売れない土地シリーズ19|隣人が売却を止める「境界トラブル」の現実
- MIRAIU

- 3月9日
- 読了時間: 4分

隣人が「売却を止める」境界トラブルの現実
「自分の土地を売りたいだけなのに、なぜ隣の家の許可が必要なんだ?」
地主様が感じるこの強烈な違和感。
しかし不動産実務の世界では、隣人はあなたの「パートナー」ではなく、時として絶対的な決定権を握る存在になります。
土地を売るためには、隣地との境目を確定させる
「境界確認書(筆界確認書)」が必要です。
もし隣人が
・「昔からここは俺の土地だ」
・「判コは絶対に押さない」
と言い出したら?
その瞬間、あなたの資産は
誰にも売れない「紛争物件」へと転落します。
■【地獄1】隣人が「判コ」を握る、絶対君主制
土地の売却には、隣接するすべての地主との合意が必要です。
実際の現場では、こんなケースがあります。
・「昔の恨み」で拒否される
数十年前に親同士が揉めたことが原因で、判コを拒否される。
・「印鑑代」の要求
判コを押す見返りに数十万〜数百万円を要求されるケース。
・銀行も買主も撤退
境界が確定しない土地は、住宅ローンが使えません。
結果として、普通の買い手は完全に消えます。
■【地獄2】「越境物」という、目に見える時限爆弾
境界線が決まっていても、問題は終わりません。
よくあるのが「越境」です。
例
・隣の屋根が自分の土地に出ている
・ブロック塀が隣の土地に入っている
・雨樋やエアコン配管が越境している
この場合
・越境覚書を拒否される
・解体時のトラブル
・工事費が大幅に上がる
などの問題が発生します。
その結果、土地は違法状態に近い扱いとなり
買い手がさらに減ります。
■【地獄3】筆界特定制度という「最後の審判」
話し合いがダメなら法的手段になります。
しかし、ここにも大きなハードルがあります。
・筆界特定制度
法務局が境界を判断する制度
期間:半年〜1年以上
・境界確定訴訟
弁護士費用:数十万〜数百万円
期間:数年
この間、土地は売れません。
市場が冷えれば
土地価格はさらに下がります。
■三重・滋賀・奈良・和歌山で起きやすい理由
この地域では、昔の境界が
・生垣
・溝
・石
・あぜ道
などで決まっているケースが多く、
正式な測量図が存在しない土地が非常に多いです。
実際の現場では
・奈良・和歌山の密集住宅地
屋根が重なり境界が不明
・三重・滋賀の農村部
図面と現況が1m以上ズレている
というケースも珍しくありません。
■隣人トラブルから抜ける3つの出口
1
筆界特定制度で境界を決める
時間はかかりますが、
隣人の同意なしで境界を確定できる制度です。
2
隣人に売却する
隣人にとっては土地が広がるメリットがあります。
ただし価格は大幅に下がる可能性があります。
3
境界トラブル専門の買取業者へ売却する
境界未確定や越境のある土地でも
買い取る専門業者が存在します。
彼らは購入後
・隣人交渉
・測量
・法的整理
を自社リスクで行います。
地主はトラブルから解放され、
現金化できます。
■まとめ
境界トラブルは
時間が解決してくれる問題ではありません。
むしろ
・隣人が亡くなる
・相続人が増える
ことで、問題はさらに複雑になります。
「いつか分かってくれる」
その期待が、土地を
誰にも売れない資産に変えてしまいます。
売れない土地は
普通の売り方では売れないだけです。
売却ルートを変えることで、
驚くほどあっさり解決するケースもあります。
売れない土地には、さまざまな原因があります。
再建築不可、境界問題、私道トラブル、崖条例など、土地によって事情は大きく異なります。
実際の不動産現場でよく見かける「売れない土地の原因」をシリーズとして整理しています。
他のケースも知りたい方は、こちらにまとめています。
売れない土地でも、原因によっては活用できる可能性があります。
土地の条件によっては、
・トランクルーム
・駐車場
・資材置き場
・太陽光
・賃貸住宅
など、売却以外の方法が見つかることもあります。
土地の条件に合わせた活用方法をまとめています。

