相続税対策でアパートを買う前に確認すること|節税だけで決めない収支・融資・出口の判断

更新日:10月1日
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相続税が下がるなら、アパートを買った方がいい? ここで一度止まりたいところです。税評価が下がる話と、投資として儲かるかは別物。
相続対策で不動産を使うなら、税額だけでなく家賃、空室、修繕、借入、家族が引き継げるかまで見ます。節税効果があっても、経営が苦しい物件なら残された側の負担は増えます。
▪️1 最初に「税金を減らしたい理由」をはっきりさせる
相続財産がどれくらいあり、誰が何を引き継ぐ予定なのか。ここを見ずにアパートだけ買っても、全体最適にはなりません。
現金を不動産へ替える意味は、税評価だけではなく、家賃収入や将来の分け方まで含めて考える必要があります。
最初に見るのは、税額ではなく家族全体の資産設計。税額ではなく、家族全体の資産設計が先です。
▪️2 貸家・貸家建付地は評価方法が別になる
国税庁は、貸家の敷地となっている土地について、一定の条件のもと貸家建付地として評価する方法を示しています。自用地とは計算が変わる部分です。
家屋についても、貸家として使われている場合は固定資産税評価額から借家権割合や賃貸割合を使って評価します。貸家の評価は、実際の賃貸状況とセットで見る。
ただし、式だけ見て『必ずこれだけ下がる』とは考えません。物件の利用状況や賃貸割合で結果は変わります。
▪️3 空室なら同じ評価になるとは限らない
貸家建付地の評価では、賃貸割合が関係します。課税時期に空室がある場合の扱いも、単純に満室時と同じではありません。
国税庁は、一時的な空室として扱える場合の考え方も示しています。見るのは空室という事実だけでなく、継続的に賃貸していたか、退去後すぐ募集しているかといった経緯。
相続直前だけ形を整えればよい、という話ではありません。実態として賃貸経営が続いているかが大切。税務上の見た目だけを整える発想は避けたいところです。
▪️4 借入は「税金が減るから」で増やさない
アパート購入で借入を使う場合、返済は相続後も続きます。税務上の扱いを確認することと、返せるかどうかは別の確認です。
金利、返済期間、空室、修繕を入れても手残りが残るかを見ます。返済余力は、節税とは別に計算する。金融庁も投資用不動産融資で、長期の事業・収支計画を確認する考え方を示しています。
節税額より返済負担が重いなら本末転倒。この線は越えない方が安全です。
▪️5 相続した人が管理できる物件かを見る
被相続人が管理できても、子ども世代が同じように運営できるとは限りません。管理会社、修繕履歴、借入残高、入居状況を引き継げる形にしておきます。
兄弟姉妹で共有する予定なら、意思決定の方法も考えておきたいところです。共有にするなら、将来の意思決定まで考える。売る・直す・借り換える。共有になると一つずつ相談が必要になります。
相続対策は、相続後に困らない形まで含めて完成。ここは税額より大事な場面があります。
▪️6 最後は出口まで入れて判断する
長く保有するのか、相続後に売る可能性があるのか。出口で見る数字は変わります。
築年数、残債、土地値、大規模修繕、売却時の買主層。ここまで見て、アパートを持つ意味があるかを判断します。
節税できる物件ではなく、家族が持ち続けられる物件か。その方が判断軸として強いです。
▪️7 確認する順番
①家族全体の相続財産、②貸家・貸家建付地の評価、③賃貸割合と空室状況、④借入と年間返済、⑤物件CFと修繕、⑥相続後の管理体制、⑦売却出口の順で確認します。税評価だけでアパート購入を決めないことが基本です。
最初に税務上どの評価になるのかを税理士等へ確認します。税務上の評価を確認しても、投資判断はそこで終わらない。評価方法を理解しても、投資判断はそこで終わりません。
次に借入とCFを見ます。空室や修繕があっても返済できるか、ここが経営の分かれ目。税務上の効果とは切り分けて考えます。
最後は、相続後の家族が扱えるか。税額が下がっても管理負担が重いなら、別の方法も比較します。
▪️⑧ Q&A
Q. アパートを買えば相続税は必ず下がる?
A. 一律ではありません。財産構成、土地・家屋の評価、賃貸割合、借入などで変わるため、具体的な税額は税理士等へ確認してください。
Q. 空室があっても貸家建付地で評価できる?
A. 空室の状況によって扱いが変わります。国税庁は一時的な空室と認められる場合の考え方を示しています。
Q. 節税効果が大きければ赤字でも買っていい?
A. 税務と経営は別です。返済、空室、修繕、出口を含めて投資として成立するかを確認してください。
▪️⑨ まとめ
相続税対策でアパートを考えるなら、節税額だけでは足りません。貸家・貸家建付地の評価を確認しつつ、借入・CF・管理・出口を別に見る必要があります。
相続後に家族が困らない物件か。この視点まで入れて初めて、相続対策としてのアパート購入を判断しやすくなります。





