解体費が高くて空き家が売れない?先に壊さず手残りで判断する5つの出口
- MIRAIU

- 4月5日
- 読了時間: 12分
更新日:8月21日
空き家を売却したい。
でも不動産会社から、
「この建物は古いので、解体した方が売りやすいですね」
と言われた。
そこで見積もりを取ってみたら、想像以上の金額だった。
「売りたいのに、その前にそんなお金を出せない」
という状態になることがあります。
旧記事では、
「解体費=最後の壁」
「解体費が出せないと完全に詰む」
「木造100万〜300万円、鉄骨200万〜500万円、RC300万〜1,000万円」
とかなり強く説明していました。
ここは全面的に整理します。
解体費をすぐ用意できなくても、空き家売却がそこで終了するわけではありません。
さらに、建物構造だけで解体費を固定レンジに当てはめることも避けた方がいいでしょう。
解体費は、
・建物の大きさと構造
・前面道路や重機の進入条件
・残置物
・ブロック塀や樹木などの付帯物
・廃材の種類と処分
・アスベストの有無
・地中埋設物など追加工事
によって変わります。
重要なのは、
「解体費を払えるか」だけではなく、「そもそも売主が先に解体する必要があるのか」を確認することです。
※本記事には広告・PRを含みます。
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▪️結論|解体費が高い空き家ほど、先に壊さず3つの数字を出す
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売却目的で解体を考えているなら、最初に並べたい数字は3つです。
・古家付きのまま売った場合の想定価格
・更地になった場合の想定価格
・実際の解体見積もり
例えば、
古家付き 300万円
更地 500万円
解体費 250万円
だったとします。
更地の販売価格だけを見ると200万円高くなります。
しかし単純計算では、
500万円-250万円=250万円
です。
古家付きで300万円なら、解体した方が手残りが50万円少なくなります。
反対に、
古家付きでは100万円。
更地なら600万円。
解体費250万円。
なら、単純計算では解体した方が手残りが大きくなる可能性があります。
もちろん実際には仲介費用・登記・税金など別の費用も関係します。
ここで伝えたいのは、
「更地の方が高く売れる」だけでは解体判断にならない
ということです。
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▪️旧記事を訂正|解体費に「木造なら○万円」という固定相場を当てはめない
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木造より鉄骨造、鉄骨造よりRC造の方が解体工程や廃材量などの影響で費用が大きくなることはあります。
しかし、
構造だけで解体総額は決まりません。
例えば同じ木造住宅でも、
前面道路が広く大型重機が入りやすい家。
細い道路の奥にあり、小型重機や手作業が増える家。
では条件が違います。
さらに、
・大量の家具が残っている
・庭石やブロック塀がある
・建物と隣家の間隔が狭い
・アスベストを含む建材が確認された
・解体後に地中埋設物が見つかった
といった条件でも金額は変わります。
だから、
「木造だから200万円くらい」
というネット上の数字で資金計画を作るより、自分の建物について現地見積もりを取る方が重要です。
解体費そのものの内訳はこちらの記事へ役割を分けます。
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▪️2026年の解体ではアスベスト事前調査も無視できない
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古い空き家の解体費を考えるとき、現在はアスベストの確認も重要です。
建築物の解体・改修工事では、規模の大小にかかわらず、工事前に石綿含有の有無について事前調査が必要です。
さらに2023年10月1日以降に着工する建築物の工事では、原則として一定の資格を持つ調査者による事前調査が必要になっています。
そして建築物の解体部分が80㎡以上なら、石綿が見つかったかどうかにかかわらず、事前調査結果の報告対象になります。
ここで注意したいのは、
「古い家なら必ず高額なアスベスト除去費が発生する」わけではない
ことです。
まず調査する。
含有建材が確認された場合に、必要な除去方法と費用を確認する。
この順番です。
見積もりを見るときも、
・アスベスト事前調査費
・分析が必要な場合の費用
・含有が判明した場合の除去費
がどう扱われているのか確認します。
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▪️売れない理由は「解体費が高い」ではなく、買主の総額が合っていない場合がある
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古い空き家を買う人も、建物価格だけを見ているわけではありません。
例えば買主が新築を予定しているなら、
購入価格。
解体費。
土地整備。
新築費用。
などを合わせて考えます。
だから売主が、
「土地相場が500万円だから500万円で売りたい」
と思っていても、
買主側では、
500万円+解体費
で土地を取得する感覚になります。
これが周辺の更地価格と大きく離れれば、購入判断が止まることがあります。
ただし、ここでも解決策は、
「売主が絶対に解体する」
ではありません。
古家付き価格を調整し、買主側で解体してもらう方法もあります。
古家を再利用したい買主が見つかる可能性もあります。
買主が解体費を負担できる価格になっているのか。
まずここを確認します。
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▪️出口①|古家付き土地として現況のまま売る
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解体資金を先に出せないなら、最初に比較したいのが古家付き土地としての売却です。
買主側で、
・そのまま利用する
・リフォームする
・賃貸へ再生する
・購入後に解体する
という判断をしてもらいます。
この方法なら、売主が先にまとまった解体費を負担しなくて済む可能性があります。
一方で買主が解体する前提なら、その費用を考慮して価格交渉されることもあります。
重要なのは、
「解体費を売主が払わない=得」ではなく、その分を含めても現況売却の手残りが大きいか
です。
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▪️出口②|売主解体の「更地渡し」にする方法もある
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販売時点では建物を残したまま、
「契約成立後、売主負担で解体して更地で引き渡す」
という条件を検討する場合もあります。
これなら、
「買主が見つかるか分からないのに先に解体する」
というリスクを減らせます。
ただし注意点があります。
売買契約から決済・引渡しまでの間に解体するなら、売却代金を受け取る前に工事代金の支払いが必要になる可能性があります。
さらに、
・解体範囲
・庭木や塀を残すか
・井戸や浄化槽をどうするか
・滅失登記
・地中埋設物が見つかった場合
・解体期限
などを契約前に整理する必要があります。
「売れてから壊せば資金問題も全部解決」という単純な方法ではありません。
不動産会社・解体業者と資金の流れまで確認してから選びます。
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▪️出口③|自治体の解体補助金を確認する
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自治体によっては、老朽化した空き家の除却費を補助する制度があります。
ただし、
「空き家なら誰でも補助金をもらえる」
わけではありません。
制度によって、
・対象地域
・建物の老朽度
・所有者の条件
・所得条件
・対象業者
・解体する建物の範囲
・補助率、上限額
などが違います。
特に注意したいのが申請時期です。
制度によっては、補助決定前に契約・着工すると対象にならない場合があります。
だから、
「先に壊して、あとから補助金を申請しよう」
とは考えない方が安全です。
まず所在地の市区町村で、
「空き家除却」「老朽危険空家」「不良空家」
などの制度を確認します。
ただし補助金を使えるから解体するのでもありません。
例えば解体費250万円に50万円の補助が出ても、自己負担は200万円残ります。
補助後の実負担と、売却価格の改善額を比較することが重要です。
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▪️出口④|土地売却代金で解体費を回収できるか計算する
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「解体するお金がない」
場合でも、土地価値が十分残っているなら、最終的な売却代金で解体費を回収できる可能性があります。
しかし確認したいのは、
売却価格が解体費を上回るか
だけではありません。
例えば、
更地売却価格 800万円
解体費 250万円
なら、単純には550万円残ります。
しかし比較対象となる古家付き価格が600万円なら、解体によって手残りが増えるとは限りません。
そのため、
・古家付き価格
・更地価格
・解体費
・その他必要費用
・売却までの期間
を合わせて見ます。
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▪️出口⑤|現況買取と解体後売却を比較する
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一般仲介では、
「建物を壊してもらわないと扱いにくい」
と言われることがあります。
その場合でも、その1社の判断だけで解体する必要はありません。
空き家や古家を仕入れて、
解体。
再生。
賃貸。
再販売。
を行う事業者なら、現況のまま価格を付けられる場合があります。
もちろん専門買取なら必ず高く売れるわけではありません。
一般仲介より価格が低くなる可能性があります。
だから比較するのは、
一般売却価格-解体費-売却までの保有費
と
現況買取価格
です。
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一般市場では売りにくく、解体資金も用意しにくい場合には専門事業者も比較できます。
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▪️解体すると決めたら「一番安い総額」だけで業者を選ばない
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比較した結果、
「この物件は解体して売った方が手残りが大きい」
となれば、次に解体見積もりを比較します。
見るのは総額だけではありません。
・建物本体の解体
・養生
・廃材処分
・重機回送
・残置物
・庭木、塀などの付帯工事
・アスベスト事前調査
・整地
・追加費用が発生する条件
を確認します。
例えばA社200万円、B社230万円でも、
A社は地中埋設物・残置物・付帯工事がほぼ別途。
B社は一定範囲まで含む。
という可能性があります。
契約後に追加費用が積み上がれば、最初の安さだけでは比較できません。
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▪️解体後の固定資産税は「必ず6倍」と覚えない
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解体前にもう一つ確認しておきたいのが土地の固定資産税です。
住宅の敷地には、一定の要件を満たす場合に住宅用地の課税標準の特例があります。
固定資産税では、
・小規模住宅用地は200㎡まで課税標準が価格の6分の1
・それを超える一般住宅用地は価格の3分の1
となる仕組みがあります。
そのため住宅を解体し、土地が住宅用地に該当しなくなれば、原則としてこの特例を受けられなくなる可能性があります。
しかし、
「解体すると固定資産税が必ず6倍になる」
という説明は正確ではありません。
土地面積。
評価額。
負担調整。
都市計画税。
土地の利用状況。
などによって実際の税額は変わります。
さらに現在は、建物を残していても、管理不全空家等や特定空家等として市町村から勧告を受けた敷地は住宅用地特例の対象から除外される制度があります。
つまり、
「固定資産税を上げないために危険な空き家を残し続ける」
という判断も適切ではありません。
解体後の税額が気になる場合は、所在地の市区町村へ具体的に確認します。
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▪️「解体費を払えない」なら、売却できないのではなく順番を変える
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まとまった解体資金がない場合、最初から、
「200万円用意しないと売れない」
と考える必要はありません。
まず、
① 現況査定を取る
古家付きの状態でいくらなのか確認します。
② 更地想定価格を確認する
解体すると売却価格がどの程度変わるのか確認します。
③ 解体見積もりを取る
構造別のネット相場ではなく、自分の建物で確認します。
④ 補助制度を確認する
契約・着工する前に自治体へ確認します。
⑤ 現況買取も比較する
売主が解体しない出口の価格も確認します。
この5つを並べれば、
解体する。
古家付きで売る。
契約後に解体する。
現況買取する。
という選択ができます。
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▪️まとめ|解体費が高い空き家で一番避けたいのは「売る前に全部払う」と決めつけること
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旧記事では、
「解体費が出せないと完全に詰む」
という結論になっていました。
しかし実際には、解体費が高くても複数の出口があります。
まず確認するのは、
・古家付きの現在価格
・更地にした場合の価格
・実際の解体費
・補助制度の有無
・現況買取価格
・解体後の税負担
です。
さらに2026年現在の解体では、アスベスト事前調査など、昔の「坪単価」だけでは判断できない項目もあります。
だから解体費が高いと感じても、
安い業者を探す。
借りてでも先に壊す。
大幅に値下げする。
とすぐ進む必要はありません。
解体しない出口を先に確認する。
そのうえで解体した方が手残りが大きいと分かれば、初めて解体費を比較します。
空き家売却で大切なのは、
「壊すためのお金を用意できるか」ではなく、「壊すために使ったお金を最終的に回収できるか」です。
売却価格ではなく、最後に手元へ残る金額から逆算して判断しましょう。
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