いなべ市の土地は高速開通で価値が上がる?いなべIC開通後の売却・活用判断
- MIRAIU

- 2月17日
- 読了時間: 15分
更新日:8月24日
▪️いなべICが開通したから、近くの土地は価値が上がる?
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いなべ市に相続した土地がある。
昔から草刈りだけ続けている。
2025年にいなべICが開通したと聞き、
「高速道路ができたなら、今まで使えなかった土地にも価値が出るのでは?」
と考えている方もいるかもしれません。
この期待自体は、まったく根拠がないものではありません。
2025年3月29日、東海環状自動車道のいなべIC~大安IC間6.5kmが開通しました。
いなべICは北勢町阿下喜に設けられ、大安ICから東員IC、新四日市JCTへつながる高速道路ネットワークへ直接アクセスできるようになっています。
さらに開通3か月後の調査では、いなべIC~大安IC付近を移動する車両の約7割が東海環状自動車道を利用し、並行する国道306号の交通量は約1割、大型車では約3割減少しました。
つまり、
「高速道路ができる予定」ではなく、すでに人や車の流れが変わり始めています。
ただし、
高速道路が近い。
↓
土地価格が上がる。
という単純な話ではありません。
実際に土地の利用価値を左右するのは、
・高速道路までの実際のアクセス
・前面道路の幅や大型車の進入条件
・都市計画や用途地域
・農地や農振農用地に該当するか
・上下水道などのインフラ
・土地の形状、高低差、面積
などです。
この記事では、
いなべIC開通を「値上がり期待」で見るのではなく、自分の土地に新しい需要が生まれる可能性があるのか
という視点から、売却・事業用地・土地活用・管理を判断します。
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▪️2025年3月29日の開通で「いなべの道路事情」は実際に変わった
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旧記事では、
東海環状自動車道の整備が進んでいる。
という将来形で説明していました。
しかし現在は状況が変わっています。
いなべIC~大安IC間はすでに開通しています。
さらに開通後の調査では、国道306号から東海環状自動車道へ交通の一部が転換し、特に大型車の交通量に変化が出ています。
これは土地所有者にとっても重要です。
事業者が土地を見る場合、
「高速道路が近いか」
だけではなく、
工場・倉庫・営業所から高速道路へどのように出入りできるか
を見ます。
例えば、
ICまで地図上では近い。
しかし途中の道路が狭い。
大型車が曲がれない。
住宅地を通らなければならない。
という土地なら、物流用途では使いにくい場合があります。
反対に、
国道421号や306号などへ出やすく、車両の出入りがしやすい土地なら、住宅とは違う需要が考えられることもあります。
つまり高速道路開通後は、
「ICまで何km」ではなく「実際に事業車両が使いやすいルートか」を見ることが重要です。
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▪️いなべ市は高速開通以前から企業立地が進んできた
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いなべ市で高速道路と土地利用を考えるとき、
もう一つ重要なのが企業立地です。
国土交通省の資料では、大安IC~東員IC間の事業着手以降、いなべ市内の企業立地数は約2倍まで増加しています。
製造業を中心に企業集積が進み、市も企業誘致を重要な産業政策として位置付けています。
さらに2024年度には、
新たに2社と企業立地協定を締結し、市内で新しい工業用地の計画も進められました。
2026年度から始まった第3次いなべ市総合計画でも、
東海環状自動車道を活用した企業誘致。
産業用地の確保。
人・物・情報の集積。
が今後の方向性として示されています。
ここまで見ると、
「いなべ市では事業用地需要が広がる可能性がある」
とは言えます。
しかし、
企業が進出していることと、自分の土地を企業が欲しがることは別問題です。
企業には必要な面積があります。
道路条件があります。
造成条件があります。
電気・水などのインフラも必要です。
周辺住宅への影響も考えます。
だから、
「工場が増えているから高く売れる」
ではなく、
自分の土地が企業側の条件に合うのかを確認することが次の段階です。
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▪️2026年現在、東海環状道は「すべて完成した」わけではない
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いなべICが開通したことで、
東海環状自動車道がすべて完成したように感じるかもしれません。
しかし2026年8月現在、
養老IC~いなべIC間18kmは建設中です。
NEXCO中日本の現在の建設情報では、この区間について工事が続いており、完成年度は掲載されていません。
つまり、
いなべICから大安IC、東員IC、新四日市JCT方面は高速道路でつながっていますが、
岐阜方面を含めた西回りネットワークは、まだ整備途中です。
ここも土地判断では重要です。
「全線開通したら土地価格が必ず上がる」
と先回りして判断するのではなく、
現在すでに利用できる交通網で土地需要があるのか
を見る方が現実的です。
将来の道路完成を待つためだけに、
5年。
10年。
と固定資産税や管理費を払い続ける判断には注意してください。
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▪️高速道路の近くでも、すべての土地を事業用地にはできない
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ここが今回の記事で最も重要なところです。
いなべ市は、
市内すべてが同じ土地利用ルールではありません。
市街化区域。
市街化調整区域。
用途地域。
都市計画区域外。
などが混在しています。
さらに農地では、
農地法。
農業振興地域制度。
も関係します。
つまり、
いなべICから近いという理由だけで、倉庫・工場・店舗・駐車場を自由につくれるわけではありません。
例えば現在が農地なら、
農地のまま売却するのか。
農地転用できるのか。
農振農用地から除外する必要があるのか。
を確認します。
いなべ市でも農振農用地からの除外について、
原則として除外できないことを前提に、一定の要件をすべて満たす場合に申出ができる仕組みになっています。
つまり、
「高速道路ができたから農地を資材置場へ変えよう」
と所有者だけで決めることはできません。
農地転用そのものについてはこちらで詳しく整理しています。
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▪️特に農地は「高速道路沿いだから転用できる」と考えない
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田んぼや畑を相続している場合、
高速道路。
国道。
工場。
が近くにあると、
「将来事業用地にできそう」
と期待することがあります。
確かに土地によっては、将来の利用方法を検討する価値があります。
しかし農振農用地の除外では、
農地以外へ利用する必要性。
ほかの土地で代替できない理由。
周辺農地への影響。
農業基盤整備への影響。
など複数の条件が確認されます。
さらに農振除外できても、
それだけで農地転用が完了するわけではありません。
農地法上の手続き。
都市計画。
建築。
造成。
接道。
など、次の確認があります。
だからこそ、
「高速道路が近いから農地を買って転用すれば儲かる」
という判断は慎重に行う必要があります。
農地を事業用地へ変える投資の注意点はこちらで整理しています。
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▪️事業用地として可能性がある土地は「道路・面積・造成・インフラ」で見る
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では、
どのような土地なら高速道路開通の恩恵を検討しやすいのでしょうか。
重要なのは、
単にICへ近い土地ではありません。
例えば事業者なら、
・前面道路へトラックが進入できるか
・敷地内で車両を転回できるか
・必要な面積を確保できるか
・土地の高低差が大きくないか
・造成費が高くなりすぎないか
・電気、水道、排水などを確保できるか
・周辺住宅と事業利用が両立できるか
などを確認します。
例えば土地価格が安くても、
造成に多額の費用が必要。
道路を広げられない。
上下水道を引くのに費用がかかる。
となれば、企業側の総投資額は増えます。
逆に、
土地価格だけを見ると少し高くても、
造成が少なくて済み、道路やインフラ条件が良い土地の方が利用しやすい場合があります。
土地所有者が見る「坪単価」と、利用者が見る「使える状態までの総額」は違います。
インフラ条件が売却に影響する理由はこちらで詳しく整理しています。
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▪️草刈りは「土地価値を上げる投資」とまでは言えない
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旧記事では、
草刈りをすれば土地の価値を守れる。
除草は投資になる。
という表現を強く使っていました。
ここは少し整理します。
草刈りをしたから、
土地価格が上がる。
企業が買ってくれる。
というわけではありません。
一方で、
草が腰より高く伸びている。
土地へ入れない。
境界付近を確認できない。
地面の高低差が見えない。
不法投棄があるか分からない。
という状態では、
売却や活用のための現地確認そのものがしにくくなります。
だから草刈りの役割は、
土地価格を上げることではなく、
土地の状態を確認できる状態に戻すこと
と考えた方が正確です。
売却を考えているなら、
土地全体を庭のように整える必要はありません。
道路から入れる。
境界付近を確認できる。
地面の状態が見える。
写真を撮れる。
という状態でも、査定や現地確認は進めやすくなります。
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▪️境界杭が見えることと「境界確定」は同じではない
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旧記事では、
境界杭を露出させておけば売却がスムーズになる。
という説明をしていました。
確かに、
草を刈って境界標を確認できる状態にすることには意味があります。
しかし、
杭が見つかったことと、法的・実務的に境界が確定していることは同じではありません。
土地によっては、
昔の杭がある。
しかし測量図と一致しない。
隣地所有者との認識が違う。
道路境界が分からない。
ということもあります。
特に面積の大きい土地や、昔から所有している農地・山林では、
「杭があるから大丈夫」
と決めない方が安全です。
売却時に測量や境界確認が必要になるかは、不動産会社や土地家屋調査士などへ確認します。
つまり草刈りは、
境界を確定する作業ではなく、境界の状態を確認するための入口
です。
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▪️高速開通を理由に高額な土地活用を先に始めない
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「いなべ市はこれから伸びそうだから、土地活用しよう」
という考え方もあります。
例えば、
貸地。
資材置場。
駐車場。
倉庫。
トランクルーム。
太陽光。
などです。
しかし、
高速道路が開通したからといって、
どの活用方法にも需要が生まれるわけではありません。
例えば資材置場なら、
事業者が実際にその場所を使う需要があるか。
大型車が入れるか。
農地転用などの問題がないか。
を確認します。
駐車場なら、
周辺に毎月利用する人がいるか。
トランクルームなら、
住宅人口や事業所需要があるか。
を見ます。
つまり、
高速道路は土地活用を考える材料の一つであって、需要そのものではありません。
土地活用全体を比較したい場合はこちらで整理しています。
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※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。
土地の条件に合わせて、駐車場・賃貸住宅など複数の活用方法を比較してから判断したい場合は、土地活用プランを確認する方法があります。
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▪️「いなべIC開通で高く売れるはず」と価格を先に決めない
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土地売却でも同じです。
高速道路が開通した。
企業立地が増えている。
だから以前より高く売れるはず。
と考えることがあります。
しかし、
実際の土地価格は、
土地利用規制。
接道。
面積。
形状。
造成費。
インフラ。
周辺の成約状況。
などで決まります。
高速道路開通はプラス材料になり得ますが、
すべての土地へ同じ割合で価格上昇をもたらすわけではありません。
特に、
住宅地として買う人。
工場用地として探す企業。
農地として買う農業者。
では土地を見る基準が違います。
だから売却するときは、
「昔○万円だった」
「高速道路ができたから坪○万円になるはず」
という希望価格だけで決めないことが重要です。
まず現在の市場で、
誰が買う可能性がある土地なのか
を確認します。
今すぐ売却する必要はありません。高速開通後の現在価格を確認し、保有や土地活用と比較する方法があります。
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▪️売却査定では「住宅地」としてだけ評価してもらわない
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いなべ市の土地で重要なのは、
土地によって買主候補が違うことです。
例えば、
住宅建築向きの宅地。
周辺企業が使える事業用地。
隣接事業者の拡張用地。
農地として利用する土地。
などです。
一般住宅だけを扱う会社へ相談すると、
住宅地として使いにくい。
↓
売りにくい土地。
という評価になる場合があります。
しかし、
事業用地に詳しい会社。
農地を扱う会社。
地域の法人需要を把握している会社。
では別の見方になる可能性があります。
もちろん、
「別の会社なら必ず高く売れる」
という意味ではありません。
大切なのは、
自分の土地に合う市場で査定しているか
を見ることです。
一社だけに断られた土地でも、条件によっては別の売却方法を確認できます。
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一般仲介では扱いにくい農地・変形地・接道条件のある土地などは、専門買取を比較する方法もあります。
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▪️今すぐ売らないなら「次の道路完成まで待つ」だけにしない
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土地を所有していて、
「東海環状道がさらに完成するまで持っておこう」
と考えることもあります。
それも一つの判断です。
ただし、
待つなら保有費も計算してください。
例えば、
固定資産税等。
草刈り。
樹木管理。
遠方からの交通費。
境界管理。
などが必要になる場合があります。
さらに5年後も、
本当に売却するのか。
さらに待つのか。
が決まっていなければ、
保有期間だけが伸びる可能性があります。
そこで、
待つなら「何を待つのか」を具体的にします。
例えば、
道路整備の進捗を見る。
周辺企業の立地状況を見る。
土地利用規制を調べる。
現在価格を確認する。
家族の利用予定を確認する。
というように、次の判断材料を決めます。
「高速道路ができたら考える」
だけでは、出口が曖昧なままです。
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▪️いなべ市の土地は4つに分けると判断しやすい
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高速道路開通後の土地を考えるなら、
大きく4つに分けると整理しやすくなります。
①すでに宅地・事業利用しやすい土地
道路やインフラ条件が良く、利用規制も整理できるなら、現在の売却価格や事業需要を確認します。
②農地や農振農用地
高速道路との距離より先に、農地法・農振制度・転用可能性を確認します。
③利用条件は厳しいが管理費が小さい土地
無理に高額投資せず、今後利用する可能性と保有費を比較します。
④誰も使わず、管理負担だけ続いている土地
高速道路による将来値上がりだけを期待せず、現在売却・専門買取・ほかの出口を比較します。
同じいなべ市でも、
この4つを同じ方法で扱わないことが重要です。
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▪️まとめ|いなべIC開通は「値上がり確定」ではなく土地を見直すきっかけ
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2025年3月29日、
東海環状自動車道のいなべIC~大安IC間が開通しました。
開通後には実際に交通経路が変わり、並行する国道306号では大型車交通量も減少しています。
さらにいなべ市では、
企業立地数の増加。
新しい工業用地の検討。
2026年度からの第3次総合計画での企業誘致・産業用地確保。
など、土地利用を考えるうえで重要な動きがあります。
だから、
高速道路開通を土地の価値や使い方を見直すきっかけにすることには意味があります。
しかし、
ICへ近い。
↓
企業が欲しがる。
↓
土地価格が上がる。
という話ではありません。
実際には、
道路条件。
都市計画。
農地規制。
面積。
造成。
インフラ。
周辺需要。
を一つずつ確認します。
特に農地の場合は、
高速道路が近くても自由に事業用地へ変更できるわけではありません。
また2026年8月現在、養老IC~いなべIC間はまだ建設中です。
将来の道路完成を期待して持ち続ける選択肢もありますが、
何年待つのか、その間いくら管理費がかかるのか
も同時に考える必要があります。
まず、
自分の土地が何に使えるのか。
今いくらで売れそうなのか。
どれくらい保有費がかかっているのか。
を確認します。
そのうえで、
保有する。
売却する。
事業者へ貸す。
土地活用する。
という選択肢を比較します。
いなべIC開通の本当のチャンスは、「土地が勝手に値上がりすること」ではありません。
今まで何となく草刈りだけ続けていた土地を、
現在の交通・産業・土地利用条件でもう一度評価し直せることです。
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