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建物割合が高い物件は本当に得?減価償却・売却時の取得費・CFで比較

執筆者の写真: MIRAIU
MIRAIU
7月15日
読了時間: 5分

更新日:9月17日

不動産投資では『建物割合が高い物件は減価償却を多く取れるから有利』と言われることがあります。ただし、建物割合が高いことだけで投資の良し悪しは決まりません。


見るべきなのは、購入時の建物取得価額、構造や耐用年数、保有中の税引後キャッシュフロー、そして売却時の取得費です。この記事では『建物割合が高い方が得なのか』という判断に絞って整理します。


▪️建物割合が高い=必ず得、ではない

土地は減価償却の対象になりませんが、建物は取得価額を耐用年数などに応じて費用化します。そのため、他の条件が同じなら建物に配分される取得価額が大きいほど、減価償却費も大きくなりやすいのは事実です。


ただし実際の減価償却費は、建物の取得価額だけでなく構造、耐用年数、取得時期、事業に使い始めた時期、建物附属設備などの区分によっても変わります。建物割合だけを見て『毎年これだけ得する』とは判断できません。



建物の取得価額が大きく、減価償却費を多く計上できる年は、会計上の利益を圧縮できる場合があります。現金支出を伴わない費用なので、所得税・法人税などを含めた税引後キャッシュフローに影響します。


ただし『税金が減る額』と『物件そのものの収益力』は別です。空室、家賃下落、修繕、金利上昇で現金収支が悪ければ、減価償却が大きくても投資として安全とは限りません。


▪️売却時は建物の取得費が小さくなる方向に働く

建物を売却するときの取得費は、購入代金などをそのまま使うわけではありません。国税庁は、建物の取得費について所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算すると案内しています。


つまり、保有中に減価償却が進めば、売却時の建物取得費にも影響します。購入時の節税効果だけでなく、最終的な譲渡所得や手残りまで通して見る必要があります。



▪️建物割合は『高く設定する』のではなく根拠を確認する

建物割合は、節税したいから自由に動かす数字ではありません。売買契約書に土地・建物の価格が区分されているかを確認し、区分がない場合も合理的に説明できる方法で考える必要があります。


国税庁は、土地と建物を一括で扱う場合の合理的な区分方法として、時価の比率、相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分、土地・建物の原価を基にした按分などを示しています。



『建物が古いから建物割合を高くする』『設備が多いから何となく建物を増やす』といった決め方ではなく、契約書や評価資料と整合するかを税理士などへ確認する方が安全です。


▪️高い建物割合を評価するときは3つの数字を並べる

購入候補を比べるときは、①初年度から数年間の減価償却費、②税引後キャッシュフロー、③想定売却時の手残りを同じ表に置きます。建物割合だけを単独で評価しないことが重要です。


例えば建物割合が高いA物件と低いB物件があっても、Aの修繕費が大きく出口価格が弱ければ、最終的な手残りではBが上回ることがあります。反対に、収益力と出口が同程度なら税務上の差が投資判断に影響することもあります。


比較期間もそろえます。1年目の税金だけでなく、5年・10年など自分の想定保有期間で現金がどう残るかを見ると、建物割合の意味を過大評価しにくくなります。



築古物件は減価償却期間が短くなるケースがある一方、大規模修繕が近いこともあります。RC・鉄骨・木造では耐用年数の考え方も異なるため、表面上の建物割合だけを横並びに比較するのは危険です。


また、短期で売却する可能性がある物件、土地値が出口の中心になる物件、建物解体を視野に入れる物件では、保有中の減価償却より出口の土地価値や売却条件を優先して見る場面もあります。


物件単体で判断せず、手元資金、所得状況、融資期間、次の買い増し計画まで含めて考えると、建物割合を『節税率』ではなく投資全体の一要素として扱えます。



建物割合を見ても、自分の所得や融資条件まで含めた手残りが分からない場合は、物件価格・家賃・融資・修繕・想定売却価格をまとめて比較した方が判断しやすくなります。



▪️Q&A

Q. 建物割合が高い中古物件は避けた方がいいですか?


A. 建物割合だけでは判断できません。家賃、修繕、構造、残存耐用年数、融資、土地値、出口価格を合わせて比較します。


Q. 売主が土地と建物の内訳を示していない場合はどうしますか?


A. 固定資産税評価額の比率など、合理的に説明できる資料を基に検討し、税務上の最終判断は税理士などへ確認します。


Q. 建物割合が低い物件にもメリットはありますか?


A. 土地価値が高い物件は出口の選択肢を持ちやすい場合があります。減価償却の大きさだけでなく、純資産と売却時の手残りまで含めて判断します。


▪️まとめ

建物割合が高い物件は、他の条件が同じなら減価償却費が大きくなりやすい一方、それだけで有利とは言えません。保有中の税引後CFと、売却時の建物取得費・手残りまでつなげて見る必要があります。


『建物割合を高くする』のではなく、合理的な根拠を確認したうえで、自分の保有期間と出口を含めて比較する。これが建物割合を投資判断に使う基本です。



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