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ハザードエリアの空き家が売れない理由は?値下げ前に確認したい5つの売却障壁

  • 執筆者の写真: MIRAIU
    MIRAIU
  • 4月5日
  • 読了時間: 10分

更新日:8月21日

「立地もそれほど悪くない」

「建物も普通に使えそう」

「価格も相場から大きく外れていない」

それなのに空き家がなかなか売れない。

調べてみると、洪水や土砂災害などのハザード区域に入っていた。

そんなケースがあります。

旧記事では、

「ハザードに入れば最初から選ばれない」

「購入者は必ずハザードマップを見る」

「住宅ローン審査に影響する」

「保険料が高くなる」

「対策は価格を下げるか用途変更しかない」

とかなり強く説明していました。

ここは全面的に整理します。

ハザード情報があるだけで売却できなくなるわけでも、全国共通の値下げ率があるわけでもありません。

一方で、買主が判断するための情報が不足していると、

「何が起きる土地なのか分からない」

「購入後にどれくらい負担があるのか分からない」

という不安から検討が止まりやすくなります。

この記事ではハザードマップそのものの詳しい読み方ではなく、ハザード情報がある空き家が「なぜ売れないのか」を売却実務から整理します。

※本記事には広告・PRを含みます。


▪️結論|売れない原因は「ハザード」より、買主が判断できないこと

ハザードエリアの空き家で最初に確認したいのは、

・何の災害リスクがあるのか


・想定される程度はどのくらいか


・実際の被災歴はあるのか


・建築や利用に制限があるのか


・購入後に必要な費用は何か

です。

例えば同じ「ハザードに入る家」でも、

洪水浸水想定区域にある住宅。

土砂災害警戒区域にある住宅。

土砂災害特別警戒区域にある住宅。

過去に実際の床上浸水を受けた住宅。

では買主が確認する内容が違います。

つまり、

「ハザードあり」という一言だけで売ろうとすると、買主側で判断できない項目が多すぎる

ことが問題です。

洪水・内水・高潮・土砂・津波を制度ごとに確認したい方はこちらで詳しく整理しています。


▪️売却障壁①|「色が付いている」だけでは買主がリスクを判断できない

ハザードマップを確認して、

「この家は浸水区域です」

とだけ説明しても、買主からすれば情報が足りません。

例えば水害なら、

・洪水なのか


・内水なのか


・高潮なのか


・想定浸水深はどの程度なのか


・過去に実際の被害があったのか

まで確認した方が判断しやすくなります。

現在の不動産取引では、水防法に基づいて作成された洪水・内水・高潮の水害ハザードマップについて、宅地建物取引業者が重要事項説明時に対象物件のおおむねの位置を示す仕組みがあります。

しかも使用するのは、入手可能な最新のハザードマップです。

そのため、

「言わなければ分からない」

という売却方法ではありません。

反対に、地図で色が付いていなければ絶対安全という意味でもありません。

重要なのは、ハザードを隠すことでも過度に怖がることでもなく、現在公開されている情報を買主が理解できる状態に整理することです。


▪️売却障壁②|「ハザード=住宅ローン不可」と思われている

旧記事では、ハザードエリアだと住宅ローン審査へ影響すると一括りにしていました。

しかし、

ハザードマップに色が付いているだけで住宅ローンが全国一律に利用できなくなる、という制度ではありません。

金融機関では、

・申込者の返済能力


・物件の担保評価


・建物状態


・土地条件


・借入額

などを含めて審査します。

一方で、災害リスクが特に高い一部区域では住宅支援制度の条件が関係することがあります。

例えば新築住宅については、土砂災害特別警戒区域など一定の区域で、フラット35の一部金利引下げメニューを利用できない場合があります。

ただしこれも、

「ハザードエリアならフラット35そのものがすべて使えない」

という意味ではありません。

さらに中古住宅では扱いが異なる制度もあります。

売主側で、

「どうせローンが通らない家」

と決めつけて価格を下げるのではなく、実際に関係する区域と制度を確認することが大切です。

土砂災害特別警戒区域の建築制限についてはこちらで詳しく整理しています。


▪️売却障壁③|ハザードと「実際の被災歴」が混ざっている

ハザードマップに入っていることと、実際に災害被害を受けたことは別です。

例えば、

同じ浸水想定区域にある2軒の住宅でも、

一方は過去に床上浸水。

もう一方は所有者が把握する被災歴なし。

ということがあります。

実際に被害があった場合は、

・いつ被害が発生したか


・どこまで浸水したか


・どの部分を修繕したか


・設備交換をしたか


・写真や修繕記録が残っているか

を整理しておくと、現在の建物状態を説明しやすくなります。

逆に、

「昔この地域で洪水があったらしい」

という話だけで、その家にも同じ被害があったと決めつけることもできません。

将来予測であるハザード情報と、過去の実被害を分ける。

これだけでも査定や買主への説明はかなり整理しやすくなります。

地域ごとにハザードを確認する実例として、熊野市の記事でも河川・浸水・河岸侵食・土砂災害を分けて整理しています。


▪️売却障壁④|原因を確認せず「ハザードだから値下げ」してしまう

売れない期間が続くと、

「やっぱり危険地域だから100万円下げよう」

となりやすいものです。

しかし、問い合わせがない原因が本当にハザードとは限りません。

例えば、

・販売価格が高い


・建物が古い


・駐車場が使いにくい


・接道条件が弱い


・残置物が多い


・募集写真で状態が分かりにくい


・そもそも地域需要が少ない

という原因が重なっている場合があります。

だから不動産会社へ確認したいのは、

「ハザードだから売れませんか?」

だけではありません。

・物件ページは見られているか


・問い合わせは入っているか


・内見まで進んでいるか


・内見後に何を理由に断られているか


・ハザード説明後に検討が止まっているか

を確認します。

ここを見れば、値下げで解決する問題なのか、それ以外の問題なのかが分かりやすくなります。

さらに、ハザード物件に全国共通の、

「洪水なら20%引き」

「土砂なら30%引き」

という値引き基準はありません。

査定価格は会社によっても違うため、1社だけで判断しないことも重要です。


▪️売却障壁⑤|価格だけでなく「購入後の費用」が分からない

買主が気にするのは、販売価格だけではありません。

例えば、

水害履歴がある。

擁壁がある。

土砂災害特別警戒区域に入っている。

古い建物も残っている。

という物件なら、

「買ったあとに何円必要になるのか」

も重要です。

保険。

建物修繕。

造成や擁壁。

将来建て替える場合の条件。

解体。

こうした費用が分からないほど、買主は判断しにくくなります。

だから、

安くすることより先に、購入後に何が必要なのかを見える状態にする

ことが重要です。

これはハザード物件だけでなく、古い空き家全般に共通します。


▪️「危険だから解体」「住宅以外へ用途変更」も先に決めない

旧記事では解決策として、

「価格を下げる」

「住宅以外へ用途変更する」

としていました。

しかし、この2択でもありません。

古い家であれば、

「危険地域だから壊して土地として売ろう」

と思うこともあります。

ところが建物を解体しても、土地のハザード条件は残ります。

さらに解体費を使ったあと、土地価格が思ったほど上がらなければ手残りは減ります。

そのため先に、

・古家付きで売った場合


・更地で売った場合


・実際の解体費


・一般仲介で売る場合


・現状買取する場合

を比較します。

売れない原因を確認する前に、大きなお金を使って物件を変えないこと。

ハザードエリアほど、この順番が重要です。


▪️一般仲介で売れないなら「さらに値下げ」だけが次の手ではない

ハザード情報があっても、一般仲介で売れる物件はあります。

一方で、

・実際の被災歴がある


・土砂災害特別警戒区域など制限が強い


・建物も大きく老朽化している


・接道など別の問題も重なっている

という物件では、一般の住宅購入者だけを探し続けると時間がかかることがあります。

その場合は、

一般仲介と現状買取を同時に比較する

方法があります。

仲介なら市場で買主を探せるため、高い価格を狙える可能性があります。

一方、買取は価格が低くなる可能性がありますが、物件条件を理解した事業者が直接評価できる場合があります。

見るのは、最高査定額だけではありません。

・想定売却価格


・売却までの期間


・その間の管理費


・修繕や解体などの追加負担


・最終的な手残り

まで比較します。


▪️まとめ|ハザード物件は「危険だから売れない」ではなく、判断材料を揃えて売る

旧記事では、

「ハザード=最初から選ばれない」

という単純な構成になっていました。

しかし実際には、

ハザードマップに該当するだけで売買は禁止されません。

住宅ローンも自動的にすべて利用不可になるわけではありません。

保険や価格についても、全国共通の一律ルールで決まるわけではありません。

まず整理したいのは、

・何のハザードなのか


・リスクの程度はどのくらいか


・実際の被災歴があるか


・建築や利用への制限があるか


・購入後に必要な費用は何か


・本当にハザードが原因で売れていないのか

です。

そのうえで価格を決め、一般仲介と買取を比較します。

ハザードエリアの空き家で一番避けたいのは、「危険そうだから安くする」と所有者側だけで結論を出すことです。

買主が判断できる情報を揃え、それでも市場で動かない部分だけを価格や売却方法で調整する。

それが、ハザード情報のある空き家を売却するときの基本です。


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