地方の空き家が獣害トラブルにつながる理由

更新日:10月9日
使っていない実家の屋根裏から音がする、床下の換気口が壊れている、室内に糞らしいものがある。そうした異変に気付いても、何の動物なのか分からず対処に迷うことがあります。
空き家で動物の侵入が起こる可能性はありますが、『地方の獣害が急増している』といった根拠のない断定はできません。この記事では、動物を決めつける前に安全を確保し、建物の侵入口と管理方法を確認する順番を整理します。
① 空き家の侵入口は屋根・換気口・床下から確認
古い住宅では、外壁のすき間、壊れた換気口、軒天、屋根周り、床下などが動物の侵入経路になる場合があります。外観から見えない場所にすき間が残っていることもあります。
山沿いや農地に近い場所では、周辺の環境によって動物の種類が異なります。足跡や糞、音だけで種類を確定するのは難しいため、むやみに近づかず専門家へ相談しましょう。
侵入口が見つかっても、中に動物がいる可能性がある段階で勝手にふさぐと、閉じ込めるおそれがあります。作業の順番を確認することが重要です。
② 糞尿・臭い・断熱材の損傷を点検する
動物が屋根裏や床下へ入り込むと、糞尿、臭い、断熱材の損傷、物音などが生じることがあります。ただしこうした症状には別の原因も考えられるため、現地調査が必要です。
糞や死骸に素手で触れたり、粉じんを立てながら掃除したりするのは避けましょう。衛生上のリスクがあるため、必要に応じて適切な保護具と専門的な清掃を検討します。
雨漏りや配管からの臭いと区別するため、建物の状態も同時に確認すると原因を絞りやすくなります。
③ 電気配線・天井・外壁の安全を優先する
動物の侵入で電気配線や断熱材などに損傷が生じる場合があります。焦げ臭さ、電気設備の異常、天井のたわみなどがあれば、無理に室内へ入り込まないようにします。
電気設備の異常が疑われる場合は、電気工事業者など適切な専門家へ相談します。天井裏へ所有者自身が入ると転落や踏み抜きの危険もあります。
動物の対策費だけではなく、建物の安全を回復するための修繕費も見積もる必要があります。
④ 捕獲や追い出しは法律と自治体ルールを確認
野生の鳥獣を捕獲・殺傷する行為は、鳥獣保護管理法などの規制が関係する場合があります。種類や目的によって必要な許可・条件が異なるため、自分で捕獲器を置けばよいと考えないことが大切です。
最初に自治体の担当窓口や、法令に対応できる専門業者へ相談します。猫など飼い主のいる可能性がある動物や、野生動物ではないケースもあるため、種類を決めつけて対処しないようにしましょう。
動物がいなくなったことを確認する前に侵入口をふさぐ方法は、閉じ込めや二次被害につながる可能性があります。
⑤ 近隣からの連絡と遠方管理の体制を整える
空き家の敷地から臭いがする、軒下に動物がいるといった連絡が近隣から入ることがあります。原因が確定していなくても、放置せず現地確認を進めることが重要です。
遠方の相続物件では、連絡を受ける人と調査を手配する人、費用を負担する人を決めておきます。点検結果を写真と日付で残すと、修繕業者への説明がしやすくなります。
近隣への説明では、原因の確認中なのか、業者へ調査を依頼したのかなど、分かっている事実だけを伝えましょう。
⑥ 駆除費と建物修繕費を分けて比較する
動物を建物から遠ざける対策だけで終わらず、侵入口の補修、汚損した材料の交換、清掃が必要になる場合があります。駆除や追い出しと、建物を直す工事は費用を分けて見積もりましょう。
仮に調査・対策が5万円、侵入口の修繕が8万円、清掃・材料交換が7万円なら、合計20万円という計算例です。これは一般的な相場ではなく、実際の費用は被害の内容で変わります。
売却を考えている空き家なら、必要な安全対策と現況売却の可能性を比較します。すべて修繕してから売る方が有利とは限りません。
空き家の管理方法と現況売却についても、必要な修繕費が分かってから比較すると判断しやすくなります。
⑦ 動物の侵入を疑ったときの四つの確認
屋根や換気口、床下などに異変がないか、まず安全な範囲から確認し、種類が分からない動物には近づきません。
糞尿、電気配線、天井などの問題がある場合は、衛生と建物の安全を優先し、無理に自分で清掃・修理しないようにします。
捕獲や侵入口の閉鎖を考える前に、自治体や対応できる専門業者へ法令と作業方法を確認します。
最後に調査・対策・修繕・清掃の費用を分け、管理を続けるか売却するかを含めて、今後の対応を決めましょう。
⑧ よくある質問
Q1. 空き家の屋根裏で音がしたら動物がいる?
動物の可能性はありますが、音だけで種類や原因を特定できません。
危険な場所へ入らず、必要なら専門業者へ調査を相談します。
Q2. 動物を捕まえて外へ出してよい?
野生鳥獣の捕獲には法令上の制限が関係する場合があります。
種類や許可の要否を自治体などに確認してから対応してください。
Q3. 動物の被害がある家は売れない?
被害の範囲や建物の状態によって売却可能性は異なります。
安全対策と現況査定、修繕費を比較して判断します。
⑨ まとめ
地方の空き家では屋根裏や床下などに動物が入り込み、糞尿や建物損傷などの問題が生じる場合があります。ただし異変の原因を推測で決めつけず、安全に調査することが重要です。
自治体と専門業者へ対応方法を確認し、侵入口の補修・清掃・修繕を分けて考えましょう。保有を続ける場合も売却する場合も、建物の安全性を優先します。

