土地活用の提案書はどこを見る?想定賃料・空室率・修繕費・返済の確認順

更新日:10月7日
土地活用の提案書は、収入予測や建物イメージがきれいにまとまっています。ただし、見るべきなのは『一番上の年間収入』ではなく、その数字を作っている前提です。
想定賃料、空室率、管理費、修繕、返済を一つずつ分解すると、同じ土地でも提案会社によって差が出る場所が分かります。
▪️結論|売上ではなく前提条件を読む
提案書は収入額だけを比べず、その収入が何戸・何円・何%稼働を前提にしているかを見ます。前提が違う提案は、そのまま横並びにできません。
▪️① 想定賃料は周辺競合と比べる
新築だから高い家賃が取れるという前提だけでなく、周辺の同間取り・駐車条件・駅距離を確認します。数年後に家賃調整しても回る水準かが重要です。
▪️② 空室率が低すぎないかを見る
年間ほぼ満室で計算されている提案ほど収益はよく見えます。1室空室や入替期間を入れた別ケースも自分で作ります。
▪️③ 管理費と募集費を分ける
管理委託料だけでなく、退去後清掃、仲介募集費、広告費、鍵交換など、入退去で出る費用がどこまで含まれているか確認します。
▪️④ 修繕費がゼロになっていないか確認する
新築直後は修繕が少なくても、長期では設備交換や外装工事が必要になります。長期収支表に修繕をどう入れているかを見ます。
ここまで整理しても一案だけでは判断しにくい場合は、同じ土地条件で複数の提案を並べると、収益だけでなく投資額や自由度の差まで比較しやすくなります。
▪️⑤ 返済条件を確認する
金利や借入期間が少し変わるだけでも毎月返済は変わります。提案書の融資条件が確定なのか、想定なのかを分けて見ます。
例えばA社が家賃7万円・稼働98%、B社が6.5万円・稼働92%で計算していれば、建物性能だけでなく前提差が大きく影響します。数字を同じ条件へ直して比較すると本当の差が見えます。
▪️⑥ 税引前の手残りと現金残高を見る
会計上の利益と現金の増減は同じではありません。毎年いくら現金が残り、修繕時に資金不足にならないかを確認します。
長期表で修繕費が10年以上ほぼゼロなら、何を想定しているか確認します。設備交換や外装費を後から自分で入れるだけで、累計手残りが大きく変わる場合があります。
▪️⑦ 最後に出口を見る
20年保有前提でも、途中売却する可能性があります。残債、土地の価値、建物状態を踏まえ、途中でやめる選択肢が残るかを確認します。
提案書の数字は、まず『確定』『見積』『想定』の3種類に分けます。建築見積が確定に近くても、家賃や稼働率は将来予測です。同じ表に混ぜず、どこが変動する数字なのか色分けすると読みやすくなります。
長期収支では、賃料が下がるケース、金利が上がるケース、修繕が前倒しになるケースを一つずつ試します。全部同時に悪化させる必要はなく、どの要素に弱い計画かを確認するのが目的です。
比較時はA社・B社・C社の提案書をそのまま並べず、自分の共通フォーマットへ転記します。家賃、稼働率、管理費、修繕、返済、10年後残債を同じ列にすると、見せ方ではなく前提の差が見えます。
▪️よくある質問
Q1. 提案書の年間収入だけ比べればいい?
前提賃料や稼働率が違うため、そのまま比較しません。
Q2. 空室率は何%で見ればいい?
地域と物件タイプで変わるため、会社の根拠を確認し、悪化ケースも作ります。
Q3. 修繕費が少ない提案の方がいい?
単に計上していない可能性もあるため、工事項目と時期を確認します。
Q4. 金利は提案書どおりになる?
確定前なら想定条件です。金利が上がったケースも試算します。
Q5. 比較で一番大切な数字は?
返済・管理・修繕後に残る現金と、その前提の妥当性です。
▪️まとめ
土地活用の提案書は、収入額ではなく前提条件を分解して読みます。
想定賃料・空室・管理・修繕・返済・出口を同じ表にそろえると、提案の差が見えます。
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