不動産投資のIRRとは?年間CF・売却手残り・保有期間で計算する判断順

更新日:10月8日
不動産投資でIRRを見る目的は、購入から売却までの異なる時点で生じる現金の流れを比較することです。高い数字だけで優良物件と判断せず、予測家賃や売却価格など計算の前提を確認します。
① IRRは将来の現金の流れを評価する指標
IRRは、投資開始時から終了時までのキャッシュフローを一定の割引率で現在価値に直した合計がゼロになる利率です。売却益だけではなくお金が出入りする時点が結果へ影響します。
高いIRRでも、その前提となる家賃や売却価格が実現するとは限りません。
② 最初に投じる自己資金を確定する
購入時の自己資金、諸費用、購入直後の修繕など実際に出す現金を計算します。
融資を使うなら借入と自己資金を区別します。自己資金ベースのIRRを出す場合は、以後の返済と売却時残債も整合させます。
③ 毎年のキャッシュフローを並べる
毎年の賃料から運営費、返済、税金、修繕などを差し引き、投資家に残る現金を年ごとに整理します。
毎年同じ家賃・同じ支出とせず、空室や設備更新のある年は金額を変えます。
④ 売却時の手残りを最後の年に加える
想定売却価格から売却費用、返済残債、必要な税負担を考慮して現金収入を置きます。
売却価格を高く見積もればIRRも改善して見えるため、査定や複数シナリオで検証します。
⑤ 小さな計算例で考え方を確認する
例えば自己資金300万円を投じ、1年後から4年後まで毎年30万円が手元に残り、5年後は通常の手残り30万円に加えて売却後の手残り350万円を受け取るとします。現金の流れは購入時マイナス300万円、1〜4年目が各プラス30万円、5年目がプラス380万円です。この仮定のIRRは約12.6%になります。家賃収入の総額ではなく、返済・費用を引いた自己資金ベースの手残りで計算していることが重要です。
計算式は、マイナス300+30÷(1+r)+30÷(1+r)の2乗+30÷(1+r)の3乗+30÷(1+r)の4乗+380÷(1+r)の5乗=0です。売却後の手残りが想定より小さくなれば結果は変わります。実際には税金、追加工事、融資残高などを年別に整理し、表計算で複数の売却価格を試すと判断しやすくなります。
⑥ 表面利回り・CCRとの違いを理解する
表面利回りは年間家賃と購入価格の関係、CCRは自己資金に対する一定期間の現金収益を見る指標として使われます。
IRRは入出金の時点と保有期間を反映します。指標ごとに定義や税・融資の扱いをそろえて比較します。
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⑦ IRRだけで購入を決めない
高い売却価格や短い空室期間を前提としたIRRは実現性を慎重に確認します。
災害や大規模修繕など単年の現金不足は、IRRの数字だけでは見落とす場合があります。
年間手残り、借入残債、必要資金を同時に確認します。
最後はIRRの高さより計算の前提と、悪化ケースでも保有できるかで判断します。
⑧ Q&A
Q1. IRRが高ければ良い投資ですか?
高いIRRだけでは判断できません。
家賃、修繕、売却価格の前提と現金不足の時期を確認します。
Q2. IRRと表面利回りは同じですか?
異なります。IRRは入出金の時点と売却までを考慮します。
表面利回りは通常、年間家賃と購入価格から求めます。
Q3. 借入あり・なしのIRRは比べられますか?
融資の扱いが異なれば同じ投資でも値が変わります。
自己資金ベースか物件全体ベースかを統一して比較します。
⑨ まとめ
IRRは初期投資から売却までのキャッシュフローを、時点も含めて評価する指標です。
家賃・修繕・残債・売却価格の前提を明示し、年間手残りや資金余力と併せて判断します。

