出が必要となる場合があると案内しています。土地売買そのものに自然公園法の規制が掛かるわけではありません。
テント、トレーラーハウス、建築物、造成の扱いを一律にせず、対象地の地域区分と予定する行為を環境省の事務所へ事前相談しましょう。
④ グランピングには営業・消防の確認が必要
宿泊料金を受け取り反復して客を宿泊させる場合は、旅館業法など事業形態に応じた規制を確認します。設備の形がテントやトレーラーであっても、宿泊営業の手続きが不要になるとは限りません。
建築物としての扱い、衛生設備、消防、安全のための設備、清掃・緊急対応の体制も必要になる場合があります。設置すれば『すぐ儲かる』という前提で購入や造成を進めるのは危険です。
市・保健所・消防・環境省の相談先を分け、事業として成立する法的条件を先に把握しましょう。
⑤ 駐車場と宿泊は売上の計算が異なる
例として駐車場を5台、月額5,000円、平均稼働率60%と仮定すると、年間売上は15万円です。一方、一棟宿泊で一泊2万円、年間50泊と仮定すれば年売上100万円ですが、いずれも志摩市の実績や相場ではありません。
宿泊施設では清掃や運営人員、消耗品、設備故障、予約手数料が掛かります。駐車場も草刈り、砂利補充、募集、トラブル対応や税金が残ります。
収入の大小よりも、初期投資・毎年の支出・閑散期の低稼働を差し引いて、事業継続できる現金が残るか確認しましょう。
⑥ 暫定利用と撤退費を含めて出口を比較する
駐車場は宿泊施設より初期投資を小さくできる場合がありますが、必ず短期間で撤退できるとは限りません。舗装や契約終了、原状回復の費用が掛かる場合があります。
グランピング設備は設置・撤去・土地復旧の費用や許可が関係することがあり、売却時に買主が設備を必要とするとも限りません。
どちらの事業も需要が確認できない場合は土地を保有する、現況売却するなどの方法を含めて比較し、工事を始める前に撤退条件を決めましょう。
⑦ 志摩市の土地活用を考える四つの順番
まず土地の場所と進入路、駅・観光施設への動線を確認し、駐車場と宿泊それぞれの利用需要を調べます。
次に国立公園の地域区分や都市計画・建築・旅館業・消防など、予定する事業に必要な確認を行います。
初期整備と管理・清掃費を見積もり、低稼働のケースを含めて年間手残りを計算します。
最後に設備撤去・原状回復費と現況売却の条件を比較し、駐車場も宿泊施設も難しければ事業化を見送る判断を残しましょう。
⑧ よくある質問
Q1. 志摩市の土地は国立公園内だから売買できない?
土地の売買そのものに自然公園法の規制は掛からないと環境省は案内しています。ただし購入後に行う開発行為等は規制の対象になる場合があります。
所在地と予定する行為を分けて確認しましょう。
Q2. グランピングなら建築確認も旅館業許可も不要?
建築物としての扱いや宿泊営業の手続きは、設備の構造と運営形態によって異なります。
テント等という名称だけで許可不要と判断しないようにしましょう。
Q3. 駐車場と宿泊施設はどちらが必ず儲かる?
初期投資、法規制、稼働率、運営費、撤退費によって手残りが変わり、一概には決められません。
対象土地ごとに低稼働時の収支を比較しましょう。
⑨ まとめ
志摩市では観光地という印象だけで土地活用の方法を決めず、駐車場と宿泊施設の利用者・収入・必要な許認可を分けることが大切です。伊勢志摩国立公園の地域区分は、具体的な予定地で確認する必要があります。
初期投資と低稼働時の費用、撤退後の土地利用を比較し、収益が見込めないときは現況売却や保有も検討しましょう。

