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土砂災害警戒区域の土地は売れる?イエロー・レッドの違いと売却前の確認点

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 3月10日
  • 読了時間: 13分

更新日:8月23日

▪️ハザードマップで色が付いた土地は、本当に売れない?

土地を売りに出したものの、問い合わせが少ない。

不動産会社から、

「土砂災害警戒区域に入っています」

と言われた。

このような土地では、

「もう住宅用地として売れないのでは?」

「大幅に値下げしないと無理?」

と不安になることがあります。

ただし、土砂災害警戒区域に指定されていることと、建物を建てられないことは同じではありません。

特に重要なのが、一般にイエローゾーンと呼ばれる土砂災害警戒区域と、レッドゾーンと呼ばれる土砂災害特別警戒区域を分けて考えることです。

この2つでは、制度上の意味も建築・開発への影響も違います。

この記事では、土砂災害警戒区域にある土地が売れにくくなる理由を煽らず整理し、区域確認、建築条件、売却価格、現況売却までの判断順を解説します。

売れない土地の原因全体はこちらで整理しています。

※本記事にはアフィリエイト広告を含みます。


▪️結論|「区域に入っている」だけで売却不可とは決まらない

土砂災害警戒区域にある土地でも、売買することは可能です。

区域指定そのものが、

「土地を売ってはいけない」

という制度ではありません。

ただし買主にとっては、災害リスクだけでなく、将来の建築・建て替え、避難、保険、資産価値などを確認する材料になります。

そのため区域外の土地と比較して慎重に検討される可能性はあります。

重要なのは、

ハザードマップに色が付いているから一律に値下げするのではなく、その土地に実際にどの制限・条件があるのかを確認すること。

です。

特にレッドゾーンでは一定の開発行為や建築物の構造について規制があるため、イエローゾーンと同じ扱いにはできません。


▪️まず知りたい「イエローゾーン」と「レッドゾーン」の違い

国土交通省は、土砂災害防止法に基づき、土砂災害によって住民などの生命・身体に危害が生じるおそれのある区域を土砂災害警戒区域としています。

一般にイエローゾーンと呼ばれる区域です。

一方、土砂災害によって建築物が損壊し、住民などの生命・身体に著しい危害が生じるおそれのある区域が土砂災害特別警戒区域です。

こちらが一般にレッドゾーンと呼ばれます。

イエローゾーンでは、主に警戒避難体制の整備やハザード情報の周知が行われます。

レッドゾーンではそれに加え、一定の開発行為への許可制や建築物の構造規制などが設けられています。

つまり、

イエロー=直ちに建築禁止

ではありません。

そして、

レッド=土地自体が売買禁止

でもありません。

どの区域なのかによって確認内容が変わります。


▪️土砂災害の種類も一つではない

土砂災害警戒区域という言葉だけを見ると、山が崩れてくる土地を想像しやすいかもしれません。

しかし指定される災害の種類には、急傾斜地の崩壊、土石流、地すべりなどがあります。

そのため、現地に大きな崖が見えない土地でも区域に含まれている場合があります。

逆に土地のすぐ裏に斜面があるからといって、所有者自身が区域の範囲を判断することもできません。

まず自治体や都道府県が公表する区域図で、自分の土地がどの種類の土砂災害区域に入っているかを確認します。

「山が近いから危険」「崖が見えないから大丈夫」という見た目だけの判断はしない。

これが最初です。


▪️敷地の一部だけ区域に入っているケースもある

土砂災害区域の確認では、

土地全体が区域内。

土地の一部だけ区域内。

建物を予定する場所まで区域内。

というように状況が分かれることがあります。

例えば広い土地の奥側だけが区域に入り、道路側には区域外のスペースが残っている場合があります。

このとき、

「土地が少しでも黄色だから全部使えない」

と判断する必要はありません。

一方、住宅を建てたい位置までレッドゾーンに入っている場合は、建築計画への影響を詳しく確認する必要があります。

だから売却前は、単にポータルサイトの色を見るだけでなく、区域線と敷地の位置関係を確認することが重要です。

必要なら自治体や都道府県の担当窓口、建築士などへ確認します。


▪️イエローゾーンだから「建築不可」と説明しない

旧記事では、土砂災害警戒区域に入っていること自体が住宅建築の大きな制約であるように読める部分がありました。

ここは整理しておきます。

土砂災害防止法上、イエローゾーンでは警戒避難体制の整備などが中心で、レッドゾーンのような一律の建築物構造規制が設けられているわけではありません。

もちろん、土地によっては別の法令や条例が関係することがあります。

例えば実際に崖や擁壁がある場合は、自治体の建築条例や宅地造成関係の規制など、土砂災害警戒区域とは別の確認が必要になることがあります。

つまり、

「イエローゾーンだから建てられない」と、「崖・擁壁など別の条件で建築確認が必要」を混同しないこと。

ここが重要です。

実際に崖や高低差がある土地はこちらの記事で詳しく整理しています。


▪️レッドゾーンでは建築・開発条件を具体的に確認する

土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンでは話が変わります。

国土交通省は、一定の住宅宅地分譲などの特定開発行為について都道府県知事の許可を必要とし、建築物についても土砂の力に耐えられるよう構造規制を設けています。

ただし、

「レッドゾーンなら新築住宅は絶対に建てられない」

という説明も正確ではありません。

土地の位置、建築する建物、開発内容、対策工事などによって確認内容が変わります。

だから売主側で、

「建築できます」

「建築できません」

と推測して販売するのではなく、区域と建築条件を行政・建築側で確認しておく方が買主へ説明しやすくなります。

レッドゾーンそのものについてはこちらの記事へ分けています。


▪️売買では土砂災害警戒区域であることが重要事項説明の対象になる

土地を売却するとき、

「言うと売れにくくなるから黙っておこう」

とはできません。

国土交通省は、宅地建物取引における重要事項説明の対象として、その宅地・建物が土砂災害警戒区域内にあるかどうかを位置付けています。

そのため不動産会社が仲介する売買では、区域指定について買主へ説明することになります。

だからこそ、売却開始前に売主自身も区域を把握しておく意味があります。

買主から、

「この黄色は何ですか?」

「建て替えできますか?」

と聞かれたときに、

「よく分かりません」

では判断が止まりやすくなります。

リスクを隠すのではなく、分かっている条件と分からない条件を整理して販売する。

この方が買主も判断しやすくなります。


▪️区域指定だけで「相場の半額」とは決められない

土砂災害区域の土地について、

「相場より3割安い」

「レッドなら半額」

といった固定した値下げ率を見かけることがあります。

しかし、すべての土地へ適用できる公的な固定率があるわけではありません。

同じイエローゾーンでも、駅や生活施設に近く住宅需要がある土地と、山間部で需要が弱い土地では評価が違います。

区域の入り方、建築条件、土地面積、道路、周辺環境なども価格に影響します。

また買主によっても評価は変わります。

住宅を建てたい人と、隣地として利用したい人では、土砂災害区域の影響の受け方が同じとは限りません。

だから、

ハザード区域だから先に30%値下げするのではなく、現状価格でどの程度評価されるかを確認する。

ここから始めます。


▪️売れない原因が本当に「土砂災害」なのかも確認する

土地が半年売れていないと、

「黄色だから売れないんだ」

と考えたくなります。

しかし実際には、別の条件が原因になっている可能性があります。

例えば価格が周辺より高い、接道が弱い、造成費がかかる、上下水道の引き込みが必要、境界が分からないといった問題です。

複数の条件が重なっている場合もあります。

だから不動産会社へ、

「問い合わせが入らない理由として区域指定がどの程度影響していますか?」

「区域外の競合土地と比べて、ほかに何が弱いですか?」

と確認します。

土砂災害区域という目立つ理由だけに、売れない原因を全部背負わせないこと。

これも価格を不必要に下げないために重要です。


▪️高額な擁壁工事をする前に、現況査定を取る

斜面や古い擁壁がある土地では、

「安全にしてから売った方が高く売れるのでは?」

と考えることがあります。

必要な安全対策は当然確認すべきですが、売却目的だけで高額工事を先に行うかは別の判断です。

例えば500万円かけて擁壁を改修しても、売却価格が500万円以上上がるとは限りません。

まず現況のままならいくらで売れそうか。

工事をすれば、買主の範囲や価格がどの程度変わりそうか。

工事自体が法令上必要なのか。

を確認します。

売却のための工事は、工事費と売却手残りを比較してから決める。

これが基本です。

現在の状態で売却価格を確認したい場合はこちらから比較できます。


▪️一般の住宅用地として難しいなら「誰なら使えるか」を考える

区域指定や土地条件によって住宅用地として買主が限られる場合でも、それだけで誰にも売れないとは限りません。

例えば隣地所有者なら、自宅敷地と一体で利用できる場合があります。

土地条件によっては、建物を伴わない利用方法を検討できることもあります。

ただし、

土砂災害区域だから駐車場なら安全。

資材置場なら規制を気にしなくていい。

という意味ではありません。

人が利用する土地である以上、災害リスクや避難、安全管理は確認する必要があります。

レッドゾーンでは予定する開発内容によって法的確認も必要です。

住宅として売りにくいから、すぐ別用途へ変えるのではなく、その用途で本当に需要と安全性があるかを見る。

土地活用全体はこちらで整理しています。


▪️通常仲介で難しい場合は、現況買取も比較する

区域条件や高低差、擁壁など複数の問題が重なっている土地では、一般の住宅購入者へ売るのに時間がかかる場合があります。

その場合でも、売却方法は仲介だけではありません。

不動産会社や訳あり土地を扱う会社が、現況を理解したうえで買取を検討するケースがあります。

買取なら必ず売れるという意味ではなく、仲介とは買主と価格の考え方が違う方法です。

仲介で時間をかけて価格を狙うのか。

現在の状態で早めに現金化するのか。

今後の固定資産税や管理負担まで含めて比較します。

売れない土地の買取についてはこちらで詳しく整理しています。


▪️売却前は5つの順番で確認する

土砂災害警戒区域の土地を売るときは、最初から値下げ額を決める必要はありません。

まず都道府県や自治体の区域図を確認し、イエローなのかレッドなのか、敷地のどこまで入っているのかを確認します。

次に、建築予定がある土地なら建築条件を確認します。

そのうえで現況査定を取り、区域外の周辺土地と比べて価格差がどの程度あるのかを見ます。

実際に販売して反響が弱ければ、価格だけでなく土地条件や販売対象を見直します。

それでも通常仲介が難しければ、隣地売却や買取など別の出口を比較します。

ハザード確認 → 建築条件 → 査定 → 販売反響 → 出口変更

この順番なら、

「黄色だから大幅値下げ」

という雑な判断を避けやすくなります。


▪️よくある質問|土砂災害警戒区域なら住宅を建てられませんか?

土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンに指定されていることだけで、土砂災害防止法上、一律に住宅建築が禁止されるわけではありません。

ただし土地に崖や擁壁がある場合など、別の法令・条例による確認が必要になることがあります。

Q. レッドゾーンなら絶対に家を建てられませんか?

一律に建築禁止という意味ではありませんが、一定の開発行為への許可や建築物の構造規制などが関係します。

土地と建築計画ごとに行政・建築士などへ確認してください。

Q. 土砂災害警戒区域なら土地価格は何%下がりますか?

全国共通の固定値下げ率はありません。

区域の種類、範囲、建築条件、周辺需要、土地形状などによって評価は変わります。

現在の土地を査定して比較する方が現実的です。

Q. 区域であることを買主へ伝える必要がありますか?

宅地建物取引では、土砂災害警戒区域に該当することは重要事項説明の対象です。

売却前から区域を把握し、正確に説明できる状態にしておくことが大切です。


▪️まとめ|「黄色だから売れない」ではなく、区域と制限を分けて確認する

土砂災害警戒区域に指定されている土地は、買主から災害リスクについて慎重に見られる可能性があります。

しかし、区域に入っていることだけで土地が売却できなくなるわけではありません。

まず確認したいのは、イエローゾーンとレッドゾーンの違いです。

イエローゾーンでは警戒避難体制の整備などが中心で、区域指定だけを理由に一律の建築禁止になる制度ではありません。

一方、レッドゾーンでは一定の開発行為への許可や、建築物の構造規制などが関係します。

そのため同じ「ハザードマップに色が付いている土地」でも、売却時に確認する内容は違います。

さらに、土地の一部だけ区域に入っているケースもあります。

区域の種類だけでなく、敷地と区域線の位置関係まで確認することが重要です。

価格についても、

「イエローなら2割下がる」

「レッドなら半額」

という全国共通の固定相場はありません。

周辺需要、建築可能性、道路、土地形状、擁壁などを合わせて評価します。

そして売却前に高額な造成・擁壁工事を行うなら、先に現況査定を取り、工事によって手残りが本当に増えるかを比較します。

一般市場で売りにくければ、隣地所有者や現況買取など別の出口もあります。

土砂災害区域の土地で一番避けたいのは、ハザードマップの色だけを見て自分で価値を決めてしまうことです。

区域を確認する。

建築条件を確認する。

現在の価格を確認する。

そのうえで売り方を決める。

「危険だから売れない」ではなく、「どの条件を買主へ説明すれば判断できる土地になるか」を整理する。

それが土砂災害警戒区域の土地を売却するときの基本です。


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