top of page

琵琶湖沿いで無人ボート保管事業はできる?彦根・長浜・高島で確認する7つの判断

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 4月8日
  • 読了時間: 13分

更新日:8月21日

滋賀県の彦根市、長浜市、高島市などで琵琶湖に近い土地を持っていると、

「住宅には向かなくても、ボート置場なら使えるのでは?」

「釣り客向けに月極で貸せないか」

「建物を建てないなら低コストで始められそう」

と考えることがあります。

琵琶湖ではプレジャーボートが実際に利用されており、県内にはボートを保管する事業者も存在します。

そのため、ボート保管という用途そのものに市場がないわけではありません。

しかし、

琵琶湖の近くに土地がある


→ 砂利を敷く


→ ボートを20台置く


→ 完全無人で月額料金を受け取る

という単純な土地活用ではありません。

滋賀県にはプレジャーボートの係留保管に関する条例だけでなく、琵琶湖周辺のマリーナ設置・運営について独自の指導要綱があります。

しかも県の要綱では、業務としてプレジャーボートを保管する土地上の施設も「マリーナ」に含まれます。

この記事では、琵琶湖沿いの土地でボート保管事業を検討するときに、需要・法規・湖へのアクセス・地域差・収支・撤退まで7つの順番で整理します。

本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|「駐車場のボート版」と考えない


旧記事では、

砂利敷き+フェンス+防犯カメラ+スマートロック

があれば、低コストの無人ボートパークを作れるという内容でした。

ここは大きく修正します。

滋賀県の「琵琶湖におけるマリーナ指導要綱」では、マリーナを、

業務としてプレジャーボートの保管を行うための土地または水面における施設

として整理しています。

つまり、水上係留施設だけがマリーナではありません。

陸上でボートを月極保管する事業でも、計画内容によっては県のマリーナ行政を確認する必要があります。

そのため最初にすることは、砂利工事の見積もりでも料金設定でもありません。

予定している事業が滋賀県の制度上どのように扱われるのかを確認する。

ここがスタートです。



▪️判断①|20台の小さな置場でもマリーナ扱いを確認する


旧記事では、

「20台置ければ月40万円」

という事業モデルを出していました。

しかし滋賀県のマリーナ指導要綱では、新しくマリーナを設ける場合、事前協議を経て知事の承認を受ける仕組みが設けられています。

さらに保管能力については、

原則として100隻以上のプレジャーボートを陸上保管できる施設

とすることが示されています。

ただし、知事が特別な事情があると認める場合は例外があります。

ここで重要なのは、

20台だから小規模駐車場と同じ扱いになるとは限らない

ということです。

予定地と保管台数、保管する船の種類、湖への出艇方法などを整理したうえで、滋賀県へ事前相談します。

「まず10台から試して、客が増えたら広げる」という事業モデルも、制度確認を飛ばして始めることは避けます。



▪️「完全無人・人件費ゼロ」も前提にしない


旧記事では、

スマホ一つで完全無人経営

としていました。

しかし県のマリーナ指導要綱では、施設管理や利用者への安全指導などを行うマリーナ管理者を置くことが示されています。

さらに事業計画では、保管能力に応じて、

・係留施設


・揚陸施設


・保管施設


・駐車場


・緑地


・管理や安全のための設備

などを確保する考え方が示されています。

そのため、

カメラを置けば人が一切関わらなくてよい

とは考えません。

予約、料金回収、入退場管理をデジタル化することと、

運営責任まで無人化できることは別

です。



▪️判断②|まず既存のボート保管業者を調べる


旧記事では、

「ボート所有者は置場がなくて困っている」

ことを前提にしていました。

しかし事業判断では、ここを推測で決めません。

滋賀県が現在公開している指定保管業者一覧には、彦根市、長浜市、高島市にも既存のボート保管事業者が掲載されています。

これは重要な情報です。

ボート保管という市場が実際に存在する一方、

すでに競合も存在する

からです。

そこで新規事業を考えるなら、

・既存施設の保管料金


・屋内か屋外か


・年間契約か月極か


・艇種やサイズ


・トレーラー込みで保管できるか


・出艇設備があるか


・メンテナンスや冬季保管を提供しているか


・空き区画があるか

を確認します。

競合があるから失敗するわけでも、競合が少ないから成功するわけでもありません。

既存施設で満たされていない需要があるか

まで調べます。

土地活用では、先に利用者を確認する考え方が重要です。



▪️判断③|「琵琶湖まで近い」と「ボートを湖へ出せる」を分ける


ここは琵琶湖沿いのボート保管事業で特に重要です。

土地から湖面が見える。

湖まで300mしかない。

それだけでは、ボート保管用地として便利とは限りません。

利用者にとって重要なのは、

保管場所から実際にボートを湖へ降ろせる場所までどう移動するか

だからです。

ボートトレーラーで公道を走るのであれば、道路幅だけでなく交差点、カーブ、電柱、出入口、敷地内での転回まで確認します。

さらに琵琶湖そのものは一級河川として管理されています。

河川区域内の土地を排他的・継続的に使用する場合には河川法上の占用許可が関係し、工作物を設置したり土地を掘削したりする場合には別の手続きが必要になることがあります。

つまり、

自分の土地が湖沿いにあるから、前の湖岸を自由にスロープとして使える

とは限りません。

既存の港、揚陸施設、利用可能な出艇場所との距離まで確認して初めて「湖に近い土地」の意味が出ます。

道路条件が厳しい土地はこちらも参考になります。



▪️判断④|彦根・長浜・高島を同じボート市場にしない


旧記事では、彦根・長浜・高島をまとめて、

琵琶湖沿いだからボート需要がある

と扱っていました。

しかし同じ琵琶湖沿岸でも条件は違います。

彦根では、市街地や幹線道路との接続、保管地から湖岸への移動距離などが事業性に影響します。

長浜では南部と湖北・西浅井方面を同じ条件で考えません。

特に長浜市湖北町尾上から早崎町周辺には、水鳥の生息環境を守る目的でプレジャーボートの航行規制水域が設定されています。

保管場所の近くに湖があるだけでなく、

その先の水域をどのように利用できるのか

も確認します。

高島市も、勝野周辺、今津、マキノなどで道路・湖岸利用・冬季条件が異なります。

そのため、

彦根・長浜・高島のどこでも同じ月額料金、同じ客層、同じ保管方法

という計画にはしません。



▪️長浜・高島では冬季アクセスと積雪も収支に入れる


ボート保管は夏だけの事業ではありません。

特に長浜市北部や高島市の一部は、法律上の豪雪地帯に指定されています。

長浜市では旧余呉町が特別豪雪地帯で、旧西浅井町なども豪雪地帯に含まれます。高島市でもマキノ、今津、朽木などが豪雪地帯に含まれます。

そのため屋外保管を行うなら、

・冬でも利用者が出入りするのか


・敷地内除雪を誰が行うのか


・道路除雪後に入口へ雪がたまらないか


・トレーラーを安全に移動できるか


・長期間動かさない艇をどのように管理するか

まで考えます。

旧記事のように、

土地へ置けばあとは毎月料金が入る

とは考えません。

冬季管理を外注するなら、その費用も年間収支へ入れます。

彦根・長浜の冬季管理についてはこちらでも整理しています。



▪️判断⑤|琵琶湖独自のボートルールを事業計画へ入れる


滋賀県には「琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」があります。

この条例では、航行規制水域やプレジャーボートの原動機、適合証など、琵琶湖独自の利用ルールが定められています。

また別の「プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例」では、県内の公共水域で使用するプレジャーボートについて、所有者側に正当な権原を持つ係留・保管場所を確保することが求められています。

公共の水域などを勝手に継続保管場所として使うことは禁止されています。

これは一見すると、

合法的なボート保管場所には役割がある

ことを示しています。

ただし、

条例がある=自分の土地で保管事業をすれば満室になる

という意味ではありません。

制度上の必要性と、特定エリアの商業需要は別です。

ここでも実際の競合と利用者調査を優先します。



▪️指定保管業者になるかも別に確認する


滋賀県には、プレジャーボートを適正に保管できる事業者を「指定保管業者」として指定する仕組みがあります。

指定保管業者に保管されている艇については、事業者が保管艇分の適合証交付請求を行える制度もあります。

新しく保管事業を始める場合に、必ず指定保管業者にならなければ営業できるという意味ではありません。

一方、利用者にとっての利便性や県の制度との関係を考えるなら、

どの要件で指定を受けられるのか

を県へ確認する価値があります。

既存競合がどこまでサービスを提供しているか比較するときにも、この制度は一つの確認材料になります。



▪️判断⑥|月額料金×台数だけで収支を作らない


旧記事では、

1台月1〜2万円 × 20台 = 月商最大40万円

という計算をしていました。

この固定数字は削除します。

実際には、地域、艇種、施設内容、出艇設備、屋内外などによって料金条件が変わります。

収支を考えるなら、まず競合料金を調べます。

そのうえで、

契約単価 × 実際の契約艇数

から売上を計算します。

仮に説明用として20区画を用意しても、契約率30%なら6区画、50%なら10区画、80%なら16区画です。

重要なのは、

完成した瞬間から20台満車という前提にしないこと

です。

さらに売上から、

・土地造成


・舗装または砂利整備


・排水


・フェンスや門扉


・照明、防犯設備


・保険


・電気、通信


・除草


・除雪


・管理対応


・必要な行政手続き


・補修や更新

などを差し引きます。

湖へ出艇する機能まで持つなら、必要施設と費用はさらに変わります。

「建物を建てない=低投資」とは限りません。



▪️土地を舗装する前に撤退方法を決める


ボート保管事業がうまくいかなかった場合、

「建物がないからすぐ更地へ戻せる」

と考えることがあります。

しかしフェンス、門扉、舗装、排水、照明、防犯設備などを整備すれば、撤退費用は発生します。

さらに湖岸利用のための施設まで作れば、原状回復や行政手続きが必要になる場合があります。

そこで事業前に、

この施設をやめたあと、その土地を何に戻すのか

を決めます。

例えば別の事業用貸地へ転用できるのか、一般の駐車場へ変えられるのか、売却するのかを比較します。

土地活用の出口についてはこちらです。



▪️判断⑦|「ボート保管をやらない」という判断も残す


琵琶湖沿いの土地だからといって、必ず湖関連事業を行う必要はありません。

調査した結果、

既存マリーナの空きが多い。

利用者の希望料金が低い。

大型トレーラーが進入できない。

湖への出艇場所まで遠い。

マリーナとして必要な施設整備が重い。

冬季管理の負担が大きい。

ということもあります。

この場合、

琵琶湖の近くにあるという理由だけでボート保管へ固執しない

ことが重要です。

貸地、通常の駐車場、別の事業用途、売却などを比較します。

事業を始めないことで大きな初期費用を回避できるなら、それも正しい土地活用判断です。

滋賀県全体の土地活用を整理する場合はこちらです。

複数の土地活用方法を比較したい場合はこちらです。



▪️琵琶湖沿いでボート保管事業を考える7つの順番


最初に、予定するボート保管事業が滋賀県のマリーナ指導要綱上どのように扱われるのかを確認します。

次に既存保管事業者を調べ、料金、設備、空き状況、艇種から本当に未充足需要があるかを確認します。

土地については、トレーラーが進入・転回できる道路条件を確認し、保管場所から実際の出艇地点までの移動ルートも調べます。

湖岸を直接利用する計画なら、河川区域や港・施設管理者との関係を確認します。

そのうえで彦根・長浜・高島それぞれの水域利用や冬季条件を整理します。

最後に、

初期投資


→ 契約率別の売上


→ 年間管理費


→ 必要人員


→ 撤退費


→ 土地の次の用途

まで数字にします。

この順番なら、

琵琶湖が近い


→ 釣り人が多い


→ 置場が足りない


→ 20台置く


→ 月40万円


→ 完全無人の不労所得

という旧記事の事業計画から抜けられます。



▪️まとめ|琵琶湖のボート保管は「砂利駐車場」ではなくマリーナ事業として確認する


彦根市、長浜市、高島市には、実際にプレジャーボートを保管する事業者があります。

つまり、

琵琶湖周辺にボート保管市場が存在すること自体は確認できます。

一方で、既存業者が存在する以上、

置場がないから新しく作れば必ず埋まる

とも言えません。

さらに滋賀県では、業務としてプレジャーボートを保管する土地上の施設もマリーナとして扱う指導要綱があります。

新設については事前協議・知事承認の仕組みがあり、原則100隻以上の陸上保管能力や必要施設、マリーナ管理者などについて基準が示されています。

そのため旧記事の、

砂利とフェンスだけ

20台あれば月40万円

人件費ゼロ

完全無人

という前提は使いません。

また琵琶湖自体には、係留保管条例や航行規制水域など独自のルールがあります。

湖沿いの土地だからといって、湖岸を自由に出艇場所として使えるわけでもありません。

確認するのは、

マリーナとしての扱い


→ 既存競合


→ 道路・出艇アクセス


→ 河川・湖岸利用


→ 彦根・長浜・高島の地域差


→ 契約率別収支


→ 撤退

です。

琵琶湖という強い地域資源を使う発想自体は悪くありません。

しかし、

地域資源があることと、自分の土地で事業が成立することは別です。

制度と需要を先に確認し、数字が合った土地だけ事業化する。

それが、琵琶湖沿いの土地を「夢の無人集金所」にせず、現実的な事業として判断するための基本です。



▪️関連記事


滋賀の土地活用は危険?失敗する人の共通点と正しい判断基準


土地活用で失敗しない方法|先に借り手を見つけるだけで勝率が変わる


土地活用不動産投資は出口で決まる|売れない投資になる理由


土地活用で失敗しない完全ガイド


地方で土地活用が難しいケースとは?


売れない土地は収益化できる?地方でもできる土地活用アイデア


低コストで始める小さな土地活用|失敗しないための現実的な選択肢


彦根・近江八幡の狭い路地奥の土地はどう管理する?


彦根市の別荘・レジャー用地は年間いくらまで管理する?


彦根・長浜の空き家は雪で傷む?冬の管理負担と判断基準


農地の土地活用|転用できるかで決まる現実的な判断基準


売れない土地はどうする?駐車場・貸地・トランクルーム・売却まで比較


最新記事

すべて表示
空き家はなぜ増え続ける?900万戸時代に実家が放置される5つの理由と相続後の判断

日本の空き家は、2023年時点で900万戸を超えています。 ニュースなどで、 「7軒に1軒が空き家」 「これから相続でさらに増える」 と聞くと、 「自分の実家もいずれ空き家になるのでは?」 と不安になる人もいるでしょう。 ただし、900万戸すべてが、 相続後に放置された戸建て住宅 というわけではありません。 賃貸募集中のアパート・マンション。 売却中の住宅。 別荘。 長期間使われていない実家。 な

 
 
地方で「管理してるつもり」が危険になるケース

■地方で「管理してるつもり」が危険になるケース 地方の空き家や土地では、 「ちゃんと管理しているつもりだった」 というケースがかなり多くあります。 特に多いのが、 ・たまに見に行く ・草刈りだけしている ・換気だけしている という状態です。 ただ実際には、 “管理しているつもり”でも、 問題が進行しているケースがあります。 今回は、地方で「管理してるつもり」が危険になりやすい理由を実務目線で整理し

 
 
空き家を見に行くだけで疲れる理由

■空き家を見に行くだけで疲れる理由 地方の空き家相談では、 「見に行くだけでしんどい」 という声がかなり多くあります。 最初は、 「たまに確認すればいい」 と思っていても、 数年後には精神的にも体力的にも重くなるケースがあります。 今回は、空き家を見に行くだけで疲れる理由を実務目線で整理します。 --- ■“何か悪くなっている気がする”が続く 空き家を見る時、 多くの人は無意識に緊張しています。

 
 
miramaru kusakari 3.png
bottom of page