土地活用で失敗しないための判断基準|アパート・駐車場・太陽光・サブリースの注意点
- MIRAIU

- 3月4日
- 読了時間: 11分
更新日:8月16日
▪️土地活用の失敗は「2ch・5chの体験談」だけでは判断できない
土地活用を調べていると、
「アパート経営で赤字になった。」
「サブリースで家賃を下げられた。」
「駐車場にしたら税金が高くなった。」
「太陽光は最後の撤去費が大変。」
といった失敗談を目にすることがあります。
2ch・5chなどの匿名掲示板にも、土地活用で後悔したという書き込みはあります。
こうした体験談が参考になる場合はあります。
ただし、
土地の場所。
取得費。
建築費。
借入金額。
金利。
家賃。
空室。
税金。
契約内容。
などの前提条件が分からなければ、自分の土地にも同じ結果が起こるとは判断できません。
逆に、
「成功した人がいるから自分も大丈夫。」
とも言えません。
土地活用で重要なのは、ネット上の成功談・失敗談の数ではなく、
自分の土地の条件で収支が成立するか
を見ることです。
土地活用全体の判断はこちら。
▪️以前の記事の「失敗を防ぐ数字」は一律には使えない
以前この記事では、
「実質利回りから3%引いて計算する。」
「更地の固定資産税は6倍。」
「太陽光は100坪につき撤去費200万円。」
「サブリースは10年後の賃料減額を前提にする。」
といった数字を、失敗を防ぐ基準として紹介していました。
これは断定が強すぎました。
土地活用には、
全国どの土地にも当てはまる一つの安全ライン
があるわけではありません。
例えば同じアパートでも、
自己資金を多く入れる場合。
ほぼ借入で建築する場合。
周辺に賃貸需要が強い場合。
競合物件が多い場合。
では収支が変わります。
駐車場、太陽光、サブリースについても同じです。
必要なのは、
一つの数字で安全・危険を決めることではなく、項目ごとに費用とリスクを入れて計算することです。
▪️まず「表面利回り」ではなく年間の手残りを見る
土地活用の提案では、
想定家賃。
年間収入。
表面利回り。
が目立ちやすくなります。
しかし実際に重要なのは、
年間収入から必要な支出を引いたあとに、いくら残るのか
です。
アパート経営なら、
空室期間。
管理費。
共用部費用。
固定資産税などの税金。
火災保険。
原状回復。
設備交換。
大規模修繕。
借入金の返済。
支払利息。
などがあります。
ここを無視して、
「年間家賃600万円だから儲かる。」
とは判断できません。
金融庁が投資用不動産向け融資を調査した際にも、主要なリスクとして空室率上昇、大規模修繕、サブリース、金利変動などが取り上げられています。また、融資全期間にわたる収支シミュレーションの重要性も示されています。 (金融庁)
以前の記事のように、
「利回りから3%引けば安全」
とするより、
実際に発生しそうな費用を一つずつ入れる方が現実的です。
▪️アパート経営は「満室なら黒字」だけでは判断しない
土地活用の代表的な方法がアパート経営です。
ただし、建築費が大きくなりやすいため、最初の需要判断が重要になります。
確認したいのは、
周辺にどの程度の賃貸需要があるか。
単身向けかファミリー向けか。
競合物件はどれくらいあるか。
実際の募集家賃はいくらか。
駐車場は必要か。
空室が出ても返済できるか。
です。
特に注意したいのが、
満室想定だけで返済計画を組まないこと。
例えば数室空いた場合でも、
借入返済。
固定資産税。
管理費。
修繕費。
は発生します。
さらに築年数が進めば、設備交換や外壁・屋根などの修繕を考える時期も来ます。
だからこそ、
満室時の利益を見るだけでなく、
家賃が下がった場合、空室が増えた場合、修繕が重なった場合にも資金が回るか
を確認します。
アパート経営が向く土地・向かない土地はこちら。
▪️駐車場にすると「固定資産税が必ず6倍」は誤り
以前の記事では、
「更地の固定資産税は6倍」
という表現を使っていました。
これは正確ではありません。
住宅の敷地には住宅用地の課税標準の特例があります。
国土交通省によると、固定資産税では、
小規模住宅用地の200㎡までの部分は価格の1/6。
一般住宅用地は価格の1/3。
を課税標準とする特例があります。 (国土交通省)
そのため住宅を解体して駐車場などにした場合、条件によっては住宅用地特例が適用されなくなります。
しかし、
「税額が一律に6倍になる」
という意味ではありません。
実際の税額には、
土地の評価額。
面積。
負担調整措置。
自治体ごとの課税状況。
都市計画税。
なども関係します。 (名古屋市)
駐車場活用を考えるなら、
「税金が上がるからやめる。」
でも、
「初期費用が安いからとりあえず駐車場。」
でもありません。
周辺の駐車場需要。
取れる賃料。
何台配置できるか。
整地・舗装費。
管理費。
固定資産税など。
を計算して判断します。
月極駐車場の判断基準はこちら。
▶ 空いている土地を駐車場として貸せるか確認したい方はこちら
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▪️太陽光は「100坪なら撤去200万円」と決められない
太陽光発電についても、以前の記事では、
「100坪あたり撤去費200万円を最初から引いておく」
という説明をしていました。
これも一律には使えません。
撤去や処分に必要な費用は、
設備の規模。
パネル枚数。
架台。
基礎。
パワーコンディショナー。
土地の形状。
搬出条件。
廃棄方法。
などによって変わります。
また、国は一定の太陽光発電について廃棄等費用を確保する制度を設けています。
資源エネルギー庁によると、原則として10kW以上のFIT・FIP認定太陽光発電事業が廃棄等費用積立制度の対象です。 (エネチョウ)
したがって、
「最後に必ず○万円かかる。」
と決めるのではなく、
現在の制度。
設備規模。
将来の撤去方法。
積立状況。
を個別に確認します。
太陽光は導入時の収益だけでなく、
設備を終了するときに何をする必要があるか
まで確認して判断することが重要です。
▪️サブリースは「10年後に必ず家賃が下がる」わけではない
サブリースについて、以前の記事では、
「10年後の賃料減額を前提にキャッシュフローを組む」
と説明していました。
これも「10年後」と一律には決められません。
一方で、
契約期間中や契約更新時に借上げ賃料が減額される可能性がある
こと自体は重要な確認事項です。
国土交通省も、サブリース契約について賃料が減額される可能性があることを注意点として案内しています。 (国土交通省)
消費者庁も、サブリースには一定の賃料収入が見込めるなどのメリットがある一方、賃料減額を巡るトラブルがあるとして契約内容を十分確認するよう注意喚起しています。 (中央卸売市場サイト)
見るべきなのは、
借上げ賃料はいくらか。
賃料を見直す条件は何か。
免責期間があるか。
修繕費を誰が負担するか。
契約を解除するときの条件は何か。
です。
つまり、
「サブリース=危険」でも、「家賃保証だから安心」でもありません。
契約書に何が書かれているかを確認して判断します。
▪️借入を使うなら「金利が上がった場合」まで確認する
土地活用で大きな建物を建てる場合、金融機関から借入を行うことがあります。
ここで重要なのは、
借りられる金額と、返し続けられる金額は同じではない
ということです。
特に変動金利の場合は、将来的に支払利息が増える可能性があります。
金融庁の投資用不動産向け融資調査でも、金利上昇リスクは重要な説明事項として扱われています。 (金融庁)
収支を見るときは、
現在の金利。
借入期間。
毎月返済額。
自己資金。
空室時の返済余力。
金利が上がった場合の返済額。
を確認します。
土地活用で怖いのは、
「計画より少し利益が減ったこと」
そのものではありません。
家賃収入が減ったときに、返済と維持費を支えられなくなる状態
です。
そのため建築費だけでなく、借入条件まで含めて判断します。
不動産投資全体の考え方はこちら。
▪️「出口がない投資=ギャンブル」とまで言う必要はない
以前の記事では、
「出口がない投資はギャンブルと同じ」
と表現していました。
これも強すぎました。
ただし、土地活用を始める前に出口を考えること自体は重要です。
例えばアパートなら、
そのまま長期保有する。
将来売却する。
家族へ承継する。
建物を解体して土地へ戻す。
という選択肢があります。
駐車場なら比較的転用しやすい一方、アパートのような建物を建てれば簡単には元へ戻せません。
太陽光にも設備の終了時期があります。
つまり出口とは、
「いつ売るかを最初から決めること」ではありません。
将来、
売却できそうか。
別用途へ転用できるか。
撤去費がどの程度必要か。
家族が引き継ぎたい資産なのか。
を確認しておくことです。
地方で無理をしない土地活用はこちら。
▪️土地活用で失敗を減らす4ステップ
土地活用を考えるときは、最初から、
「アパートにしよう。」
「駐車場にしよう。」
と決めない方が整理しやすくなります。
①土地そのものを確認する
立地。
面積。
形状。
接道。
法規制。
周辺需要。
を確認します。
②複数の活用方法を同じ条件で比較する
アパート。
戸建て賃貸。
駐車場。
太陽光。
そのまま保有。
売却。
などを並べます。
③収入ではなく手残りを見る
初期費用だけでなく、
空室。
税金。
管理。
修繕。
保険。
借入返済。
将来費用。
まで入れます。
④出口まで確認してから決める
10年、20年と保有する可能性があるなら、
途中で収入が減った場合。
修繕が必要になった場合。
自分が管理できなくなった場合。
売却するとした場合。
まで考えます。
この4つを整理して初めて、
「この土地では何をするのが合理的か」
を比較できます。
▶ アパート・駐車場など複数の土地活用プランを比較したい方はこちら
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▪️土地活用の失敗についてよくある質問
Q.利回りは何%あれば安全ですか?
一律に「○%なら安全」とは言えません。
同じ利回りでも、借入金額、修繕費、空室率、税金などによって手残りが変わるためです。
利回りだけでなく年間キャッシュフローを確認します。
Q.駐車場にすると固定資産税は6倍になりますか?
一律に6倍になるわけではありません。
住宅用地には固定資産税の課税標準を1/6または1/3とする特例があるため、住宅を解体することで特例から外れる場合がありますが、実際の税額は評価額や負担調整などによって変わります。 (国土交通省)
解体や駐車場整備をする前に、現在の税額と変更後の見込みを確認します。
Q.サブリースなら空室を気にしなくてもいいですか?
空室管理の手間を軽減できるメリットはあります。
ただし借上げ賃料の見直し、修繕負担、契約解除などの条件があるため、家賃保証という言葉だけで判断しないようにします。 (中央卸売市場サイト)
▪️まとめ|土地活用の失敗は「一つの数字」では防げない
2ch・5chなどを見ると、
「アパートは危険。」
「駐車場は税金で損する。」
「太陽光は最後に赤字になる。」
「サブリースはやめた方がいい。」
といった強い意見が見つかります。
しかし土地活用は、それほど単純ではありません。
また以前の記事のように、
「利回りから3%引く」
「固定資産税は6倍」
「太陽光100坪なら撤去200万円」
「サブリースは10年後に賃料減額」
という一律の数字で安全性を判断するのも適切ではありません。
見るべきなのは、
土地の需要。
初期投資。
年間の手残り。
空室。
修繕。
税金。
借入条件。
契約条件。
将来の出口。
です。
そして最も重要なのは、
土地活用をすること自体を目的にしないこと。
その土地では、
建てる方がいいのか。
低コストで貸す方がいいのか。
何もしない方がいいのか。
売却した方がいいのか。
まで含めて比較します。
土地活用で失敗を減らす方法は、ネット上の「絶対に成功する方法」を探すことではありません。
自分の土地について、条件の違う複数案を同じ数字で比較し、悪いケースでも資金が回るか確認してから決めることです。
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