相続した空き家が売れない?共有名義・遺産分割で揉めたときの売却手順
- MIRAIU

- 4月5日
- 読了時間: 9分
更新日:8月21日
親から実家を相続したものの、
「兄は売りたい」
「妹は残したい」
「一人だけ連絡しても返事がない」
という状態になり、何年も空き家のままになっているケースがあります。
旧記事では、
「共有状態では誰も決められない」
「全員の同意がなければ何もできない」
「揉めたら完全に詰む」
とかなり強く説明していました。
ここは訂正します。
空き家全体を売却する場合には共有者全員の合意が重要ですが、共有になったから不動産そのものが一切動かせなくなるわけではありません。
自分の共有持分だけを処分する方法もありますし、遺産分割がまとまらなければ家庭裁判所の手続きを利用する方法もあります。
重要なのは、親族を説得することから始めるのではなく、現在の名義・相続状況・物件価格を分けて整理することです。
※本記事には広告・PRを含みます。
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▪️結論|「相続で揉めた」と「売却できない」は同じではない
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最初に確認したいのは、その空き家が現在どの状態なのかです。
大きく分けると、
・亡くなった親の名義のまま
・遺産分割前で複数の相続人がいる
・相続登記をして共有名義になっている
・一人の名義になっているが親族が売却に反対している
では、問題が違います。
特に注意したいのが、法的に共有している状態と、家族の気持ちがまとまっていない状態を混同しないことです。
一人の所有物になっているのか。
複数人の共有なのか。
まだ遺産分割自体が終わっていないのか。
まず登記と相続関係を確認します。
相続した空き家全体の売却手順はこちらで整理しています。
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▪️空き家全体を売るなら、共有者一人だけでは決められない
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兄弟3人が3分の1ずつ所有している空き家があるとします。
兄だけが、
「もう使わないから全部売ろう」
と考えても、兄一人の判断で家全体を第三者へ売却することはできません。
不動産全体を処分するのであれば、原則として共有者全員の合意が必要になります。
一方で、
自分が所有している共有持分そのものまで、他の共有者が所有しているわけではありません。
自分の持分だけを譲渡するという選択肢はあります。
つまり旧記事の、
「一人反対したら不動産は完全に動かせない」
という表現は正確ではありません。
ただし、共有持分だけを購入する一般の個人は多くありません。
買主からすれば、購入後も他の共有者との関係が残るためです。
共有不動産そのものの問題については、こちらでも整理しています。
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▪️遺産分割できていない=相続登記の期限まで何もできない、でもない
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2024年4月1日から相続登記は義務化されています。
しかし、
「兄弟で話がまとまらないから登記できない」
というケースもあります。
このような場合に、相続登記の申請義務を簡易に履行するための制度として相続人申告登記があります。
相続人の一人が単独で申し出ることもできます。
ただし、ここで重要なのは、
相続人申告登記をしただけでは、その空き家を売却できる名義状態になるわけではない
ということです。
相続人申告登記は、遺産分割がまとまらない間に相続登記の義務へ対応するための制度です。
実際に相続した不動産を売却するときには、別途相続登記が必要になります。
したがって、
期限への対応。
遺産分割。
売却準備。
この3つは分けて考えます。
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▪️話し合いの前に「この家はいくらなのか」を出す
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相続した家で揉める原因の一つが、家族それぞれが違う金額を想像していることです。
兄は、
「この家なら1,500万円くらいで売れる」
と思っている。
妹は、
「古いから500万円くらい」
と思っている。
別の相続人は、
「親が建てた家だから売りたくない」
と考えている。
この状態で、
「売るか残すか」
だけを話しても、議論が噛み合いません。
そこで先に、
現在のまま売った場合はいくらか。
解体した場合はどうか。
一般仲介ならいくらか。
買取ならいくらか。
を確認します。
査定価格の違いについてはこちらでも解説しています。
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例えば売却後の手残りが900万円なら、
3人で売却して分ける。
一人が取得して他の相続人へ代償金を支払う。
保有を続ける。
という選択肢を金額で比較できます。
感情をなくすことはできません。
しかし、判断材料となる数字を出すことで、話し合う内容を具体的にできます。
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▪️相続不動産の整理は「売る・一人が取る・共有する」で考える
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空き家をどう分けるか考えるときは、難しい制度名から入る必要はありません。
実務上のイメージは大きく3つです。
売却して現金を分ける。
空き家を売却し、売却費用などを差し引いた金銭を相続人で分けます。
一人が不動産を取得する。
実家を残したい相続人が取得し、必要に応じて他の相続人へ代償金を支払う方法を検討します。
複数人で共有する。
共有で相続すること自体はできます。
ただし将来売却するときに再び共有者間で判断が必要になるため、なぜ共有するのかを明確にしておきたいところです。
「とりあえず平等だから共有」
だけで決めると、次の売却時に問題を先送りすることがあります。
親が元気なうちに実家の将来を話す意味についてはこちらです。
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▪️共有持分だけ売る方法は「最後の選択肢」の一つ
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どうしても他の共有者と意見が合わない場合、自分の共有持分だけを売却する方法も考えられます。
ただし、
家全体を売る場合。
自分の持分だけを売る場合。
では、査定の考え方が違います。
共有持分だけを購入しても、買主は空き家全体を自由に使用できるとは限りません。
そのため一般的な戸建売却より買主が限定され、価格にも影響する可能性があります。
また親族以外の第三者が共有者になれば、その後の共有関係がさらに複雑になることもあります。
だから、
「兄弟が反対したから、すぐ自分の持分だけ売る」
ではなく、
不動産全体の査定。
親族間での取得。
全体売却。
持分売却。
の順番で比較する方が整理しやすいでしょう。
一般市場では扱いにくい共有持分や相続不動産なら、専門事業者へ相談する方法もあります。
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▪️話し合いがまとまらない場合も「永久にそのまま」ではない
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相続人同士で何度話しても遺産分割がまとまらない。
連絡を取るたびに感情的になる。
売却価格ではなく過去の家族問題まで出てくる。
このような場合、家族だけで話し続けることが必ずしも解決への近道とは限りません。
遺産分割について当事者間で話がまとまらない場合には、家庭裁判所の遺産分割調停を利用できます。
調停でも合意できなければ、審判へ移行して裁判所が判断する仕組みがあります。
つまり、
「全員が自力で仲直りしない限り一生売れない」わけではありません。
ただし裁判所の手続きには時間や準備も必要です。
だからこそ、揉め始めた早い段階で、
相続人は誰か。
不動産はいくらか。
誰が取得したいのか。
売却したい人は誰か。
を整理しておくことが重要です。
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▪️揉めている間にも空き家のコストは止まらない
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家族で結論が出ていなくても、空き家そのものは待ってくれません。
固定資産税。
草刈り。
庭木管理。
火災保険。
建物修繕。
遠方からの交通費。
などが続く可能性があります。
さらに数年間空き家になれば、建物状態も変わります。
だから相続人同士で話し合うときは、
「誰が正しいか」
だけではなく、
結論を1年延ばした場合にいくら費用がかかるのか
まで確認した方が現実的です。
売る・貸す・壊す・維持する判断はこちらでも整理しています。
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▪️相続で揉めた空き家を売るなら、この順番で整理する
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何から始めればいいか分からない場合は、次の順番で整理します。
① 相続人を確認する
誰が相続人なのかを確定します。
② 登記名義を確認する
亡くなった親名義なのか、すでに共有になっているのかを確認します。
③ 空き家の価格を調べる
感覚ではなく、現在の査定額を出します。
④ 売却・単独取得・共有継続を比較する
それぞれの場合の費用と手残りを確認します。
⑤ 合意できなければ専門家や家庭裁判所の手続きも検討する
家族だけで何年も止めないことが大切です。
売却する方向でまとまった後は、相続登記を整え、実際の売却へ進みます。
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▪️まとめ|相続で揉めた空き家は「人の問題」と「不動産の問題」を分ける
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相続した空き家が売れないと、
「兄弟仲が悪いから仕方ない」
と考えてしまうことがあります。
しかし、実際には整理できる問題があります。
誰が相続人なのか。
現在の名義はどうなっているのか。
空き家はいくらなのか。
誰が取得したいのか。
全体を売るのか。
持分だけを売るのか。
ここを一つずつ分けます。
共有不動産全体を売却するなら共有者全員の合意が重要です。
一方で、意見が一致しないからといって、すべての選択肢がなくなるわけではありません。
相続で揉めた空き家ほど、説得から始めず「権利関係と数字」を先に整理する。
それが、止まっていた空き家を動かす最初の一歩です。
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