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再建築不可の空き家は本当に売れない?接道・43条特例・売却前に確認する5つのポイント

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 4月5日
  • 読了時間: 11分

更新日:8月21日

「古い空き家だから、建物を壊して土地として売ろう」

そう考えて不動産会社へ相談したところ、

「この土地は再建築できない可能性があります」

と言われることがあります。

旧記事では再建築不可について、

「出口がほぼない」

「解体すると価値ゼロ」

「ローンは通らない」

「現金客しか買えない」

「完全に詰むケースがある」

とかなり強く説明していました。

ここは全面的に整理します。

再建築不可だから売却できないわけでも、土地価値がゼロになるわけでもありません。

さらに重要なのは、現場で「再建築不可」と呼ばれている土地の中にも、

・本当に接道条件を満たしていない土地


・42条2項道路に面し、セットバックすれば建築できる可能性がある土地


・建築基準法43条2項の認定・許可を検討できる土地


・私道や通路の権利関係を整理する必要がある土地

など、状態の違う物件が含まれていることです。

だから売却前に必要なのは、「再建築不可」という言葉だけで値段を決めず、なぜ建て替えられないと言われているのかを確認することです。

※本記事には広告・PRを含みます。


▪️結論|「再建築不可」と言われたら、まず理由を1つに絞る

最初に確認したいのは、

・前面の道が建築基準法上の道路なのか


・敷地が道路へ何m接しているのか


・42条2項道路なのか


・道路ではない通路なのか


・43条2項の認定・許可を検討できないか


・私道の場合、通行や権利関係はどうなっているか

です。

再建築不可は法律上の一つの物件種類というより、現在の条件では新しい建物を建てることが難しい物件を実務上まとめて呼んでいる表現です。

原因が違えば、解決方法も売却価格も違います。

「再建築不可だから半額」

と先に考えるのではなく、まず原因を特定します。


▪️接道義務は原則「建築基準法上の道路へ2m以上」

再建築不可で最もよく問題になるのが接道です。

建築基準法では、建築物の敷地は原則として、幅員4m以上の建築基準法上の道路へ2m以上接していることが求められます。

例えば、

道路まで細い通路でつながっているが幅が足りない。

家の前に道らしきものがあるが建築基準法上の道路ではない。

隣地を通って出入りしているだけ。

という場合、現在建物が存在していても、建て替え時に問題になることがあります。

ただし、

「道路に2m接していない=どんな場合でも永久に再建築不可」

と断定するのも正確ではありません。

建築基準法43条2項には、一定の条件を満たす場合の認定・許可制度があります。

接道義務そのものについて詳しく確認したい方はこちらです。


▪️「道幅4m未満=再建築不可」は間違い

旧記事では、

「道路幅が不足している」

ことを再建築不可の原因として単純に挙げていました。

しかし、ここは特に注意が必要です。

幅員4m未満の道でも、特定行政庁から建築基準法42条2項道路として指定されている場合があります。

この場合、建て替え時に道路中心線から原則2mまで後退するセットバックが必要になりますが、

セットバックが必要=再建築不可ではありません。

つまり、

「前の道が3mしかない」

という現地の見た目だけでは判断できません。

確認するべきなのは、

・建築基準法上どの種類の道路なのか


・42条2項道路として指定されているのか


・どこまでセットバックするのか


・後退後に建築計画が成立するのか

です。

この違いを確認せず「再建築不可」として安く売却してしまえば、本来残っていた土地価値を正しく評価できない可能性があります。


▪️43条2項なら建築できる可能性があるケースもある

接道義務を満たしていない土地でも、周囲の状況によっては建築基準法43条2項の認定・許可を検討できる場合があります。

現在の制度には大きく、

特定行政庁による認定

建築審査会の同意を経た特定行政庁の許可

があります。

例えば、

・建築基準法上の道路ではない一定の道に接している


・周囲に広い空地がある


・道路へつながる安全な通路が確保されている

など、条件によって検討されます。

国土交通省資料では、令和6年度に43条2項1号の認定が1,354件、2号の許可が6,033件行われています。

つまり制度として実際に利用されており、

接道義務を形式的に満たしていない土地すべてが「絶対に再建築できない土地」ではありません。

ただし、申請すれば必ず認定・許可される制度でもありません。

土地の状況や自治体の基準によって判断が変わるため、売却前に自治体の建築担当部署などへ確認することが重要です。


▪️通れることと、建築できることは別問題

古い住宅地では、

「何十年もこの道を通って家に入っている」

というケースがあります。

しかし、

人や車が通れること

建築基準法上の接道条件を満たすこと

は同じではありません。

他人の土地を通る権利があったとしても、それだけで建築基準法上の道路への接道が成立するとは限りません。

反対に、通路の状況や行政上の扱いを確認することで、43条2項の認定・許可を検討できる場合もあります。

通行地役権についてはこちらでも整理しています。

「通れるから建てられる」も、「道路じゃないから絶対建てられない」も、どちらも先に決めつけない。

行政上の道路・通路の扱いまで確認します。


▪️「ローンが通らないから現金客だけ」とも言い切れない

旧記事では、

「金融機関が評価しない」

「住宅ローンは通らない」

「現金客しか対象にならない」

としていました。

これも全国一律のルールではありません。

再建築が難しい物件では、将来の担保処分がしにくいため、一般的な土地・戸建てより金融機関の担保評価が厳しくなる可能性があります。

その結果、

・融資額が伸びない


・金融機関によって取り扱いが異なる


・買主に多くの自己資金が必要になる

といったケースは考えられます。

しかし、再建築不可というだけで、すべての金融機関・すべてのローンが自動的に利用不可になると断定することはできません。

売主側が、

「現金客しか買えないから大幅値下げ」

と最初から決める必要もありません。

まず物件条件を正確に整理したうえで査定します。


▪️再建築できなくても「今の建物を使える価値」は残ることがある

建て替えが難しくても、現在の建物がすぐ使えなくなるわけではありません。

建物状態や法令上の条件を確認したうえで、

・現在の建物を利用する


・必要な修繕を行う


・賃貸住宅として利用する


・倉庫など別の用途を検討する

といった可能性が残る場合があります。

ただし、

「再建築不可でもリフォームなら何でもできる」

という意味でもありません。

増築や大規模な工事など、工事内容によって建築確認や法令上の検討が必要になる場合があります。

だから買主へ、

「建て替えは無理だけどリフォーム自由です」

と簡単に説明しないことも重要です。

現在何ができるのかと、将来何ができるのかを分けて確認します。


▪️再建築不可と言われた空き家を先に解体しない

これはかなり重要です。

古い空き家を見ると、

「建物が邪魔だから、とりあえず解体して更地にしよう」

と考えることがあります。

しかし本当に再建築できない土地なら、既存建物を解体したあと、住宅を建て直せない可能性があります。

そのため再建築条件が分からない段階での解体は慎重に判断する必要があります。

先に確認するのは、

・本当に現在の条件で再建築できないのか


・43条2項の認定・許可を検討できるのか


・セットバックで対応できないか


・既存建物の状態はどうか


・古家付きならいくらで売れるのか

です。

解体してから再建築不可に気づくのではなく、建築条件を確認してから解体を判断する。

この順番です。


▪️隣地を買えば解決、も必ずではない

再建築不可の解決策として、

「隣の土地を少し買えば2m接道できる」

という方法が使えることがあります。

ただし、

・隣地所有者が売ってくれるか


・必要な幅を確保できるか


・その通路が建築基準法上有効なのか


・測量や分筆にいくらかかるか


・土地購入費を含めても採算が合うか

まで確認する必要があります。

例えば土地を50万円で買えば接道が解決しても、

測量。

分筆。

登記。

交渉費用。

などを含めると総額は変わります。

その費用を使った結果、売却価格がどれくらい改善するのかを比較します。

また、境界が曖昧な土地では隣地交渉より先に境界確認が必要になる場合もあります。


▪️売却価格は「再建築不可だから○割引」では決めない

再建築不可物件に、

「相場の半額」

「3割程度」

といった全国共通の値下げ基準はありません。

価格へ影響するのは、

・再建築できない理由


・43条2項の可能性


・既存建物の利用価値


・土地の立地


・接道改善の可能性


・隣地との関係


・買主の利用目的

などです。

まず通常の市場で現在いくらなのかを確認し、

接道を改善した場合。

現状のまま売る場合。

専門事業者へ売る場合。

を比較します。

査定額だけでなく、

「その会社は何を根拠に再建築不可と判断したのか」

まで確認すると、単なる安値査定なのか、実際に建築上の問題があるのかを判断しやすくなります。


▪️解消できない場合も売却そのものはできる

確認した結果、

接道を改善できない。

43条2項も難しい。

隣地との調整もできない。

というケースもあります。

それでも不動産の売買自体が禁止されるわけではありません。

買主が条件を理解したうえで、

既存建物を利用する。

賃貸として運用する。

隣地所有者が取得する。

土地活用を検討する。

といった出口が考えられる場合があります。

一般市場では買主が限定されるなら、条件のある不動産を扱う買取事業者と比較する方法もあります。

もちろん買取なら必ず高く売れるわけではありません。

一般仲介より価格が低くなる可能性もあります。

その代わり、

・接道調査


・隣地調整


・長期売却


・管理費


・解体や修繕

まで含めて比較できます。


▪️まとめ|再建築不可は「出口なし」ではなく、まず本当に建てられないのかを確認する

旧記事では、再建築不可を空き家の「最大級の弱点」として、出口がほとんどないように説明していました。

しかし重要なのは、

再建築不可という言葉だけで判断しないことです。

まず、

・建築基準法上の道路か


・接道幅は何mか


・42条2項道路ではないか


・セットバックで建築できないか


・43条2項の認定・許可を検討できないか


・私道や通路の権利関係はどうなっているか

を確認します。

本当に再建築が難しいと分かったあとで、

現状利用。

接道改善。

隣地との調整。

一般売却。

専門買取。

を比較します。

そして、条件を確認する前に建物を解体しないことも重要です。

「今、家が建っているから次も建てられる」とも、「再建築不可と言われたから永久に建てられない」とも決めつけない。

現在の道路・接道・行政上の扱いを確認してから、最も手残りの大きい出口を選ぶ。

それが、再建築不可と言われた空き家を売却するときの基本です。


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