デッドクロスはなぜ起こる?減価償却・元金返済と税金の違い

更新日:4 日前
不動産投資を調べると『デッドクロス』という言葉を見かけますよね。家賃が入っているのに現金が足りなくなると聞くと心配になると思います。
でもデッドクロスという言葉だけで経営失敗が決まるわけではありません。減価償却費とローン元金返済の違いを、税金と現金収支から整理しましょう。
① デッドクロスは何を指す言葉?
一般的な不動産投資の説明では、元金返済額が減価償却費を上回る局面をデッドクロスと呼びます。法律で一律に税金が増える日を定めた名称ではありません。
まず減価償却と借入返済を分けて見ましょう。
② 減価償却費は年ごとの計算上の経費
賃貸用建物などの取得費は税務上のルールに従い、一定期間の必要経費に配分されます。購入した年の現金支出と、その年の減価償却費は同じではありません。
取得額・耐用年数と償却計算を確認します。
③ 土地と建物の扱いは異なる
土地自体は原則として減価償却の対象ではありません。購入総額をそのまま建物の減価償却費へ入れることはできません。
土地・建物の取得価額の区分を資料で確かめましょう。
デッドクロスは『現金がなくなる日』を意味するものではありません。減価償却と元金返済の大小だけでは、実際の家賃収支を判断できないためです。
④ 元金返済は経費にならない
借入の元金返済は現金が出ていきますが、原則として必要経費ではありません。返済予定表には元金と利息が区分されています。
毎年の元金返済額を確認し、所得計算と資金繰りを分けます。
⑤ 利息の扱いは元金と違う
賃貸事業に対応する借入金の利息は条件に応じ経費になる場合があります。土地取得に関係する借入の一部など、個別の税務上の制限が関係する場合もあります。
全額を一律に経費だと考えず税理士へ確認しましょう。
⑥ 償却期間が終わる時期は物件次第
建物の構造・取得時期、耐用年数や償却方法で計上できる期間が変わります。償却費が減ると課税所得が増える場合があります。
何年後に必ずデッドクロスという説明は避けましょう。
減価償却という経費はその年に同額の現金を使うものとは限りません。逆に元金の返済は現金が出てもそのまま必要経費へ入れない点が重要です。
⑦ 税務の利益と現金収支を二つに分ける
不動産所得は総収入から必要経費を引いて計算します。一方、現金収支は家賃入金から管理・税金・修繕・借入返済の支払いを引いて考えます。
二つが一致するとは限らず、帳簿が黒字でも現金が十分とは限りません。
⑧ 空室・修理で余裕が減る場合
空室や給湯器の交換が重なると、返済が続く中で現金が少なくなる場合があります。一方で全ての物件が同じ資金不足になるわけではありません。
修繕予備費と税金の支払いを年単位で確保しましょう。
⑨ 減価償却終了で売却必須ではない
償却期間が終わっても家賃と必要経費・税金・残債の条件で保有の判断は変わります。売却や借換えが常に正解というわけではありません。
今後の設備修理・売却費も比べてください。
金融機関の返済予定表を使って元金・利息を分ければ、現金支出と税務上の経費の違いが見えやすくなります。
⑩ 計算に必要な資料を集める
購入時の土地・建物内訳、減価償却明細、借入返済予定表、家賃の入金と運営費をそろえましょう。
税務上の扱いは国税庁の案内を読み、個別計算は税理士と確認すると安心です。
空室が続いた年や修繕が必要になった年には、税務の利益とは別に現金の余裕が減る場合があります。複数年の資金計画を考えましょう。
減価償却のルールは建物の種類や取得時期などで変わるため、実際の申告は最新情報で確認することが大切です。
よくある質問
Q. デッドクロスになると必ず赤字ですか?
A. 一律ではありません。家賃と支出・税金の組み合わせで変わります。
Q. ローン元金は経費になりますか?
A. 原則として必要経費になりません。利息と区別しましょう。
Q. 減価償却が終わったら売るべきですか?
A. 必ずではありません。現金収支と将来の修繕・出口で判断しましょう。
関連記事・参考情報
国税庁の公式資料
実際の申告条件は契約や取得時期によって違います。次の国税庁資料を確認し、必要なら税理士へ相談しましょう。
まとめ|確認する順番
減価償却→元金・利息→税務の利益と現金収支→予備費→保有・売却判断。

