築古賃貸の3点ユニットは分離すべき?費用と空室対策の判断基準

更新日:10月2日
築古賃貸の3点ユニットを見ると、浴室・トイレ・洗面を分離したくなることがあります。ただし、分離工事は設備交換だけでなく、間取り・給排水・換気・防水まで影響するため、家賃アップだけで決めると費用対効果を見誤りやすいでしょう。
LIXILのマンションリフォーム案内でも、浴室・トイレ・洗面などは個別のリフォーム対象として整理されています。実際の工事では、既存スペースと配管条件に合わせて組み直せるかを確認することが重要です。
この記事では、入居者層、間取り、配管、工事範囲、空室期間、家賃差、回収年数の順に整理します。『分離すれば決まる』ではなく、この物件で投資する価値があるかを判断していきましょう。
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▪️① まず入居者層と競合物件を見る
単身者向けでも、3点ユニットが募集上の弱点になる地域と、家賃優先で許容されやすい地域があります。周辺の同じ家賃帯で、バス・トイレ別がどの程度あるかを確認するとよいでしょう。
管理会社へ、内見時に3点ユニットが理由で外されているかを聞くと判断材料になります。実際の失注理由が別にあるなら、分離工事の優先度は下がるでしょう。
家賃差だけでなく、空室期間の差も見ます。家賃を上げなくても成約しやすくなるなら、回収効果の考え方が変わります。
▪️② 分離できる間取りか確認する
3点ユニットを分けるなら、新しいトイレや洗面の設置場所を確保する必要があるでしょう。居室や収納を削る場合は、別の弱点が生まれないか確認します。
玄関横や廊下、既存収納などを使える場合もありますが、開口や動線が変わります。図面だけでなく、現地寸法まで確認しておきたいところでしょう。
分離後に居室が狭くなりすぎるなら、設備改善の効果を相殺することがあります。部屋全体の使いやすさを優先して考えましょう。
▪️③ 給排水・換気・電気の移設範囲を見る
トイレや洗面を移すと、給水・排水の延長や新設が必要になる場合があります。排水勾配を確保できるかも施工可否に関わるでしょう。
換気や電源も確認します。新しいトイレ空間には換気扇や照明、温水洗浄便座を使うならコンセントも必要になることがあります。
配管を大きく移動すると、床や壁の解体範囲が広がる場合があります。設備代だけでなく、周辺工事まで含めて見積もる視点が大切でしょう。
▪️④ 防水と浴室サイズの変化を確認する
3点ユニットを分ける工事では、浴室を小さくして別空間を作る方法や、浴室自体を交換する方法があります。既存寸法に合う設備があるかを確認するとよいでしょう。
浴室まわりは防水や床下の状態も確認します。古いユニットを外したときに下地補修が必要になるケースもあるでしょう。
設備配置を変えるほど工事範囲は広がります。部分改善で済む案と、全面改修案を分けて比較すると判断しやすくなります。
▪️⑤ 空室期間と募集停止期間を計算する
大きな水回り工事は、工期中に募集できない期間が出ることがあります。工事費だけでなく空室期間も投資コストとして見るとよいでしょう。
繁忙期直前に工事を始める場合は、募集開始時期に間に合うかを確認します。入居機会を逃すと回収期間が延びる可能性があります。
軽微な内装改善と違い、3点ユニット分離は工事範囲が大きいため、着工時期も費用対効果の一部です。
▪️⑥ 家賃差と回収年数で最終判断する
分離後の想定家賃は、周辺のバス・トイレ別物件から確認します。工事したから希望家賃まで上げられるとは限りません。
家賃差額に加えて、空室期間短縮の効果も分けて見ます。どちらの効果を期待しているか決めると、回収年数を計算しやすくなるでしょう。
売却予定が近い場合は、工事費を保有中に回収できるかも確認します。長期保有と短期売却では、適切な投資額が変わります。
3点ユニットの分離は、間取りと配管条件で工事費が大きく変わります。部分改善案と全面分離案を同じ条件で見積もると、投資額を比較しやすくなるでしょう。
リフォーム比較プロは、水回り改修を含めて複数社のリフォーム提案を比較したいときの選択肢です。3点ユニット分離の可否から相談する方法もあります。
▪️⑦ 確認する順番
①入居者層と競合を確認→②分離できる間取りを確認→③給排水・換気・電気を確認→④防水と浴室サイズを確認→⑤工期と募集停止期間を確認→⑥家賃差と回収年数を計算→⑦分離するか決める、の順で確認します。設備だけでなく部屋全体から判断するとよいでしょう。
最初に本当に3点ユニットが失注理由なのかを確認します。需要が弱い理由が別なら、他の空室対策を先に行う方が合理的です。
次に間取りと配管を見て、工事可能な範囲を絞ります。設備移設が大きいほど費用と工期が増える点も確認しましょう。
最後に家賃差と空室期間短縮を分けて計算します。保有期間内で回収できるかを見て投資額を決めると安心です。
▪️⑧ Q&A
Q. 3点ユニットは分離した方が空室対策になりますか?
地域の競合や入居者層によって効果は異なります。内見時の失注理由を確認してから工事優先度を決めるとよいでしょう。
Q. 3点ユニットは簡単にバス・トイレ別へできますか?
新しい設備スペースや給排水、換気、防水が必要になるため、現地条件で工事範囲が変わります。現地調査を依頼すると安心です。
Q. 家賃アップで工事費を回収できますか?
家賃差だけでなく、空室期間や保有期間も含めて回収年数を見ます。周辺相場から現実的な家賃を置いて計算するとよいでしょう。
▪️⑨ まとめ
築古賃貸の3点ユニット分離は、人気設備という理由だけで決めず、入居者層と競合から必要性を確認します。
間取り、給排水、換気、防水まで変わるため、工事範囲と空室期間を含めて総額を出すことが大切です。
家賃差と空室短縮の効果を分け、保有期間内で回収できるかを確認します。投資として成り立つ範囲で分離工事を判断するとよいでしょう。

