志摩市で隣の木の枝が越境したらどうする?勝手に切る前の境界確認と民法233条を解説

更新日:9月29日
志摩市の空き家や土地を確認したとき、隣の木の枝が屋根や敷地へ伸びていることがあります。枝が邪魔だからとすぐ切る前に、まず境界と木の所有者を確認し、越境している範囲を写真などで記録します。
2023年施行の改正民法では、越境された土地の所有者が枝を自ら切り取れる場面が明確になりました。ただし原則は竹木の所有者に枝を切除してもらう考え方であり、自分で切れる条件を確認して進める必要があります。
▪️1 最初に境界と木の所有者を確認する
境界杭が見える場合でも、枝の位置だけで境界線を推測しません。公図、測量図、境界標、過去の立会資料などを確認し、境界が不明なら隣地所有者や土地家屋調査士へ相談します。
木の幹がどちらの土地にあるかも確認します。空き家同士で所有者が分からない場合は、登記事項証明書などから連絡先を調べる必要が出ることがあります。
▪️2 枝の越境と根の越境を分ける
民法では、越境した枝と根で扱いが同じではありません。根が境界線を越えてきた場合の規定と、枝が越境した場合の規定を分けて確認します。
また、枝が建物へ接触しているのか、単に敷地上空へ出ているのかでも緊急性は変わります。屋根や電線、道路に近い場合は安全を優先し、専門業者や関係管理者へ相談します。
▪️3 まず竹木の所有者へ切除を求める
枝については、原則として竹木の所有者へ切除を求めます。口頭だけでなく、対象の枝、越境位置、希望する対応時期が分かるように写真や書面を用意すると認識を合わせやすくなります。
相手が対応してくれる場合は、作業日、敷地への立入り、切った枝の処分まで決めます。費用負担でもめそうな場合は、作業を始める前に合意内容を残しておく方が安全です。
▪️4 自分で枝を切れる条件を確認する
改正民法では、催告しても相当の期間内に切除されない場合、竹木の所有者や所在を知ることができない場合、急迫の事情がある場合に、越境された土地の所有者が枝を切り取れる規定があります。
自分で切れる条件に当たりそうでも、境界や所有者、危険性に争いがある場合は独断で進めない方が安全です。高額な樹木や大規模な伐採になる場合は、法律の専門家や造園・伐採業者へ相談します。
▪️5 民法233条の改正内容を確認する
法務省の資料は、民法233条の改正について、枝の切除を竹木所有者へ求める原則を維持しながら、一定の場合に越境された土地所有者が自ら切り取れることを示しています。催告後の相当期間についても、事案によるとしつつ考え方が示されています。
この制度は、枝が越境していれば自由に切ってよいという意味ではありません。どの条件に当たるのかを確認し、必要な手順を踏んで対応します。
▪️6 高木や危険箇所は専門業者へ相談する
高木、急斜面、屋根上、電線付近などは、自分で切ると転落や感電、物損の危険があります。法的に切除できるかという問題と、安全に作業できるかという問題は分けて考えます。
空き家売却前なら、越境枝の有無と対応状況を不動産会社へ伝えます。境界が曖昧な場合は、枝だけ処理して終わりにせず、買主が将来困らないよう境界確認も検討します。
▪️7 確認する順番
確認する順番は、①境界標や測量資料を確認する、②木の所有者を確認する、③枝と根のどちらが越境しているか分ける、④枝の状況を写真で記録する、⑤原則として竹木所有者へ切除を求める、⑥自分で切除できる法的条件と作業安全性を確認する、⑦対応経過を売却・管理資料として残す、です。境界が分からない段階で枝を切る判断を先にしないことが重要です。
相手へ連絡するときは、感情的な言い方を避け、越境している場所と希望する対応を具体的に伝えます。写真と日付を残しておけば、後から状況を説明しやすくなります。
急迫の事情があるかどうかは状況によって判断が変わります。倒木や電線への接触など安全上の問題がある場合は、自己判断で高所作業をせず関係機関や専門業者へ相談します。
売却予定なら、枝の処理だけでなく境界の確認状況もまとめます。買主へ越境問題の経過を説明できるよう、連絡記録、写真、測量資料を保管します。
▪️⑧ Q&A
Q1. 隣の枝が越境したら自分で切っていいですか?
原則は竹木の所有者へ切除を求めます。改正民法で自ら切り取れる条件がありますが、催告後に対応されない場合など要件があるため、条件を確認して進めます。
Q2. 隣地所有者の連絡先が分からない場合はどうしますか?
登記情報などから所有者を確認し、所在が分からない場合に民法上どの扱いになるかを確認します。境界も不明なら土地家屋調査士などへの相談も検討します。
Q3. 電線に枝が触れそうな場合も自分で切れますか?
電線付近の作業は感電や設備損傷の危険があります。枝の権利関係とは別に安全確保が必要なため、電力会社や専門業者へ相談します。
▪️⑨ まとめ
隣の木の枝が越境しているときは、境界と木の所有者を確認し、原則として所有者へ切除を求めます。改正民法233条では一定の場合に自ら枝を切り取れる規定がありますが、条件確認を飛ばして自由に切れる制度ではありません。
写真、連絡記録、測量資料を残し、高木や電線付近は専門業者へ任せます。売却予定の空き家では、越境枝の処理と境界確認をセットで整理すると買主へ説明しやすくなります。

