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2026年の民泊市場はどう見る?届出住宅数・宿泊需要と地域の収支の調べ方

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
7月24日
読了時間: 6分

更新日:3 日前

旅行者が増えていると聞くと、民泊を始めるには良い時期なのかな、と気になりますよね。観光地や駅の周辺には宿泊施設の募集が増えることもあり、今から始めて間に合うのか迷う方もいると思います。


ただし、訪日旅行者の増加と、個々の民泊施設で利益が残ることは別の話です。数字の出どころを確かめて、地域で宿泊する人がどれだけいるのか、競合や費用はどうなのかを順番に見ていきましょう。



① 民泊の『市場』には異なる統計がある

民泊の届出件数、住宅宿泊事業の宿泊実績、ホテルを含む宿泊旅行統計、訪日外客数は、それぞれ対象が違います。一つの数字が増えたから国内すべての民泊が繁盛している、と考えるのは早いかもしれません。


まず何を知りたいのか決めましょう。開業できる住宅の数なのか、実際の宿泊日数なのか、地域の旅行者数なのかで見る資料を分けると理解しやすくなります。


② 2026年9月15日時点の住宅宿泊事業届出を確認

観光庁の公表では、2026年9月15日時点の住宅宿泊事業の届出総数は67,932件、うち廃止件数は24,895件、届出住宅数は43,037件です。累計届出をすべて現在営業している住宅だと数えると、実態を見誤ります。


これらは住宅宿泊事業法に基づく届出の統計で、旅館業法による施設などをそのまま合計した数ではありません。数字の調査日と制度の対象を確認して使いましょう。


③ 届出住宅数が増えても一室の売上は分からない

届出住宅が増えれば、営業の届出をしている住宅が増えていることは分かります。しかし、各施設が何日営業し、いくらで予約され、どれだけ手数料を払ったかまでは分かりません。


周辺に宿が増えた場合でも、地域の宿泊需要が十分なら運営できる可能性があります。逆に宿が少なくても観光需要自体が少ない場合があるので、供給件数だけで立地を選ばないことが大切です。


④ 宿泊実績は報告率と対象期間を確認する

住宅宿泊事業者は宿泊日数や宿泊者数などを二か月ごとに報告する仕組みです。観光庁はその報告を集計して宿泊実績を公表していますが、報告がすべて同じ時点でそろうとは限りません。


地域比較では、対象期間、届出住宅数、報告件数や報告率も確かめましょう。ひとつの期間だけで年間需要や個々の施設の収益を断定しないようにします。


⑤ ホテルを含む宿泊旅行統計は別に読む

観光庁の宿泊旅行統計調査では、2026年8月の一次速報として延べ宿泊者数6,268万人泊、客室稼働率64.4%が公表されています。ただし、これは宿泊施設全体に関する統計で、住宅宿泊事業の民泊だけの実績を示すものではありません。


ホテルの客室稼働率を、民泊の予約稼働率として物件の収支表へ入力しないようにしましょう。宿泊旅行統計は地域の需要を知る背景資料として使い、民泊の運営可能日数や自物件の条件は別に見積もります。


⑥ 訪日外国人が増えても需要は地域で違う

日本政府観光局(JNTO)は月別の訪日外客数を公表しています。海外から日本を訪れる人が多い時期でも、どの都道府県・町にも同じ数の宿泊者が来るわけではありません。


観光客が泊まる地域、交通手段、宿泊日数や客層を確認しましょう。観光地に近いという理由だけで予約が確実に入ると考えず、同じ生活圏の宿泊施設も見てみたいところです。


⑦ 予約サイトの掲載数は営業実態と一致しない場合がある

予約サイトに宿泊施設が多く表示されても、すべての物件が同じ制度、同じ営業日数で運営しているとは限りません。逆に掲載数が少ないから競争が弱い、と決められるわけでもありません。


可能なら宿泊料金、設備、予約可能日、口コミと営業形態をそれぞれ確かめましょう。掲載価格は実際の成約価格と異なる場合もあり、見た目だけで周辺の利益率を推測しないことが大切です。


⑧ 稼働率と一泊単価は一緒に考える

一泊料金が高くても予約日数が少なければ売上は限られます。反対に料金を下げて予約が増えても、清掃費や宿泊者対応の手間が増えると現金が思ったほど残らないことがあります。


予約が入る可能性のある日数と、一泊当たりの売上、変動費を分けて考えましょう。住宅宿泊事業法では年間180日の上限があり、条例でさらに制限される場所もあるので、その条件も計算に含めます。


⑨ 開業費用と撤退費用も市場判断の一部

宿泊需要がある場所でも、建物改修や消防設備、管理委託などに費用がかかり、手残りが少ない場合があります。借りた物件なら、家賃や原状回復義務なども長期の負担になります。


開業時の費用と毎月の固定費、予約が少ない場合の赤字、営業をやめる場合の契約費を確認しましょう。市場が成長しているという印象だけで、家族の資金を大きく投入する必要はありません。


⑩ 地域ごとの判断に使える資料を定期確認する

観光庁の住宅宿泊事業の施行状況と宿泊旅行統計、JNTOの訪日客統計は、数字の対象と公表日を確かめて読みたい資料です。ただしこれらが、個別の施設の成約や収益を約束するわけではありません。


事業を始める前に、営業できる制度、地域の宿泊需要、競合、費用を同じ表にして比べましょう。良い物件が見つからない時期は、見送ることも大切な判断です。





よくある質問

Q. 民泊市場が成長していれば新規参入で儲かりますか?


A. 保証はありません。全国需要と個別物件の営業可能日数、費用や競合を分けて確認してください。


Q. 観光庁の届出件数は現在営業している施設数ですか?


A. 累計届出には廃止件数も含まれます。調査日時点の届出住宅数と累計件数を区別しましょう。


Q. ホテルの客室稼働率を民泊の収支に使えますか?


A. そのまま使うのは適切ではありません。調査対象が異なるため地域の需要と制度を別に試算してください。


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まとめ|次の判断へ

民泊市場を判断するときは、旅行者や届出住宅の数が増えたという話だけで結論を出さないことが大切です。数字の対象と時点を確認し、地域の需要、営業できる日数、毎月の費用から、自分に合った事業計画を考えましょう。

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