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地盤が弱い空き家は売れる?傾き・不同沈下・盛土・擁壁を分ける7つの確認

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 4月6日
  • 読了時間: 13分

更新日:8月21日

空き家を売ろうとして、

「床が少し傾いている気がする」

「基礎にひび割れがある」

「昔、この辺りは田んぼだったらしい」

「地盤が弱い家は売れないのでは?」

と不安になることがあります。

しかし、

建物が傾いていることと、地盤が弱いことは同じ意味ではありません。

床や柱の傾きには、地盤や基礎の問題だけでなく、建物そのものの変形や劣化など複数の原因が考えられます。

また、土地が盛土地や旧河道などに該当していても、それだけで現在の住宅に不同沈下が起きているとは判断できません。

反対に、地図上で特別な表示がなくても、個別の敷地条件や建物状態まで安全だと保証されるわけでもありません。

だから地盤が気になる空き家では、

建物の現在症状、土地の成り立ち、将来の災害リスク、擁壁や斜面を分けて確認すること

が重要です。

この記事では、地盤が弱いと言われた空き家について、修繕や値下げを決める前に確認したい7つの判断を整理します。

本記事には広告・PRを含みます。



▪️まず結論|「地盤が弱い」は診断結果ではなく確認の入口


旧記事では、

「地盤が弱い=見えない倒壊リスク」

という説明から始めていました。

しかし、地盤が弱いという言葉だけでは、何が問題なのか分かりません。

例えば確認すべき内容には、

・現在の建物に傾きや沈みがある


・過去に不同沈下や基礎補修をした


・盛土造成地に該当する


・液状化の可能性が示されている


・古い擁壁や斜面がある

といった別々の問題があります。

これらは調査方法も売却への影響も違います。

だから、

「地盤が弱そうだから売れない」と一括りにせず、何を根拠に地盤を心配しているのかを分解する。

ここから始めます。



▪️判断①|まず現在の建物にどんな症状があるか確認する


地盤を調べる前に、現在の建物状態を確認します。

見たいのは、単に古いかどうかではありません。

例えば、

・床に明らかな傾きや沈みを感じる


・柱や壁の傾きが気になる


・基礎に大きなひび割れやずれがある


・窓や扉が以前より開閉しにくい


・外壁や室内に同じ方向へ続くひび割れがある

といった変化がないかを見ます。

国土交通省の既存住宅状況調査でも、床や柱の傾斜、基礎のひび割れなどは確認項目に含まれています。

木造・鉄骨造の床や柱では、一定条件下で6/1000以上の傾斜が確認対象となります。

ただし、

6/1000を超えたら地盤不良と確定する、あるいは住宅が危険と自動判定されるという意味ではありません。

建物にどのような劣化事象があるかを把握するための確認基準です。

売却前に建物と敷地で確認される内容はこちらです。



▪️判断②|傾きがあっても原因を「地盤」と決めつけない


床が傾いている住宅を見ると、

「地盤沈下している」

と思いやすくなります。

しかし、建物の傾きだけから原因を一つに決めることはできません。

地盤や基礎に原因がある可能性もありますが、建物の構造部分や床組など別の問題が影響している場合もあります。

そこで、

症状を確認する調査

と、

その原因を調べる調査

を分けます。

既存住宅状況調査は、目視や計測などを中心に住宅の現在状態を確認する制度です。

国土交通省も、この調査によって将来の地盤の不同沈下や、地震後の液状化まで保証されるものではないと説明しています。

地盤そのものについて詳しく確認する必要がある場合には、建物調査の結果を踏まえて、地盤や基礎を扱う専門家へ追加調査を相談します。

つまり、

最初から高額な地盤調査を依頼するのではなく、現在何が起きているのかを確認して必要な調査へ進む。

この順番です。



▪️判断③|昔の土地利用と地形を確認する


現在は普通の住宅地でも、昔の土地の姿が違うことがあります。

国土地理院の土地条件図では、土地を山地、台地・段丘、低地、旧河道、盛土地・埋立地など、地形の成り立ちから確認できます。

こうした情報は、

なぜこの土地で地盤や災害について確認した方がよいのかを考える材料

になります。

例えば国土地理院は、液状化の影響を受けやすい代表的な地形として、盛土地・埋立地、旧河道などを挙げています。

ただし、

旧河道だから液状化する

盛土地だから不同沈下している

と個別の敷地を断定する資料ではありません。

地形情報はあくまで土地の成り立ちを理解する入口として使います。

現在建っている住宅に症状がなければ、地図だけを理由に「地盤不良物件」として値下げする必要はありません。

反対に傾きなどが確認されている場合には、土地の履歴を原因調査の一つの材料にできます。



▪️判断④|大規模盛土と液状化を「現在の地盤不良」と混ぜない


地盤について調べると、

「大規模盛土造成地」

「液状化可能性」

という情報が出てくることがあります。

ここも現在の建物状態とは分けます。

国土交通省の大規模盛土造成地マップは、造成前後の地形図などから大規模盛土の概ねの位置を示したものです。

国も明確に、

マップに表示された場所が直ちに危険な盛土造成地を意味するものではない

と説明しています。

その後、必要に応じて現地踏査や地盤調査などを行い、安全性を把握していく考え方です。

液状化についても同様です。

液状化ハザード情報は、地震時に液状化が起こる可能性を考える資料であり、

現在住宅が不同沈下していることを示す資料ではありません。

つまり、

現在の建物被害

と、

将来の地震時に想定されるリスク

を分けます。

ハザード情報と現在の被災歴を分ける考え方はこちらでも詳しく整理しています。



▪️判断⑤|擁壁や斜面は「地盤が弱い」とは別に確認する


高低差のある住宅では、敷地の端に擁壁がある場合があります。

擁壁にひび割れがあると、

「地盤が崩れている」

と感じるかもしれません。

しかし擁壁も、地盤の支持力とは分けて確認した方がよい部分です。

国土交通省の宅地擁壁に関するチェック資料でも、ひび割れだけでなく、ずれ、はらみなど複数の変状を確認する考え方が示されています。

現地では、

・擁壁に大きなひび割れやずれがないか


・壁面が前方へ膨らんでいないか


・水抜き部分に異常がないか


・擁壁上部や下部に地盤の変形がないか


・古い石積みなどで構造が分かりにくくないか

を確認します。

ここでも、

古い擁壁=すぐ崩れる

とは決めません。

一方、明らかな変形や劣化が見られる場合には、不動産会社だけで判断せず専門家へ確認します。

崖や高低差、擁壁がある土地の売却はこちらで詳しく整理しています。



▪️判断⑥|昔の地盤調査・改良・補修履歴を探す


地盤が気になる空き家では、現地だけでなく過去の資料も重要です。

家を建てたときや、その後の修繕時に資料が残っていないか確認します。

例えば、

・新築時の地盤調査結果


・地盤改良工事の記録


・基礎図や建築関係資料


・不同沈下の調査記録


・基礎補修や建物の傾き修正をした記録


・工事会社から受け取った報告書や保証書

などです。

これらが残っていれば、

何が起きて、どのような対応をしたのか

を買主へ説明しやすくなります。

一方、資料が見つからないだけで、

地盤に問題がある住宅

と決める必要もありません。

古い住宅では、新築時の書類そのものが残っていないこともあります。

分かっている事実と、現在確認できない内容を分けて整理します。



▪️「以前ジャッキアップした」は隠すより内容を確認する


過去に家の傾きを直したことがある住宅では、

「言ったら売れなくなるのでは」

と不安になることがあります。

しかし、売主が把握している不同沈下や補修歴などを曖昧にしたまま売却する方が、後のトラブルにつながりやすくなります。

過去に補修しているなら、

いつ、何を理由に、どこを、どのような方法で直したのか

を確認します。

そして資料が残っている場合には、不動産会社へ共有し、売買時にどのように説明するか相談します。

「昔直したから危険」でも、

「直したから今後絶対大丈夫」でもありません。

補修した事実と現在の状態を分けて伝えること

が重要です。



▪️判断⑦|地盤改良・ジャッキアップ・値下げを査定前に決めない


旧記事では、

地盤改良は数百万円

ジャッキアップは高額

という費用不安を強く出していました。

しかし、必要な工事も費用も建物や地盤状態によって大きく変わります。

そもそも地盤改良が必要なのか、建物側の補修なのか、現在の状態でそのまま売却できるのかも確認前には分かりません。

そこで売却予定なら、

工事をする前の現在状態で査定する

ことを優先します。

比較したいのは、

・現在のまま売却した場合の価格


・追加調査にかかる費用


・必要と判断された補修費


・補修後に期待できる売却価格


・売却までの管理費


・現状買取価格

です。

補修に大きな費用が必要でも、売却価格の改善が小さければ、売主が先に工事するメリットは少なくなります。

反対に原因と補修範囲が明確で、小さな工事によって買主の不安を減らせるなら対応する意味がある場合もあります。

地盤が気になるから直すのではなく、原因と売却効果が分かってから直す。

これが基本です。

査定額を比較したい場合はこちらです。

現在の状態で複数社へ査定を相談したい場合はこちらです。



▪️「地盤が弱いから住宅ローン不可」とも断定しない


旧記事では、

「住宅ローンNG」

と書いていました。

しかし、これも一律ではありません。

金融機関は、買主の返済能力だけでなく、物件の担保評価や建物状態などを含めて個別に審査します。

不同沈下が確認され、修繕費や建物価値に大きな不確定要素がある物件では、一般的な中古住宅より融資審査が慎重になる可能性があります。

一方、

土地条件図に旧河道と表示されている

大規模盛土造成地マップに入っている

という理由だけで、全国すべての金融機関が住宅ローンを断るという制度ではありません。

売主側で融資可否を断定せず、

現在確認できている建物・土地情報を整理し、買主側から利用予定の金融機関へ確認してもらう

ようにします。



▪️建物を壊しても地盤条件は消えない


空き家が傾いていると、

「建物を壊せば問題はなくなる」

と思うことがあります。

しかし、建物を解体しても土地の地形や地盤そのものが変わるわけではありません。

不同沈下の原因が地盤にある可能性が高ければ、新しく建築する買主は建築計画に応じた地盤確認を行うことになります。

一方、現在ある建物を補修して利用したい買主がいるなら、先に解体することでその選択肢を失います。

だから、

建物が傾いている


→ 更地にする

と自動的に進めません。

建物付きでの査定、解体費、更地価格を確認してから判断します。

解体前に査定する理由はこちらです。



▪️売却時は「地盤が弱い家」と自分で決めつけない


床が傾いている住宅について、

「地盤が弱い家です」

と売主自身が説明してしまうことがあります。

しかし原因調査をしていないなら、その表現が正しいとは限りません。

伝えるべきなのは、

確認できている事実

です。

例えば、床の傾きを確認している、過去に基礎補修をした、地盤調査資料が残っている、擁壁に変状があるといった事実を不動産会社へ共有します。

原因が分からない場合には、

原因未確認であることも含めて相談する

方が正確です。

問題を小さく見せる必要もなければ、根拠なく大きく見せる必要もありません。



▪️一般仲介で判断されにくい場合は現状買取も比較する


傾きや補修履歴があり、一般の買主から見ると修繕費を判断しにくい住宅もあります。

その場合、

調査と補修をすべて売主側で終わらせてから売る

だけが方法ではありません。

建物状態を把握した不動産事業者へ現状買取を相談できる場合があります。

もちろん買取価格は一般仲介より低くなる可能性があります。

そこで、

一般仲介で期待できる手取りと、調査・修繕をせず現状買取した場合の手取り

を比較します。

さらに一般仲介なら売却までの固定資産税や管理費も含めます。

仲介と買取の違いはこちらです。

傾きや不同沈下などの事情があり、一般市場で売却しにくい空き家を現状のまま相談したい場合はこちらです。



▪️地盤が気になる空き家はこの順番で確認する


まず、床・柱・基礎など現在の建物にどのような症状があるか確認します。

次に、その症状だけで地盤不良と決めず、建物側と地盤側の原因を分けます。

土地については、土地条件図などから昔の地形や造成履歴を確認し、大規模盛土や液状化などの情報は将来リスクとして別に整理します。

高低差がある土地なら、地盤とは別に擁壁や斜面を確認します。

さらに新築時の地盤調査、地盤改良、過去の不同沈下補修などの資料を探します。

そこまで確認してから、

現状査定


→ 必要なら専門調査


→ 補修の費用対効果


→ 一般仲介


→ 現状買取


→ 必要なら解体

という順番で出口を比較します。

この流れなら、

床が傾いている


→ 地盤が弱い


→ 数百万円の工事


→ 融資不可


→ 売れない

という旧記事のような一直線の判断を避けられます。



▪️まとめ|地盤問題は「今の症状」と「将来リスク」を分ける


地盤が弱いと言われた空き家でも、必ず売れないわけではありません。

そもそも、

床の傾きや基礎のひび割れだけで、地盤が弱いと確定することもできません。

まず現在の住宅状態を確認し、建物側の問題なのか、地盤や基礎まで詳しく調べる必要があるのかを整理します。

土地条件図、大規模盛土造成地マップ、液状化情報なども有効な資料ですが、

地図上の表示と、現在その建物に起きている不同沈下は別です。

擁壁や斜面についても、地盤という一言へまとめず別に確認します。

そして売却を考えるなら、

調査や修繕へ大きな費用を使う前に、現在の状態でいくらなのか

を確認します。

旧記事のように、

「地盤は見えないから怖い」

「買った瞬間にリスクを抱える」

「住宅ローンも難しく負債化する」

と恐怖だけで結論を決める必要はありません。

確認するのは、

建物の症状


→ 原因の切り分け


→ 土地の成り立ち


→ 将来の地震・盛土リスク


→ 擁壁


→ 過去の調査・補修履歴


→ 現在査定と売却方法

です。

「地盤が弱い」という曖昧な言葉を、確認できる事実へ分解する。

それが、傾きや不同沈下が気になる空き家を必要以上に安く評価したり、逆に問題を見落としたりしないための基本です。



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