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築古物件は危険?買ってよい築古・見送る築古を修繕費と手残りで判断

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
2025年12月14日
読了時間: 8分

更新日:9月29日

築古物件は価格が安く、表面利回りが高く見えやすいため、不動産投資の入口として魅力があります。一方で、雨漏り、給排水、外壁、給湯器などの修繕が重なると、数年分の利益が一度に消えることもあります。


判断するときは築年数だけを見るのではなく、家賃需要、修繕履歴、購入後に必要な工事、融資返済、出口まで含めて手残りを確認します。古いから危険ではなく、費用が読めない築古が危険です。


▪️買ってよい築古は現況家賃でも資金が回る


満室想定では高利回りでも、今空室が多ければ購入直後の収入は低くなります。まず現況家賃から管理費、税金、保険、返済を差し引き、それでも資金が回るかを確認します。


空室が埋まったら利益が増えるという順番なら余裕がありますが、満室にならないと返済できない物件は慎重に見ます。購入直後から理想状態になる前提を外すことが重要です。


▪️修繕履歴は何を直したかより何が残っているか


外壁塗装済み、給湯器交換済みという情報だけで安心せず、屋根、給排水、共用部、室内設備など他に大きな工事が残っていないかを確認します。


直近の修繕が多い物件は安心に見えますが、修繕費をかけた理由も重要です。漏水や雨漏りなど根本原因が解消されているか、再発の可能性がないかを現地で確認します。


築古物件は修繕費の読み違いが収支へ直結します。購入前に「最低限直す場合」「空室対策まで行う場合」の費用感を持っておくと、買値の上限を決めやすくなります。



▪️修繕費は今すぐ・数年以内・入居対策に分ける


購入後すぐ必要な安全・漏水対策と、数年以内に来そうな外装や設備交換、空室を埋めるための内装改善を分けます。一括で「修繕費300万円」と置くより、資金繰りを読みやすくなります。


すぐ必要な工事が大きい場合は、その分を買値へ反映できるかを考えます。購入価格が安くても、初期修繕を足した総投資額が高ければ利回りは下がります。


▪️家賃を下げれば埋まるとは限らない


築古の空室原因は家賃だけではありません。駐車場不足、間取り、設備、写真、管理状態、周辺の新築供給など、借り手が比較する条件を確認します。


周辺募集を見て、同じ家賃帯でどんな設備が付いているかを比べます。家賃を下げずに改善できる点があれば伸びしろですが、立地そのものが弱い場合はリフォームだけでは解決しません。


▪️融資期間が短い築古は返済後CFを見る


築年数が古い物件は、金融機関によって返済期間が短くなることがあります。高利回りでも毎月返済が大きいと、手元に現金が残りにくくなります。


購入価格だけでなく、金利、期間、自己資金を入れた年間返済を確認します。満室時ではなく現況家賃で返済できる条件なら、運営の余裕が大きくなります。


▪️レントロールは家賃額だけでなく入居期間を見る


レントロールでは現在家賃だけでなく入居開始時期も確認します。長期入居者の家賃が周辺相場より高い場合、退去後に同じ家賃で再募集できるとは限りません。


反対に古い低家賃の入居者が多い場合は、退去後に適正家賃へ戻せる可能性があります。満室時の合計家賃だけでなく、各部屋の次回募集家賃を置き直して収支を見ます。


▪️現地では室内より先に共用部と外周を見る


空室の内装だけでなく屋根、外壁、雨樋、基礎、給排水の経路、共用廊下、階段、駐車場などを見ます。共用部の劣化は複数戸へ影響するため、工事額が大きくなりやすいからです。


雨の日や雨上がりに確認できると、排水や水たまり、雨漏りの痕跡に気づきやすい場合があります。見た目の古さより、放置すると大きな費用になる箇所を優先します。


▪️リフォーム費は家賃上昇だけで回収しない


50万円の工事で家賃が月3,000円上がっても、家賃増だけでは回収に長い時間がかかります。実際には空室期間の短縮、募集力の改善、原状回復のしやすさまで含めて効果を見ます。


設備を豪華にするより、競合物件に負けている一点を直す方が効率的な場合があります。工事前に仲介会社へ「何があれば決まりやすいか」を聞き、費用を使う場所を絞ります。


▪️土地値があるだけで出口安心とは限らない


土地値に近く買えたとしても、接道、再建築条件、ハザード、需要、解体費によって出口は変わります。土地価格だけで安全と判断せず、実際に次の買主が買いやすい条件かを確認します。


地方の築古ほど、自分なら運営できるだけでなく、次のオーナーも融資を使って買えるかを考えます。出口が狭い物件は、価格交渉できないとリスクを吸収しにくくなります。


物件価格と修繕費を入れた収支を第三者へ確認したい場合は、契約前に相談する方が修正できます。買った後ではなく、見送れる段階で数字を確認することが重要です。



▪️購入時に現金を使い切らない


築古は予想外の修繕が出る前提で手元資金を残します。頭金と諸費用を払った後に現金がほとんど残らない買い方は、設備故障や退去が重なったときに選択肢が減ります。


修繕予備費を別口で持ち、空室が続いても数か月は返済できる状態を作ります。購入時の利回りだけを優先せず、持ち続けられる資金配分を優先します。


▪️退去が重なった場合の資金繰りを試算する


築古アパートでは設備の更新時期が近く、退去が続くと原状回復と設備交換が同時に発生することがあります。一室ずつなら耐えられても、二室・三室が重なると必要現金は大きくなります。


購入前に複数退去が重なったケースを作り、半年分の返済と修繕費を同時に払えるか確認します。手元資金が足りない場合は、買値を下げるか自己資金配分を見直します。


▪️買う前に悪いシナリオを入れてみる


家賃が5%下がる、半年空室が出る、給湯器が複数台壊れるなど、少し悪い条件を入れても資金が回るかを確認します。複数の幸運が重ならないと成立しない物件は慎重に見ます。


逆に悪い条件でも手残りが残り、修繕資金を確保できるなら築古の安さが強みに変わります。高利回りを買うのではなく、耐えられる収支を買うという考え方です。


▪️修繕見積もりは最低限・中間・全面の3段階で持つ


築古物件では、すべてを新品にする前提で見積もると投資額が膨らみます。反対に何も直さない前提では実際の募集に耐えないことがあります。そこで安全上必要な最低限、入居対策まで行う中間、長期保有を見据えた全面の3段階に分けます。


3つの金額があれば、購入価格とのバランスを取りやすくなります。最初は最低限で運営し、入居反応を見て追加する方法が取れる物件なら、購入直後に現金を使い切るリスクを抑えられます。


▪️設備の古さより故障したときの影響を見る


古い設備が残っていても、すぐ交換しなければならないとは限りません。ただし給水ポンプ、共用電気、給湯設備など、故障すると複数戸や生活に大きく影響する設備は優先度が高くなります。


設備ごとに『壊れても一室だけで済むか』『建物全体へ影響するか』を分けると、修繕予備費の置き方が変わります。築年数だけで一括判断せず、故障時の損失が大きい箇所から確認します。


▪️募集条件は購入前に仲介会社へ確認する


売主の想定家賃だけでなく、周辺で実際に募集している仲介会社へ、決まりやすい家賃、必要な設備、駐車場条件などを確認すると収支の精度が上がります。管理会社の一社だけでなく、客付け側の感覚も参考になります。


『この家賃なら決まる』だけでなく、何か月くらいで決まりそうか、広告料やフリーレントが必要かも確認します。募集コストまで入れて初めて、空室を埋めるための実際の費用が見えてきます。

▪️よくある質問


Q. 築30年・40年なら安くても危険ですか?


A. 築年数だけでは判断できません。家賃需要、修繕履歴、返済条件、出口を含め、購入後の手残りが残るかで判断します。


Q. 修繕履歴が分からない物件は見送るべきですか?


A. 必ずしも見送りではありませんが、将来修繕を多めに見積もる必要があります。現地確認と予備費を厚めに置いて判断します。


▪️まとめ


築古物件のリスクは、古いことそのものではなく、修繕と空室を読めないまま高利回りだけで買うことです。現況家賃、修繕、融資、出口を入れた後でも現金が残るかを確認してください。


買ってよい築古は、少し悪い状況でも持ち続けられる物件です。修繕費を先に見える化し、購入後の予備資金まで残した上で買値を決めると失敗を抑えやすくなります。


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